OS基本性能から仮想化環境まで、多岐にわたり機能改善が行われている「Windows Server 2008 R2」。すでにリリースから4カ月以上経過しており、紹介記事も数多く出回っているが、同サーバが本当に使えるものなのか確信が持てずに周囲の反応を見守っているシステム管理者は多いはずだ。
そこで、小誌はWindows Server 2008 R2の導入を5人のライターに依頼。その模様を体験記というかたちでレポートしてもらうことにした。
今回、岡崎氏にはWindows 7との組み合わせにより、アプリケーションの実行をポリシーベースで制御可能なAppLockerにチャレンジしてもらった。岡崎氏は、中小企業のシステム管理者でもある。これからWindowsサーバでアプリケーションの実行制御をしたいと思っている方には、大いに参考になるだろう。
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筆者の勤務先では、Windows Server 2003をメインに基幹ネットワークを構築しているが、そろそろサーバ環境も刷新したいので、今回、基幹ネットワークのアップグレードを想定して、Windows Server 2008 R2を試用してみることにした。ちなみに、Active DirectoryはWindows 2000 混在モードで使用しており、Windows NT 4.0ドメインコントローラが存在する。
まず、既存環境と同様のWindows Server 2003ドメインを構築し、そこにWindows Server 2008 R2を導入してみる。
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まず、環境移行に当たっては新しいPCサーバが必要になった。Windows Server 2003の発売当時は、まだまだx86版が主流であったが、Windows Server 2008 R2はx64(64ビットプロセッサ)環境のみのサポートであり、x86版からx64版にはアップグレードできない。
デバイスドライバの互換性の問題など、OSのアップグレードには不安定さを引き起こす問題を伴うことが多い。したがって、たとえWindows Server 2003 x64版を使っていたとしても、可能な限り新規PCサーバを追加することを筆者はお勧めしたい。そうすれば、万が一の移行作業失敗時にも、再度アップグレードにトライすることができる。