26日に発売を迎えたMac OS Xの新バージョン10.5(Leopard)が発売される。300以上の新機能を搭載した注目のメジャー・バージョンアップだが、動作に必要なシステム条件も底上げされているため、導入できない旧機種のユーザも増えることが予想される。10.3(Panther)以前のシステムを使っている旧機種ユーザで、10.5に対応していないMacを所有している場合は、10.4(Tiger)を確保しておく必要があるかもしれない。

Mac OS X v10.4(左)と26日から販売が開始されるOS X v10.5(右)

10.5は、ファイルを開かずに内容を確認できる「Quick Look」、自動バックアップ機能の「Time Machine」、アプリケーションウインドウをグループ化する「Spaces」、そしてIntel MacでWindowsの起動を可能にする「Boot Camp」などの新機能を搭載する注目のメジャー・バージョンアップだ。しかし、動作に必要なシステム条件も底上げされており、IntelまたはPowerPC G5、あるいは867MHz以上のPowerPC G4プロセッサを搭載しているMacでなければ導入することができない。

867MHz以上のPowerPC G4という制約はかなり大きく、特にMac OS 9以前の旧Mac OSの動作環境を残すために、Power Mac G4やG3を使い続けているデザインやDTPなどの出版関連業界では多くの機種が対象外となってしまうだろう。購入可能なMac OS Xのバージョンが10.5のみとなってしまった場合、10.5の動作対象外のPower Mac G4はMac OS Xへの移行が不可能になる。幸い、10.4の動作に必要なシステム条件は、内蔵FireWireを搭載したPowerPC G3とG4が含まれており、クロック周波数の限定はない。

これらの状況を考えると10.3以前のMac OS XやMac OS 9以前のユーザの中には、10.4を手に入れておく必要が出てくる。なぜなら、10.5ではClassic環境をサポートしていないため、クライアントや使用しているアプリケーションの関係でMac OS 9環境が必要なユーザにとって同環境が使用できるのは10.4以下になるからだ。また、Adobe Creative Suite 3は、PowerPC G4では動作するが10.4.8の環境が必要であるため、旧バージョンからC3へアップしようと考えていたユーザで、10.5未対応のモデルを使用している場合には10.4の入手が必須となる。

しかし、すでにWeb上でのアップル ストアでは10.4の注文はできないため、他のショッピングサイトかショップで購入するしかない。24日の時点で、大手ショッピングサイトのamazon.co.jpから注文は可能だが、入荷まで4~6週間となっており、注文できてもamazon.co.jpからキャンセルされてしまう可能性もある。ビックカメラのショッピングサイトはすでに注文ができなくなっており、、ヨドバシカメラのみMac OS X Server v10.4 10クライアント版のみが取り寄せで注文が可能だ。この他のショッピングサイトでもすでに取り扱いをやめているか取り寄せ状態となっているところがほとんどだ。BCNやconeco.netのOSランキングでも10.4.6が2位になるなど、10.5の販売を目前にして人気が急上昇している。

ショッピングサイトでの10.4の販売は、amazon.co.jpで注文は可能だが取り寄せとなっており、ヨドバシカメラはサーバ版の10クライアントのみの注文が可能、ビックカメラでは注文リストには表示されなかった

手堅いところでは在庫を抱えているショップで購入する方法があるが、東京秋葉原のある量販店では、10.5の発表後に在庫が急速に減り、全国の系列店から急遽集めている状況で、当然ながら在庫のみとなっており、いつまで販売しているのかは微妙な状況だ。