測量士補の難易度は?合格率やおすすめの勉強法についてもご紹介!

測量士補の資格を取得したいと考えたとき、難易度や勉強方法など、わからない点も多いのではないでしょうか。

この記事では、測量士補の合格率や、おすすめのテキスト、過去問、通信講座など、測量士補資格取得に役立つ情報を紹介します。

事前に測量士補にまつわる知識を得たうえで、あなたに合った学習法を見付けられれば、スムーズに測量士補資格取得を実現できるでしょう。

測量士補の学習にあたっては、当サイトで掲載している測量士補の通信講座に関する記事も、ぜひ参考にしてください。

測量士補におすすめの通信講座5選と失敗しない選び方の記事はこちら

サイト監修者

徳永浩光

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国家資格キャリアコンサルタント所持。教育研修企業で7年間営業に従事したのちに独立。

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測量士補はどんな資格?

測量の国家資格には「測量士」と「測量士補」があり、測量法では以下のように仕事内容が区分けされています。

  • 測量士:測量作業に主任者として測量計画を作成
  • 測量士補:測量士の作成した計画に基づき測量を担当

測量士が指示を出し、測量士補が実際に測量するイメージです。

測量士補とは、名称に「補」が付く通り、測量業者に従事する測量士が作成した計画に従って測量を実施し、測量士を補佐する技術者に求められる国家資格といえます。

測量士補になるには?

測量士補になるには国家試験に合格するか、大学など専門教育を受けて修了し、資格取得後に国土地理院の名簿に登録する必要があります。

測量士補の資格取得方法

測量士補試験は、測量法及び測量法施令に基づいて行われる国家試験で、測量士補となるために必要な専門的技術を有するかどうかを判定するために行い、試験に合格すれば測量士補資格が取得可能です。

測量士補資格を得るには、国家試験に合格するほかに、大学など専門教育を受けて修了する手段もあり、具体的には次の3つの方法があります。

  • 文部科学大臣の認定した大学・短期大学・又は高等専門学校において、測量に関する科目を修め、当該大学等を卒業した方
  • 国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設にて1年以上測量士補となるのに必要な専門の知識及び技能を修得した方
  • 国土地理院が行う測量士補試験に合格した方

必要な学歴を有している場合は、経験年数によって申請するだけで資格取得可能です。

また、必要な経験年数前に資格取得が必要な場合、試験を受けて資格取得を目指すこともあります。

測量士補の免許登録について

測量士・測量士補ともに、資格取得後に国土地理院名簿に登録することで、測量士・測量士補として任命されます。

このように、測量士補になるためには、資格と免許登録の両方が必要となり、資格保有だけでは測量士補として認められません。

資格保有者は、国土地理院の「測量士及び測量士補登録に関する案内」から登録申請書をダウンロードし、「国土地理院総務課試験登録係」に提出すると、測量士補としての免許が発行されます。

登録申請には、登録免許税(課税額 測量士補:15,000円)が課税され、納付は収入印紙、現金のどちらでも可能です。

測量士補の難易度は?

測量士補試験では、その名の通り測量に関する知識が問われます。

試験科目は以下の通りです。

  • 測量に関する法規
  • 多角測量
  • 汎地球測位システム測量
  • 水準測量
  • 地形測量
  • 写真測量
  • 地図編集
  • 応用測量

測量士補試験は、全問マークシート形式で28問が出題され、そのうち18問以上正解すれば合格です。

とはいえ、試験問題は過去問の焼き直しが多く、対策しやすいこともあり、難易度は決して高くなく、過去問をしっかり勉強すれば十分合格を狙えます。

なお、28問中10数問は計算問題が出題されるため、択一問題だけでなく、計算問題への対策も必須です。

使用する公式や三角関数は、高校生の数学が出来れば問題ないレベルのため、繰り返し解いて方法を身に付けましょう。

また、電卓の持ち込みができないため、筆算に慣れておく必要があります。

測量士補の合格率について

測量士補の合格率は以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度 13,480人 4,342人 32.2%
令和4年度 12,556人 5,540人 44.1%
令和3年度 12,905人 4,490人 34.8%
令和2年度 10,361人 3,138人 30.3%
令和元年度 13,764人 4,924人 35.8%
平成30年度 13,569人 4,555人 33.60%
平成29年度 14,042人 6,639人 47.30%
平成28年度 13,278人 4,767人 35.90%
平成27年度 11,608人 3,251人 28.00%
平成26年度 11,118人 4,417人 39.70%
平成25年度 10,596人 2,248人 21.20%
平成24年度 10,551人 4,289人 40.70%

測量士補は国家資格ですが、ほかの国家資格と比べると合格率は高い傾向にあります。

合格率はおおむね30%程度で推移しており、およそ3分の1の方が合格していることになるため、難易度はそこまで高くないと言えるでしょう。

測量士補試験は、ビジネスマンだけでなく、商業高校の生徒も多く受験します。

高校生にとって測量士補試験はまだまだ未知の分野であるため、社会人のみで考えれば合格率はさらに高くなると考えて良いでしょう。

土地家屋調査士と比較した場合の合格率・難易度

土地家屋調査士が行う不動産登記や書類作成などは、測量士補業務の延長にあるため、土地家屋調査士試験で得られる知識は、測量士補として活躍する上でも、十分役に立ちます。

また、測量士補資格取得者は、土地家屋調査士試験において、「午前試験を免除できる」ことから、測量士補試験を受験される方も多いと言えるでしょう。

土地家屋調査士の近年の合格率は、以下のように推移しています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度 4,429人 428人 9.66%
令和4年度 4,404人 424人 9.63%
令和3年度 3,859人 404人 10.47%
令和2年度 3,785人 392人 10.36%
令和元年度 4,198人 406人 9.68%
平成30年度 4,380人 418人 9.54%
平成29年度 4,600人 400人 8.69%
平成28年度 4,506人 402人 8.92%
平成27年度 4,568人 403人 8.82%

土地家屋調査士試験の合格率は、かつてと比較するとやや上昇傾向にありますが、それでも8%~9%という低い水準で推移しています。

非常に難易度の高い試験ですが、合格率を下げている大きな要因の一つは「足切り制度」によるものと言えるでしょう。

「午後の部」の試験で課される択一式問題と記述式問題には、それぞれ「基準点」が設定されており、どちらかの点数が基準点に満たない場合、その時点でもう片方は採点すらされず、即座に不合格となります。

つまり、どちらかの失敗をもう片方でカバーできないため、合格するためには、択一式と記述式、両方とも基準点に達さなければなりません。

測量士補試験に基準点は設けられておらず、すべて多肢択一式問題(450点/700点合格)であるため、土地家屋調査士と比較すると、難易度は低いと言えるでしょう。

測量士と比較した場合の合格率・難易度

測量士は午前が選択式の筆記試験、午後は記述式の筆記試験となっており、合格するためには、午前と午後合わせて65%以上の正答率が必要です。(午前試験50%以上の正答率が必要)

ただし、測量士試験では、マークシート形式の選択問題と記述問題の両方が出題される一方、測量士補試験は選択問題のみのため、測量士と比べて難易度は易しいと言えるでしょう。

測量士の近年の合格率は、以下のように推移しています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度 3,667人 379人 10.3%
令和4年度 3,194人 460人 14.4%
令和3年度 2,773人 498人 18.0%
令和2年度 2,276人 176人 7.7%
令和元年度 3,232人 479人 14.8%
平成30年度 3,345人 278人 8.3%
平成29年度 2,989人 351人 11.7%
平成28年度 2,924人 304人 10.4%
平成27年度 2,739人 315人 11.5%

測量士、測量士補、両者の合格率を比較すると、測量士は例年10%前後であるのに対し、測量士補試験は30%前後となっており、その差は約3倍です。

その背景には、測量技術という高度に発達した分野について、最新の知見が必要であること、実際の測量実務に則した、難易度の高い問題が出題されることにあります。

また、地理や数学の知識が応用されることも多く、場合によっては難しい論点も含む点も、難易度を上げている原因の一つと言えるでしょう。

測量士補におすすめの学習方法

測量士補試験の特徴として挙げられる「過去問が繰り返し出題される」「過去問の焼き直しが多い」という点から、過去問演習に重点を置いた学習が必須であると言えるでしょう。

ほかにも、通信講座といった手段も測量士補の学習におすすめです。

当サイト内では、測量士補の通信講座についても掲載しています。

測量士補の学習方法のひとつとして、ぜひこちらも参考にしてください。

測量士補におすすめの通信講座5選と失敗しない選び方の記事はこちら

過去問の効率的な取り組み方

測量士補試験対策としては、以下のポイントを押さえた上で、過去問をどれだけやりこみ、知識を習得できるかが重要です。

  • インプットに時間を掛けすぎず、過去問を中心に学習する
  • 計算は出題パターン(20パターンほど)を押さえること
  • 過去問は10年分、3~5周ほど解くこと

「過去問で間違えた問題や、知らなかったことを参考書やテキストで確認し、再度過去問に取り組む」この繰り返しで十分合格に近づけるでしょう。

合格の鍵とも言える計算問題においても、同じパターンで出題される傾向が強く、問題の中の数値を変えて出題されるため、過去問に取り組む中で、解き方や公式を暗記し、計算問題に慣れていきましょう。

測量士補試験に合格するための学習スケジュール

測量士補試験合格に必要な勉強時間は、一般的に「200時間」と言われています。

元々の知識量など個人差はありますが、測量の知識ゼロからでも1日に2~3時間の勉強で、3ヶ月程度、1日1時間の勉強で6ヶ月程度が目安と考えておきましょう。

例年、5月中旬あたりに測量士補試験が実施されるため、年末から2月くらいに勉強を始めるなど、自身が勉強に充てられる1日の時間を考えた上で、試験日から逆算してスケジュールを立てるのがおすすめです。

独学で測量士補に合格するために必要な勉強方法について知りたい方は、こちらの記事もご一読ください。

測量士補は独学で勉強できる?おすすめの勉強法について解説!の記事はこちら

測量士補の学習におすすめ問題集・過去問・通信講座

測量士補におすすめのテキスト・過去問・通信講座などを紹介します。

2024年度測量士補試験問題集/実教出版

測量士補試験対策問題集として、代表的な1冊です。

「問題編」では、測量法に関する問題を序章として巻頭に集め、「解説編」では、試験問題の特徴などを随所に「一口アドバイス」としてまとめています。

過去問を徹底的に精査・分析しており、試験対策はこれだけで十分とも言われるおすすめの1冊です。

いちばんわかりやすい!測量士補 テキスト&問題集+予想模試/成美堂出版

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試験で頻出する内容を効率的に学習できるよう、イラスト・表を駆使してコンパクトに試験科目を解説しています。

巻頭では試験で必要となる公式等の計算ツールを紹介、再出題が予想される過去問題67問と、別冊の予想模試を収録しています。

様々なテキストを手に取りましたが、優れている点として中学生程度の算数・数学の学力と読解力・語彙力があれば合格までたどり着けるようにできていると思います。大人になって長らく「勉強」というものから離れていた人にもおすすめです。

測量士補過去問280 令和6年度版/日建学院

資格講座を開講して40年余となる日建学院が著者である本書は、平成23年度から令和2年度まで過去9年分の全問題を、分野別・項目別に分類、解説した過去問題集です。

各問題に出題年度と重要度が記載されており、出題傾向が掴みやすい内容となっています。

問題のすぐ後に解説が記載されているため、解説ページを探す手間を省け、効率的に学習できるでしょう。

資格試験というものは過去問をすることで、合格率を高めることが可能です。
参考書のような物も買いましたが、時間が無かったので私は過去問で対応することにしました。この本は各設問に対しての解答が掲載されているので、判りやすくて使い易かったです。

アガルートアカデミー 測量士補 オンライン講座

アガルートアカデミーは、「必要なものを必要なだけ」をテーマに、最小限に絞った講座体系と最良のテキスト、使いやすい受講環境を整え、徹底的な合理化を実現しています。

フルカラーテキストは、視覚的に情報を整理し、知識を素早く吸収できるでしょう。
学習上有意義なアイコンやマークを作成し、見やすく分かりやすいレイアウトになっています。

テスト巻末には、ページごとに該当する過去問肢が記載されており、講義で得た知識を使ってすぐに過去問を解くことで、実践力が身に付けられるでしょう。

アガルートアカデミーは合格率95.2%と高い実績を誇り、知名度はもちろん、初心者でも安心して学習できる、分かりやすい教材提供を行っています。

確実に資格取得を目指したい方、初めて測量士補を学習する方にも非常におすすめできる講座と言えるしょう。

アガルート公式HPで測量士補講座の詳細を見る

日本測量協会通信添削講座

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日本測量協会では、測量士・測量士補の資格を取得するための実力養成講座を開設し、毎年抜群の合格率を確保しています。

測量士補通信添削講座」では、出題傾向に基づいた模擬問題と、受験テキストを元に、元試験委員の経験を持つ講師陣による添削、アドバイスを通じて確実な実力アップを図れるでしょう。

模擬問題(択一式)の解答には、いつでもどこでも学習可能な自己学習システム、「JAS eラーニング」を利用し、自分のペースで繰り返し学習できるため、受講者からも高く評価されています。

測量士補の難易度:まとめ

測量士補試験は、過去問を重点的に学習すれば合格ラインに届くとされ、難易度はそれほど高くないと言えるでしょう。

とは言え、全く勉強せずに合格できるような試験ではないため、教科書や問題集で知識をしっかり積み上げる必要があります。

測量士補を初めて学習する方や、確実に資格取得を目指したい方には、通信講座など学習カリキュラムや、学習フォローが万全なものを受講すると良いでしょう。

測量士補試験に合格するためには、試験科目や範囲について詳しく理解することが必要不可欠です。

難度の高い論点はどこなのか、どういった範囲を重点的に学習すれば良いのか、事前にしっかり把握できれば、学習効率も高まります。

あなたに合った教材と学習方法で測量士補試験の合格を目指しましょう。

当サイトでは、アガルートの測量士補講座をおすすめしています。

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監修者

国家資格キャリアコンサルタント

教育研修会社にて、7年間営業として、企業へのキャリア開発支援制度の導入、個人のキャリア開発に携わり、その後独立。

キャリア支援を通して、個々人の理想の働き方・生き方を考えるサポートをしている。

その一環として、マイナビニュース資格の監修を担当。

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