簿記の難易度は?合格率についてもご紹介!

就職活動中の学生から転職・再就職を狙う社会人まで、さまざまな方から人気を集める簿記資格。

企業の採用担当者が重視する応募者の保有資格として、常に上位にランキングされる、ニーズの高い資格です。

この記事では、簿記を取得したいと考え、情報を収集しはじめた方が参考にできる、簿記資格の概要と簿記検定の難易度・合格率についてご紹介します。

「就職・転職を有利に進めたい!」と就労を目的とされる方や「キャリアアップにつなげたい!」と自己研鑽に励みたい方に、役立つ情報をお伝えします。

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簿記とは~どんな資格?~

簿記とは「企業のお金やモノのやり取り(取引)を記録する技術」のことです。

企業が日々行う商品売買や固定資産の購入・売却、税金や保険料・通信光熱費の支払いなどのさまざまな取引を帳簿に記帳し、それをもとに財務諸表を作成するのが、簿記全体の主な流れとなっています。

財務諸表とは企業の財務状況をまとめた書類のことで、いわばその企業の成績表です。

そのため、この財務諸表が読めるようになると、企業の経営状態が把握できるようになるのですが、簿記を習得すると、財務諸表を読み解く能力も養えます。

この能力を会得すると、たとえば経営者であれば会社の経営判断の材料として、また営業の担当者であれば取引先企業の現状把握の材料としてなど、あらゆるビジネスシーンにおいて活用できるため、経理職や財務職に携わる方だけでなく、ビジネスに関わるすべての方が身につけておきたい知識です。

簿記には数種類の団体が主催する検定試験がありますが、ここではもっとも受験者数が多く、知名度の高い「日商簿記検定」に関する内容をご紹介します。

日商簿記の資格概要

複数ある簿記検定のなかで、もっともポピュラーな試験である「日商簿記検定試験」は、日本商工会議所が主催する簿記の検定試験です。

主に社会人をターゲットにした、ほかの簿記検定よりもレベルの高い検定試験で、3級以上の資格を保有すると、履歴書に記載できます。

経理・会計業界への就職は、職務経験者が優遇される傾向が強いため、未経験で経理・会計職に就きたいのであれば、日商簿記2級の資格取得を視野に入れておきましょう。

ここでは、簿記とはどんな資格であり、どんな場所で、どんな仕事ができるかといった、級ごとにおける簿記資格の概要と、資格を保有すると得られるメリットなどを解説します。

日商簿記3級の資格内容

日商簿記3級は、簿記のしくみや勘定科目などの基礎的な簿記の知識を学びながら、小規模企業における、日々の仕訳・伝票作成から決算書類・青色申告書類の作成までを身につけられる資格です。

簿記には「商業簿記」と「工業簿記」という2つの科目がありますが、3級では「商業簿記」の基本的な知識を学びます。

商業簿記は、外部から仕入れた商品をそのまま外部へと販売する、卸売業や小売業などの商業経営に利用される簿記のことをいい、もっともベーシックな簿記です。

これまで、3級といえば、町の商店のような個人経営企業に関する簿記という位置づけでしたが、2019年の試験範囲の改定により「株式会社」を試験範囲に含めるようになりました。

これにより、実際に経理部門などで働く際に、より実務に役立つ知識が得られる試験へと生まれ変わっています。

日商簿記3級で得られる知識は、業種・職種を問わず、ビジネスパーソンなら身につけておきたい、社会人必須の基本的な内容であるため、多くの企業から評価されています。

ところが、その反面「日商簿記3級」資格の単独保有を前提とした就職・転職活動は、少々難しいのが現状です。

簿記3級合格レベルでは、経理・会計職の実践にはまだまだ知識レベルが足りず、即戦力としてみなしてもらえないことがしばしばあります。

そこで、簿記3級の資格を活かして就労を目指す場合、まずは会計事務所・税理士事務所などで募集される、会計事務・税理士補助事務のアルバイトなどから実務経験を積み、職歴を築く方法がおすすめです。

企業のなかには、資格よりも実務経験の有無を重視して求人を出すケースも珍しくなく、アルバイトであれ、一通りの実務をこなした経験を持っている場合、転職時に十分評価が得られる可能性があります。

ひとまず、経理・会計系の職種に就けたら、現場で実践を重ね、キャリアを積んで、経験値を上げましょう。

経験を積むことで、次に転職する際、職務経験者としてのアドバンテージを得た状態で、経理・会計職種への応募が可能になります。

そして、ぜひ上位級である2級の取得にチャレンジしてみてください。

日商簿記2級は、3級取得で得た知識をベースに、ステップアップを図るのにふさわしい検定級です。

2級を取得すると、転職時に採用担当者にアピールできる大きな要素となるため、就職・転職活動を有利に進められます。

3級保持者として実務経験を積みながら、2級資格を取得して、キャリアアップを図りましょう。

日商簿記2級の取得は、今後のキャリアパスを考える上で、非常に重要なカギを握っています。

3級に合格された方は、ぜひ前向きに2級へのチャレンジを検討してみましょう。

✔簿記3級とは
  • 日商簿記3級は、簿記の基礎的な知識を習得しているレベルの資格。
  • 3級の単独資格だけで、経理・会計職に未経験正社員として就くのは、やや難しい。
  • 3級資格を活かして職探しをするなら、いったんアルバイトなどで会計・税務の業界に就職し、実務経験を積みながら、2級資格の取得を目指しキャリアアップを図るのがおすすめ。

日商簿記2級の資格内容

日商簿記2級は、3級の学習で得た商業簿記の知識を土台に、より高度な商業簿記と、新たに加わる工業簿記をマスターすることで、財務諸表から経営内容を把握でき、企業活動における適切な会計処理や分析が行えるようになる資格です。

とくに経理職に携わりたいなら、簿記2級の所持を採用条件としている企業が多いため、取得しておくべき資格といえるでしょう。

また、2級を取得している場合、未経験者でも経理部門へ入社できる可能性がぐっと上がるため、経理・会計職の未経験者が転職を成功させるときのマスト資格でもあります。

簿記2級レベルの知識があると、取引先企業の経営状況の判断や業務におけるコスト管理ができるようになったり、収益率への意識が生まれたりと、部門や部署・担当業務にかかわらず、多くのビジネスシーンで非常に有益です。

そのため、企業が人材を採用するときに重視する資格のひとつでもあり、経理や会計に関する職業のみならず、あらゆる業種・職種への応募時のアピール材料としても活用できます。

日商簿記2級を活かせるおもな就職先としては、一般企業の経理部・財務部や、会計事務所、税理士事務所などがありますが、先に述べたように、あらゆるビジネスシーンで役立つ資格であるため、企業の営業職や販売職、小売業、サービス業、商社などさまざまな業種・職種からのニーズが高い資格です。

企業により、日商簿記2級資格の保有者に資格手当を支給している場合もあるため、資格を活かして就職・転職活動を行う際には、自分の強みと共に、簿記2級で培った知識でできることを積極的にアピールしましょう。

✔簿記2級とは
  • 日商簿記2級は、企業の会計期間における一連の会計処理が適切に行えるレベルの資格。
  • 2級資格の所持は、企業の経理職採用時の条件となっていることが多いため、転職には欠かせない資格。
  • 2級を取得していると、経理・会計以外の部門でも評価してもらえることが多い。

日商簿記1級の資格内容

日商簿記1級は、きわめて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を習得した、会計のスペシャリストを認める、簿記最高峰の資格です。

簿記1級を学ぶことで、企業会計にかかわる会計基準や会社法などの法規を理解し、経営管理や経営分析ができる能力が身につきます。

税理士試験の必須科目である簿記論の学習範囲とリンクする部分も多く、また簿記1級に合格すると、税理士試験の受験資格が与えられるため、税理士・公認会計士などの会計士業への登竜門としても有名です。

日商簿記1級では、2級・3級でマスターした簿記の原理と思考に関する裏付けを習得します。

なぜ、その原理が当てはまるのか、その思考を採用するのか、それらの背景にある本質を理解し説明できるといった、より専門性の高いところまで深く掘り下げて学習可能です。

1級の内容を身につけることで、ビジネスにおける問題解決のための応用力や実践力が養え、企業会計に重要なスキルが習得できるでしょう。

一部では、中小企業などが応募者を採用する際、簿記1級の保有はオーバースペックとみなし敬遠されがちであるという説も取り沙汰されますが、それはあくまでも、応募者個人の人格やコミュニケーション力など、本人の持ち合わせた、または欠損している能力に起因するところが大きく、簿記1級を持っているから採用しない!ということはありません。

日商簿記1級は、相当に難易度・希少価値の高い資格であり、その資格を取得しているということは、自分は「努力を継続できる人材である」こと、また「目標を達成できる人材である」ことをアピールできる非常に大きな材料です。

簿記1級を活かして活躍できる主な場としては、企業の経理部門、コンサルティングファーム、大手税理士法人、会計事務所などがあげられます。

上場企業の経理部門でも、1級まで取得している方はそう多くないため、昇格・昇給も狙えるなど、大きくキャリアアップできる可能性も十分あるでしょう。

数字を読み解くことで経営判断の助言ができるため、将来的には、CFO(最高財務責任者)のように、経営に関わる重要なポジションを任されることも想定されます。

経理・会計・財務に関する、よりレベルの高い仕事を極めたい方は、1級の資格取得にぜひ挑戦してみてください。

✔簿記1級とは
  • 日商簿記1級は、企業会計に関する法規を理解し、きわめて高度な経営管理や経営分析が行えるレベルの資格。
  • 税理士試験の必須科目と類似する学習内容が多く、1級を取得すると税理士試験の受験資格が与えられる。
  • 難関資格であり、財務・会計のスペシャリストはどの企業も欲しい人材であるがゆえ、就職・転職時の強烈なアピール材料になる。

日商簿記の試験概要

ここからは、日商簿記検定試験における各級の試験内容について、ご紹介します。

従来の筆記試験に加え、受験日を自分で選べるネット試験が導入されたため、受験者による受験方法の選択肢が広がりました。

受験の際に気をつけたい注意点などと、あわせてお伝えします。

日商簿記3級の試験内容

日商簿記3級に関する、試験日や試験内容などの基本事項を確認していきます。

従来通りの筆記試験(統一試験方式)に加え、ネット試験(CBT方式)も新たに開設されています。

試験日
  • 2級・3級は毎年3回実施
    6月の第2日曜日・11月の第3日曜日・2月の第4日曜日
  • ネット試験の場合は、各試験会場が設定する任意の日
合格ライン
  • 70%
合格率
  • 45%前後
試験内容
  • 商業簿記(全3題以内)
試験時間
  • 60分
試験方法
  • 答案用紙に解答を記入。試験終了後は、一緒に配布された問題用紙・計算用紙と共にすべて回収される。
  • ネット試験の場合は、CBTコンピューターを使用する。
    記述式の問題もあり、答案用紙に解答を記入後、問題用紙・計算用紙と共に回収される点は、筆記試験と同様。
試験会場
  • 試験を管轄する商工会議所が設けた会場
  • ネット試験の場合は、指定されたテストセンター
受験資格
  • どなたでも受験可能
受験料
  • 3,300円

3級の試験では、第一問で商業簿記の仕訳問題が15問、第二問で補助簿や勘定記入、穴埋め形式の理論問題、第三問で決算整理後試算表・精算表等の作成問題が出題されます。

筆記試験(統一試験方式)で使用する筆記用具は、HBまたはBの黒鉛筆またはシャープペン、消しゴムに限られており、その他の筆記用具の使用は認められていません。

一方、CBT方式によるネット試験では、記述式問題の筆記用具の使用に関して、受験会場となるテストセンターの指示に従うよう、受験者に通知されています。

実際のところ、当日は貸し出し用のボールペンを渡されるケースが多く、ネット試験で受験される方は、あらかじめ、ボールペンを使用した修正できない解答を練習しておくといいかもしれません。

また、ネット試験の場合、申し込みの受け付けはインターネットからのみで、試験結果は即時判定されます。

日商簿記2級の試験内容

日商簿記2級に関する、試験日や試験内容などの基本事項を確認していきます。

2級・3級では、従来の筆記試験(統一試験方式)以外にも、ネット試験(CBT方式)が選択可能です。

試験日
  • 2級・3級は毎年3回実施
    6月の第2日曜日・11月の第3日曜日・2月の第4日曜日
  • ネット試験の場合は、各試験会場が設定する任意の日
合格ライン
  • 70%
合格率
  • 20%前後
試験内容
  • 商業簿記と原価計算を含む工業簿記(全5題以内)
試験時間
  • 90分
試験方法
  • 答案用紙に解答を記入。試験終了後は、一緒に配布された問題用紙・計算用紙と共にすべて回収される。
  • ネット試験の場合は、CBTコンピューターを使用する。
    記述式の問題もあり、答案用紙に解答を記入後、問題用紙・計算用紙と共に回収される点は、筆記試験と同様。
試験会場
  • 試験を管轄する商工会議所が設けた会場
  • ネット試験の場合は、指定されたテストセンター
受験資格
  • どなたでも受験可能
受験料
  • 5,500円

2級の試験では、第一問で商業簿記の仕訳が5問、第二問で連結会計問題、第三問で損益計算書等の作成問題、第4問で工業簿記の仕訳と原価計算、第5問で直接原価計算等が出題されます。

1級~3級に共通して、問題用紙への書き込みは禁止であること、白紙の計算用紙に計算やメモを書き込むこと、答案用紙には解答のみしか記載しないことなどがルールです。

筆記試験もネット試験も、配布された用紙はすべて回収されるため、会場での指示に従いましょう。

日商簿記1級の試験内容

日商簿記1級に関する、試験日や試験内容などの基本事項を確認していきます。

1級は、CBT方式によるネット試験に対応しておらず、従来型の会場での筆記試験のみとなります。

試験日
  • 毎年2回実施
    6月の第2日曜日・11月の第3日曜日
合格ライン
  • 全体で70%
    1科目ごとの得点は40%以上必要
    ※ただし、成績上位10%が合格する相対試験でもある。
合格率
  • 10%前後
試験内容
  • 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算
試験時間
  • 商業簿記+会計学:90分
  • 工業簿記+原価計算:90分
    以上、合計180分
試験方法
  • 答案用紙に解答を記入。試験終了後は、一緒に配布された問題用紙・計算用紙と共にすべて回収される。
試験会場
  • 試験を管轄する商工会議所が設けた会場
受験資格
  • どなたでも受験可能
受験料
  • 8,800円

1級の試験では、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算それぞれの科目で、2問~5問ずつ出題されます。

各科目25点の配点で、合格するためには、4科目100点満点中、70点以上の点数を獲得する必要があります。

足きり制度があり、1科目における得点が40%未満のものがあった場合、全体で70点以上取れていたとしても合格とはなりません。

1問にかかる配点割合が高く、非常にシビアな試験です。

また、2級・3級とは異なる相対試験の側面を持つため、成績上位10%に入る必要があります。

1級は、CBT方式によるネット試験に対応していないため、従来の筆記試験のみの受験方式で実施されます。

簿記の難易度は?

では、日商簿記1級・2級・3級のそれぞれの難易度はどのくらいのものでしょうか?

客観的な指標となる偏差値を参考に、各級の難易度を見ていきましょう。

また、どのくらいの時間勉強すれば合格を達成できるのか、一般的に必要とされる勉強時間もあわせてご紹介します。

日商簿記3級の難易度

日商簿記3級の偏差値は、おおむね45~47前後と推定されます。

この数値は、介護福祉士や登録販売者・販売士2級・秘書技能検定2級などと同程度の検定レベルです。

簿記3級は、簿記に関する勉強の入門編といった要素もあわせ持つため、比較的難易度の低い検定試験といえるでしょう。

簿記3級を取得するのに必要な勉強時間は、おおよそ100~150時間といわれています。

これは、毎日1時間勉強できる方で3~5ヶ月、毎日2時間勉強できれば2~3ヶ月で達成できる数字です。

とはいえ、これまでに仕事や学問で簿記の知識に触れたことがある方や、資格勉強に慣れている方は、もっと短期間で合格レベルに到達することも十分想定できます。

✔3級難易度
  • 推定偏差値:45~47前後
  • 必要勉強時間:おおよそ100~150時間
  • 必要勉強期間:約2~5ヶ月

日商簿記2級の難易度

日商簿記2級の偏差値は、おおむね53~58前後と推定されます。

同程度の偏差値を持つ資格は、FP2級・測量士・販売士1級・秘書技能検定1級などです。

3級と比較すると難易度が上がり、一般的にやや難しいといわれる検定試験に分類されるでしょう。

簿記2級に合格するために必要な勉強時間は、300~500時間といわれています。

時間がひらいているのは、簿記初学者と3級学習経験者によって、理解度に差があるためです。

簿記をはじめて学ぶ方が、いきなり2級から受験する場合、400~500時間の勉強時間を目安に予定を立てましょう。

これは、週に15時間勉強すると仮定したとき、約6~8ヶ月で到達できる数字です。

一方、3級を学習した経験がある方の場合、250~350時間の勉強時間が必要とされ、約4~6ヶ月の勉強期間を目安に、学習計画を組むといいでしょう。

✔2級難易度
  • 推定偏差値:53~58前後
  • 必要勉強時間:3級学習経験者であれば約250~350時間、初学者であれば約400~500時間
  • 必要勉強期間:約4~8ヶ月

日商簿記1級の難易度

日商簿記1級の偏差値は、64~67前後と推定されます。

これは、中小企業診断士・社会保険労務士・応用情報技術者(AP)などと同程度の検定水準であり、2級からさらに難易度がアップした、難関資格といわれる部類の検定試験です。

簿記1級の試験に合格するためには、おおよそ500~1000時間の勉強時間が必要といわれますが、これも2級・3級で学習した範囲の習熟度によって、必要となる時間が大きく異なります。

資格スクールを受講した場合、1級の合格までに要する期間は6ヶ月~1年半前後です。

独学や通信講座などの勉強法を選択するのであれば+α、期間に余裕が必要でしょう。

✔1級難易度
  • 推定偏差値:64~67前後
  • 必要勉強時間:おおよそ500~1000時間
  • 必要勉強期間:約6ヶ月~1年半(資格スクール受講の場合)

他資格と比較した場合の難易度

ここからは、簿記と関連性のある、他資格との難易度を比較していきます。

偏差値・合格率・勉強時間などの要素を使って、簿記との難易度の違いを見ていきましょう。

税理士と比較した場合の難易度

税理士になるための税理士試験は、税務・会計に関する難関資格です。

税理士の偏差値は68~75前後と推定され、また試験の合格率は15~20%と、数ある士業のなかでもトップクラスの難易度を誇ります。

日商簿記1級が、偏差値64~67程度と見込まれるため、1級の合格者がレベルアップを図るのにふさわしい資格試験といえるでしょう。

税理士試験に合格するために必要な時間は、2,500~6,000時間ほどといわれています。

選択する科目により、学習ボリュームや難易度が多少左右されますが、大半は3~5年ほどの月日を費やして取得する試験です。

簿記と比較すると、合格までにかかる時間からも学問としての奥深さからも、難易度の高さがうかがえます。

簿記も税理士もどちらもお金の流れを扱う職業であり、また簿記1級の学習範囲と、税理士試験の必須科目である簿記論の学習範囲は共通するところが多く、簿記の勉強からのスライド時に、スムーズに税理士の勉強へ突入できるのも、簿記学習者にはメリットです。

日商簿記1級に合格すると、税理士試験の受験資格が与えられ、その他の条件を満たすことなく税理士受験が可能となります。

ファイナンシャルプランナーと比較した場合の難易度

しばしば比較の対象にされやすい、ファイナンシャルプランナーの難易度とも比較しておきましょう。

ファイナンシャルプランニング技能士(FP)2級の偏差値は、おおよそ48~53と推定され、これは日商簿記2級と同等、もしくは少し低いくらいの偏差値とされています。

合格率は30%前後と、簿記2級の20~25%の合格率よりも高く、簿記2級よりもやや易しい試験です。

両者は出題形式に違いがあり、FPはマークシート方式による四答択一式ですが、簿記は記述式の筆記試験となっています。

一言一句間違えずに解答し、計算してぴったり合致する答えが導き出せるよう、しっかり準備しておかなければならない点を踏まえると、FP2級よりも簿記2級のほうが合格するのに難しい試験であるといえるかもしれません。

FP2級に合格するために必要な勉強時間は、150~300時間といわれています。

簿記2級の試験勉強に必要な時間と比べ、全体的に学習ボリュームが少なく、資格の勉強がはじめての方にもおすすめの資格試験です。

簿記の合格率

それでは、ここからは簿記の合格率の推移を、検定級ごとに確認していきましょう。

過去3年間(簿記1級では過去4年間)のデータをもとに、難易度が低かった検定回について解説します。

日商簿記3級の合格率の推移

実施検定回 実受験者数 合格者数 合格率
第149回(2018年6月) 79,421名 35,189名 44.3%
第150回(2018年11月) 88,774名 38,884名 43.8%
第151回(2019年2月) 80,360名 44,302名 55.1%
第152回(2019年6月) 72,435名 40,624名 56.1%
第153回(2019年11月) 80,130名 34,519名 43.1%
第154回(2020年2月) 76,896名 37,744名 49.1%
第155回(2020年6月) 中止
第156回(2020年11月) 64,665名 30,654名 47.4%
第157回(2021年2月) 59,747名 40,129名 67.2%
第158回(2021年6月) 49,313名 14,252名 28.9%
第159回(2021年11月) 49,095名 13,296名 27.1%
第160回(2022年2月) 44,218名 22,512名 50.9%
第161回(2022年6月) 36,654名 16,770名 45.8%
第162回(2022年11月) 32,422名 9,786名 30.2%
第163回(2023年2月) 31,556名 11,516名 36.5%
第164回(2023年6月) 26,757名 9,107名 34.0%
第165回(2023年11月) 25,727名 8,653名 33.6%

3級の過去3年間にわたる合格率は、50%を超える回も数回ありますが、ほぼ40~50%の間で推移しています。

そんななか、第158回試験では、28.9%という過去5年間で一番低い水準を記録しました。

合格率が下がった要因には、出題形式や制限時間の変更を知らない受験生が多かったこと、問題用紙・答案用紙・計算用紙がすべて一冊の冊子にまとめられ、扱いづらくなったこと、難易度の高い問題構成だったこと、などがあげられます。

試験の改正・一部変更などの情報は、受験生にとって非常に重要です。

こまめに公式サイトなどを通じてチェックしておきましょう。

一方、ネット試験は基本的な問題が無作為に出題されるため、試験レベルが安定しているようです。

今後、ますます筆記試験(統一試験方式)の難化が予想されるため、筆記で不安を覚えた方は、出題レベルが安定しているネット試験の受験を検討してみてください。

日商簿記2級の合格率の推移

実施検定回 実受験者数 合格者数 合格率
第149回(2018年6月) 38,352名 5,964名 15.6%
第150回(2018年11月) 49,516名 7,276名 14.7%
第151回(2019年2月) 49,776名 6,297名 12.7%
第152回(2019年6月) 41,995名 10,666名 25.4%
第153回(2019年11月) 48,744名 13,195名 27.1%
第154回(2020年2月) 46,939名 13,409名 28.6%
第155回(2020年6月) 中止
第156回(2020年11月) 39,830名 7,255名 18.2%
第157回(2021年2月) 35,898名 3,091名 8.6%
第158回(2021年6月) 22,711名 5,440名 24.0%
第159回(2021年11月) 22,626名 6,932名 30.6%
第160回(2022年2月) 17,448名 3,057名 17.5%
第161回(2022年6月) 13,118名 3,524名 26.9%
第162回(2022年11月) 15,570名 3,257名 20.9%
第163回(2023年2月) 12,033名 2,983名 24.8%
第164回(2023年6月) 8,454名 1,788名 21.1%
第165回(2023年11月) 9,511名 1,133名 11.9%

過去3年間にわたる2級の合格率は、おおよそ20~25%の間で推移していますが、第157回検定試験では、8.6%と合格率ひと桁台の難しい試験だったようです。

一瞬、見たことのないような問題にパニックになってしまった受験生も多く、やらなければならないことを落ち着いて、迅速にこなす必要がありました。

近年、日商簿記2級の難化が進んでいるといわれています。

基本問題を落とさず、難しい問題でも解きやすいところを探して、部分点を確実に掴みにいきましょう。

日商簿記1級の合格率の推移

実施検定回 実受験者数 合格者数 合格率
第146回(2017年6月) 7,103名 626名 8.8%
第147回(2017年11月) 8,286名 487名 5.9%
第149回(2018年6月) 7,501名 1,007名 13.4%
第150回(2018年11月) 7,588名 680名 9.0%
第152回(2019年6月) 6,788名 575名 8.5%
第153回(2019年11月) 7,520名 735名 9.8%
第155回(2020年6月) 中止
第156回(2020年11月) 8,553名 1,158名 13.5%
第157回(2021年2月) 6,351名 502名 7.9%
第158回(2021年6月) 7,594名 746名 9.8%
第159回(2021年11月) 9,194名 935名 10.2%
第161回(2022年6月) 8,918名 902名 10.1%
第162回(2022年11月) 9,828名 1,027名 10.4%
第164回(2023年6月) 9,295名 1,164名 12.5%
第165回(2023年11月) 10,251名 1,722名 16.8%

過去4年間にわたる1級の合格率は、10%を超えることもありつつ、おおむね7~9%台で推移しています。

ただ、2級・3級とは異なり、簿記1級は受験者の成績上位10%をすくい取る相対試験で実施されているため、合格ラインを満たしつつ、上位10%に入らなければなりません。

近年の試験傾向としては、1級に関しても少しずつ難易度が上がってきているようです。

日商簿記1級は、今後ますます希少価値の高い資格になっていくことが予想されます。

基本に忠実に、問題に対する解答理由を一つひとつ丁寧に抑えながら、多くのトレーニング量をこなして、実力アップを図りましょう。

簿記のおすすめ勉強法

最後に、簿記のおすすめ勉強法をご紹介します。

自分の生活・学習スタイルに合わせられる勉強方法がおすすめです。

通信講座を活用しよう

簿記の試験勉強におすすめしたい勉強法は、通信講座の受講です。

いまや、通信講座はオンライン講義による動画視聴が主流で、音声や動画による学習はもちろん、問題演習や模擬テスト、テキスト閲覧までスマホ1台で完結できるなど、eラーニングの活用が大きく広がっています。

働きながら、学校に通いながら、家事や育児をしながらでも、自分の予定に合わせて、場所や時間を選ばず、手軽に勉強ができるのが通信講座のメリットです。

独学だけではカバーしきれない、モチベーションの維持や、疑問が生じたときに講師に相談できる質問制度など、ほかにも利点はたくさんあります。

簿記の勉強がしたい!と思ったら、ぜひ通信講座の受講を検討してみてください。

まとめ

簿記は、経理・会計職に携わる方だけでなく、すべてのビジネスパーソンに推奨される、仕事に役立つ知識です。

この記事を読み、事前に難易度や合格率を把握することで、簿記の勉強にかかる時間を逆算したり、おおよその学習計画を立案したりといった、試験勉強の準備がしやすくなります。

簿記の勉強に興味がわいた方、これからはじめてみようと思われる方は、ここでの内容を参考に、ぜひ日商簿記検定試験にチャレンジしてみてください!

また当サイトでは、簿記の通信講座についての記事も掲載しているので、こちらも参考にしながら自分に合った学習法で合格を目指しましょう。

簿記の通信講座の記事はこちら

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編集者

キャリアコンサルタントの国家資格を所有しています。実際に資格取得で役に立った情報をお届けしていきますので、これから資格取得を考えているあなたの手助けができれば幸いです。

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