きれいなおいしい水を飲むための器具として、蛇口に取り付けるタイプの浄水器(蛇口直結型浄水器)があります。この記事では、蛇口直結型浄水器の効果やデメリット、おすすめの製品、取り付けられないときの対処法などを解説します。
蛇口直結型浄水器とは
蛇口直結型浄水器とは、自宅の蛇口に直接取り付けるタイプの浄水器です。「カートリッジ」と呼ばれる交換可能な部品の中のさまざまなろ材で水道水をろ過し、不純物や気になるにおいの原因物質などを取り除きます。

多くの種類がある浄水器の中でも、蛇口直結型ならではの特徴は設置のしやすさです。蛇口直結型浄水器は、自宅の蛇口と合う商品であれば、専門的な知識を持たない一般の方でも特別な工具を使わずに取り付けられます。
また、蛇口直結型浄水器の本体は数千円~1万円台で購入できる商品が多く、初期費用を比較的抑えやすいのも特徴です。なお、浄水器には蛇口直結型浄水器のほかにも以下の種類があります。
- ポット型:ポットに水道水を入れてろ過するタイプ
- 据え置き型:シンクの横などに置くやや大きな浄水器
- 蛇口への内蔵型:蛇口の中に浄水器が内蔵されたタイプ
- アンダーシンク型:シンクの下に浄水器を埋め込むタイプ
まずは、蛇口直結型浄水器のメリット・デメリットなどを確認し、自分に合わないと感じるようであれば、他の種類の浄水器も検討してみましょう。
蛇口直結型浄水器のメリット
蛇口直結型浄水器のメリットは以下の通りです。
- 水の安全性により配慮できる
- おいしい水が飲める
- 自分で簡単に設置しやすい
- コンパクトに設置しやすい
蛇口直結型浄水器に期待できる効果の詳細は、個々の商品によって異なるため、商品ごとに取扱説明書などを読んで検討する必要があります。しかし、多くの商品に期待できる効果に関しては、ここからメリットに含むかたちで解説します。
水の安全性により配慮できる
蛇口直結型浄水器は、水道水の中に含まれるさまざまな不純物を取り除くことができます。取り除ける不純物の内容は商品によって異なるため、メーカーが公開している商品説明や取扱説明書の確認が必要です。
蛇口直結型浄水器によって取り除ける不純物には、例えば以下などがあります。
- 総トリハロメタン
- CAT(農薬)
- クロロホルム
- 溶解性鉛
- 有機フッ素化合物(PFOS/PFOA)
特に、鉛は一定量以上を摂取すると人体に有害な物質で、子どもが摂取すると大人よりも体内に滞留しやすいリスクが指摘されています。そのため、水道水の中に含まれる溶解性鉛も、より気を遣って除去したいと感じる方もいます。
また、有機フッ素化合物(PFOS/PFOA)は分解されにくく蓄積されやすい性質を持つため、近年環境省などによる規制やリスク管理の取り組みが進められ、注目が集まっている物質です。
そのほか、例えば総トリハロメタン・クロロホルムはマウスによる動物実験で健康への影響が指摘されている物質です。通常の水道水に含まれている量であれば、健康に問題ないとされていますが、多量に摂取すると有害です。
とはいえ、日本の水道水は世界的にも安全性が高く、定期的な水質検査も行われています。水道水を供給するのに使われる給水設備などが法令に沿った管理をされている限り、そのまま飲用しても問題ないとされています。
日本の水道水は基本的に安全であるという前提のうえで、さらに水の安全性に配慮したい方には、蛇口直結型浄水器をはじめとした浄水器がおすすめです。
蛇口直結型浄水器でろ過した水は、飲用水として使えるだけでなく、野菜の洗浄や料理などにも使えるため、生活のさまざまな場面で、体の中に入る水の安全により配慮できます。
おいしい水が飲める
自分に合った蛇口直結型浄水器を購入すれば、水道水にありがちないやなにおいが気にならない、より「おいしい」と感じる水を使えるようになる場合もあります。
多くの蛇口直結型浄水器は、カルキ臭の原因となる塩素やカビ臭の原因となる2-メチルイソボルネオール(2-MIB)などの物質を取り除けるからです。
たとえば、塩素は人間の健康に害を与える雑菌の繁殖を防ぎ、安全な水を浄水場から住宅まで供給するために必要な物質ですが、飲む際には塩素特有のにおいが気になることもあります。
水道水を使用する直前に蛇口直結型浄水器によって塩素などのにおいの原因物質を取り除けば、安全性を確保したまま気になるにおいを抑えられ、よりおいしいと感じる水が飲めます。
ただし、実際の浄水の味は製品によってばらつきが出るため注意が必要です。よりおいしさを求める方は、ろ過した水の味に関する口コミなども参考に情報を集めましょう。
自分で簡単に設置しやすい
蛇口直結型浄水器は、蛇口のタイプさえ合えば、専門的な技術を持たない一般の方でも設置しやすい浄水器です。取り付けをするのに特別な工具は必要なく、取扱説明書の指示に従って取り付けに挑戦できます。
浄水器は自分で設置しやすいものばかりではありません。例えば、アンダーシンク型の浄水器や、蛇口本体の交換が必要な浄水器だと、作業によって部品の破損や水漏れが発生しないよう知識が必要で、業者に依頼するのがおすすめです。
蛇口直結型浄水器やポット型の浄水器は、浄水器の中でも導入しやすいタイプだと言えます。蛇口直結型浄水器は、元からある蛇口を加工する必要もないため、賃貸住宅でも原状回復できる範囲で取り付け可能です。
部品の紛失に気を付ければ、賃貸から退去する際にも蛇口を元通りにしやすいでしょう。住んでいる住宅の事情や、予算の都合などで手軽に設置できる浄水器を求めているなら、蛇口直結型浄水器はおすすめの選択肢です。
コンパクトに設置しやすい
蛇口直結型浄水器は、比較的コンパクトに設置しやすい浄水器です。アンダーシンク型や蛇口への内蔵型ほどコンパクトではありませんが、据え置き型浄水器よりは省スペースで設置できます。
蛇口直結型浄水器はコンパクトに簡易的な取り付けを行う分、据え置き型に比べると性能が控えめです。例えば、決まった時間にろ過できる水の量(ろ過流量)が少なかったり、カートリッジの交換頻度が高かったりします。
しかし、置くものが多くスペースが不足しがちなシンク周りで、比較的コンパクトに浄水器を使えるのは大きなメリットです。シンク周りをスッキリ使いたい方は、蛇口直結型浄水器を検討してみましょう。
蛇口直結型浄水器のデメリット・注意点
蛇口直結型浄水器の主なデメリット・注意点は以下の通りです。
- ランニングコストがかかる
- ろ過流量はやや少ない
- 家を数日空ける場合はひと手間かかる
デメリット・注意点を確認せずに商品を購入すると、性能面などで期待外れに感じたり、安全に使えなかったりします。商品選びをする前に、主なデメリット・注意点を確認してみてください。
ランニングコストがかかる
浄水器では、浄水能力を保つために定期的なカートリッジの交換が必要なので、ランニングコストがかかります。蛇口直結型浄水器であっても、定期的なカートリッジ交換は必要です。
適切な時期にカートリッジを交換しないと、浄水能力が下がるだけでなく、カビやゴミが蓄積して雑菌が繁殖する原因となります。水の清潔さを保てなくなるので、カートリッジ交換は必ず行わなければなりません。
蛇口直結型浄水器は、ほかのアンダーシンク型や据え置き型の浄水器と比較すると、カートリッジの交換頻度が高くなりやすい特徴があります。
例えば、アンダーシンク型や据え置き型の浄水器であれば1年に1度ほどのカートリッジ交換で済む製品も多い一方で、蛇口直結型浄水器の多くは数ヵ月に1度の交換が必要です。
カートリッジ交換の頻度が高いと、購入や交換作業の手間がかかりやすいほか、購入費用を負担に感じやすくなります。
ランニングコストの高さが気になる方は、カートリッジが長持ちしやすい商品を購入するか、カートリッジ1個あたりの価格が安い商品を選択しましょう。
ろ過流量はやや少ない
蛇口直結型浄水器は、コンパクトな設置ができる反面、ろ過流量が少ないデメリットがあります。ろ過流量とは、決まった時間に水をろ過できる量のことです。
ろ過流量が少ないと、料理などで大量の浄水を一度に使いたい時に、必要な量の浄水を出すのに時間がかかってしまいます。蛇口直結型浄水器と据え置き型浄水器の一般的なろ過流量を比較すると以下の通りです。
- 蛇口直結型浄水器 1分あたり1.6L~3.0L
- 据え置き型浄水器 1分あたり3.0L~5.0L
コップで飲むための浄水を出すくらいであれば、標準的なろ過流量の商品であってもあまり気になりません。しかし、料理目的であれば、ろ過流量の多い商品の方が便利でしょう。
また、水を流す勢いが製品に備わったろ過流量に対して強すぎると、カートリッジの中のろ材が十分に性能を発揮しきれず、水道水を十分にろ過できません。普段強い勢いで水を使う方もろ過流量が多い商品の方が使いやすいでしょう。
ろ過流量は、商品によって大きく異なります。浄水を一度に多く使いたい方は、購入を検討する商品のろ過流量もチェックしてみてください。
家を数日空ける場合はひと手間かかる
蛇口直結型浄水器だけでなく、ほかの浄水器にも共通するデメリットですが、家を数日空けて浄水器を使わない場合には、衛生的な管理のためにひと手間必要です。
浄水器を使っていない時でも、内部に浄水が残留していることがあるからです。浄水は、消毒効果のある塩素が除去された状態なので、長く放置すると雑菌が繁殖してしまいます。

そのため、浄水器を数日使わなかった状態で、そのまま使用を再開すると、健康を損ねる可能性がある不衛生な水を口にすることになってしまいます。
浄水器を数日使わない場合は、浄水を短い時間流しっぱなしにして、中にたまっていた浄水を捨てるなどのひと手間が必要です。家をよく空ける方は、衛生的な利用のために管理のひと手間がかかることを想定しておきましょう。
蛇口直結型浄水器の選び方
蛇口直結型浄水器の主な選び方のポイントは以下の通りです。
- 浄水能力がどのくらいあるか
- カートリッジの交換頻度・コストはどのくらいか
- 掃除・お手入れはしやすいか
- ろ過流量はどのくらいあるか
- 自宅の蛇口に取り付けできるか
蛇口直結型浄水器は、長く使っていくものなので、機能や価格だけでなく、ランニングコストやお手入れのしやすさも考慮して選ぶのがおすすめです。ここからは、選び方を詳しく解説していきます。
浄水能力がどのくらいあるか
より安全性に配慮したおいしい水を飲みたい方にとって、浄水能力は選ぶ際の重要なポイントです。蛇口直結型浄水器でどのような不純物が除去できるかは、個々の製品によって異なります。
溶解性鉛や有機フッ素化合物(PFOS/PFOA)など、気を付けたい物質が決まっている方は、メーカー公式の商品説明を確認して、除去できる不純物のリストを見てみましょう。
また、除去できる不純物の項目名を見るだけでなく、除去率までチェックするのも大切です。除去できる物質として表示されていても、水道水の中から100パーセント除去できるわけでなく、除去できる割合は商品によって異なるからです。
浄水器の中には、商品ページなどに浄水器協会が認定している「浄水器適合マーク」が表示されているものもあります。浄水器適合マークは、浄水器協会が定めた規格基準に合格した商品に与えられるものです。
浄水器の除去性能だけでなく、メーカーが公開している商品説明の表現が、消費者に誤認を与えるものでないかなどもチェックしています。メーカーとは異なる第三者の基準を参考にしたい方は、浄水器適合マークを確認してみてください。
カートリッジの交換頻度・コストはどのくらいか
カートリッジの交換頻度やカートリッジ1個あたりの費用がどのくらいになるかも、商品選びのうえで大切な要素です。
蛇口直結型浄水器は、商品によってカートリッジの交換頻度や価格に大きく幅があるため、本体を購入する前にランニングコストを簡単に計算しておきましょう。
また、実際にカートリッジの交換が必要な時期は、浄水の使用量によっても変動するため、メーカーが発表している交換時期の目安と異なる可能性があります。
本体に付属する液晶画面での表示やスマホとの連携機能によって、交換時期を教えてくれる商品を選べば、タイミング良くカートリッジを交換しやすく便利です。
とはいえ、商品によってはカートリッジを使い切るまでの期間を、使用する水の量とは関係なく機械的にカウントして表示するだけのものもあるため、表示機能の詳細はよく確認しましょう。
掃除・お手入れはしやすいか
蛇口直結型浄水器を長く使っていくうえで、掃除・お手入れのしやすさも重要です。浄水器や蛇口を掃除せずに使い続けると、水垢などの汚れがたまり、清潔さを保てなくなったり、故障につながりやすくなったりするからです。
毎日または週に1度ほどの頻度で定期的に簡単な掃除を行えば、浄水器や蛇口をきれいに使い、清潔な水を飲みやすくなります。しかし、掃除のために浄水器を蛇口から取り外す必要のある商品だと、掃除がやや面倒だと感じるかもしれません。
吐水口キャップを取り外せるタイプの蛇口直結型浄水器であれば、汚れが気になりやすい部品のみを簡単に掃除ができて便利です。掃除しやすい部品や機能が搭載されているかも注目してみましょう。
ろ過流量はどのくらいあるか
多くの浄水を使う予定があれば、ろ過流量もチェックしましょう。ろ過流量の少ない商品を選ぶと、コップで浄水を飲む目的には十分でも、煮物や汁物などの料理に浄水を使う目的にはあまり適さない場合があります。
一度に多くの浄水を使う機会が多そうだと感じるなら、ろ過流量の多い商品を選ぶのがおすすめです。1分あたり3.0Lほどのろ過流量を持つ商品であれば、一般的な据え置き型浄水器と同じくらい時短をしながら浄水が使えます。
浄水は飲用にのみ使い、皿洗いやシンクの掃除などに水を多く使いたいのであれば、ワンプッシュのボタンなどで原水と浄水の切り替えが簡単にできる商品を選ぶと便利です。
選んだ商品のろ過流量が少なかったとしても、洗い物などにはろ過の工程を挟まない原水を使うようにすれば不便に感じにくいでしょう。
自宅の蛇口に取り付けできるか
気になる商品を見つけて購入する段階で最も重要なポイントは、自宅の蛇口に取り付けできるかです。商品によって取り付け可能な蛇口は決まっており、確認せずに購入すると、自宅の蛇口に取り付けできないかもしれません。
取り付け可能な蛇口の一覧は、メーカーの商品ページや取扱説明書などに記載してあります。蛇口の口径や形状などに注目しつつ、購入予定の商品がきちんと取り付けできそうか事前に確認しましょう。
蛇口の口径や形状は、実際に測ってみたり、メーカーが取り扱い説明書などで表示している図と見比べてみたりして調べられます。しかし、確実なのは、使用している蛇口の商品説明や取扱説明書などを確認することです。
蛇口の商品説明などが手元に見当たらない場合は、メーカー公式サイトなどに公開されていることもあります。自分だけで口径や形状の把握ができるか不安な方は、商品説明を探してみましょう。
蛇口直結型浄水器のおすすめ商品
蛇口直結型浄水器のおすすめ商品には以下などがあります。
- 東レ「トレビーノ カセッティ206SMX」
- 東レ「トレビーノ カセッティ207SLX」
- パナソニック「浄水器 TK-CJ24」
- パナソニック「浄水器 TK-CJ14」
- 三菱ケミカル・クリンスイ「MD301i」
- 三菱ケミカル・クリンスイ「MD211」
- タカギ「蛇口直結型 浄水器 mini Neo」
商品によって機能や価格には大きな幅があります。自分にとって高機能すぎる高価な商品を選ぶとコスパが悪いですが、毎日使うものではあるので、少し奮発して使いやすいものを選ぶのもおすすめです。
ここからは、それぞれの商品の特徴やカートリッジの交換頻度などを簡単に紹介します。
東レ「トレビーノ カセッティ206SMX」
東レ「トレビーノ カセッティ206SMX」は、有機フッ素化合物(PFOS/PFOA)を含む16項目以上の物質を除去できる浄水器です。1分あたり3.0Lの高いろ過流量も誇り、水道水を素早くろ過できます。
浄水の使用残量を表示するデジタルサインや、外して洗える吐水口カバーなど便利な機能・部品も充実しています。ただし、カートリッジの交換頻度はやや高く、2ヵ月に1度が交換の目安です(1日10L使用の場合)。
浄水シャワー・原水ストレート・原水シャワーの3段階に水流の切り替えが可能で、原水シャワーには約30%の節水機能が付いています。
カートリッジの交換頻度が高かったとしても、高除去かつ時短が叶う浄水器を便利に使いたいという方におすすめです。
東レ「トレビーノ カセッティ207SLX」
東レ「トレビーノ カセッティ207SLX」は、有機フッ素化合物(PFOS/PFOA)を含む17項目以上の物質を除去できる浄水器です。他の製品よりもカートリッジがやや長持ちし、交換の目安は5ヵ月に1度です(1日10L使用の場合)。
ろ過流量も高く、デジタルサインや外して洗える吐水口カバーなど便利な機能・部品も搭載しています。ただし、浄水器協会の承認マークが現在は公式サイトで表示されていない商品でもあります。
水流の切り替えは、浄水シャワー・原水ストレート・原水シャワーの3段階が可能です。原水シャワーには約30%の節水機能があるため、水道代の節約にもつながります。
お手入れのしやすい便利な機能を求めていて、カートリッジが長持ちする商品を探している方は検討してみてください。
パナソニック「浄水器 TK-CJ24」
パナソニック「浄水器 TK-CJ24」は、蛇口直結型浄水器としてはカートリッジが非常に長持ちする商品です。カートリッジの交換目安は約1年で、交換の手間を抑えられます(1日10L使用の場合)。
ただし、クロロホルム・1,2-DCEの除去を目的とする場合は、6ヵ月に1度が交換の目安です。6ヵ月に1度を交換目安として使用した場合に除去できる物質は、19種類に及びます。
カートリッジの残量を表示する液晶が付いているため、交換時期は分かりやすいでしょう。ろ過流量は、1分あたり1.8Lなので、料理などで大量に浄水を使いたい場合は少し時間がかかると感じるかもしれません。
カートリッジが長持ちする蛇口直結型浄水器を探している方におすすめです。
パナソニック「浄水器 TK-CJ14」
パナソニック「浄水器 TK-CJ24」もカートリッジが長持ちする商品です。カートリッジの交換目安は約1年です(1日10L使用の場合)。ただし、クロロホルム・1,2-DCEの除去が目的の場合は、6ヵ月に1度が交換目安です。
除去できる物質の数も多く、6ヵ月に1度を交換目安として使用した場合は19種類の物質を除去できます。ただし、カートリッジ残量を表示する液晶はないため、交換時期がやや分かりにくいところがあります。
ろ過流量は1分あたり1.8Lで、一度に大量の浄水を使いたいときには、浄水を準備するのに少し時間がかかると感じるかもしれません。
交換時期が少しわかりにくくても、本体価格を抑えて、カートリッジが長持ちする蛇口直結型浄水器を手に入れたい方におすすめの商品です。
三菱ケミカル・クリンスイ「MD301i」
三菱ケミカル・クリンスイ「MD301i」は、スマホ連携ができる蛇口直結型浄水器です。専用アプリをダウンロードすると、スマホで簡単にカートリッジ残量などのデータを確認できます。
しっかり浄水できていることを知らせる緑のLEDランプも付いており、浄水器の性能を発揮できる正しい使い方ができているか分かりやすいのも特長です。適切に使用すれば、19種類の物質を除去できます。
カートリッジの交換目安は3ヵ月に1度です(1日10L使用の場合)。ろ過流量は1分あたり1.6Lなので、使いたい浄水の量によっては、少しろ過するのに時間がかかると感じるかもしれません。
スマホ連携やLEDランプなど、適切な使用やお手入れを簡単にする表示機能を重視している方は検討してみてください。
三菱ケミカル・クリンスイ「MD211」
三菱ケミカル・クリンスイ「MD211」は、タイマー液晶と節水シャワーが特徴の商品です。液晶に表示されるバーでカートリッジ交換時期が分かりやすく示されます。
浄水・原水シャワー・原水ストレートの3段階の切り替えが可能で、原水シャワーでは約50%の節水が可能です。除去できる物質は20項目あります。
カートリッジの交換目安は3ヵ月に1度です(1日10L使用の場合)。ろ過流量は1分あたり1.6Lで、大量の浄水を使いたい場合はろ過に少し時間がかかります。
浄水器としての使い心地の良さだけでなく、原水シャワーの節水機能も兼ね備えた商品を求めている方におすすめです。
タカギ「蛇口直結型 浄水器 mini Neo」
タカギ「蛇口直結型 浄水器 mini Neo」は、本体の色をホワイトとブラックの2色で選べるおしゃれな商品です。特にブラックは蛇口直結型浄水器で珍しく、存在感がありますが、シンク周りの雰囲気によってはシックに馴染みます。
さらに、交換するカートリッジも「15物質除去 高除去性能タイプ」と「6物質除去 標準タイプ」の2種類が選べるため、ライフスタイルに合わせてカスタマイズしやすいのも魅力です。
ろ過流量は、「高除去性能タイプ」で1分あたり3.0L、「標準タイプ」で1分あたり4.0Lとどちらも高水準です。煮物や汁物などの料理に大量の浄水を使いたい時でも、浄水を準備するのにあまり時間がかからないでしょう。
しかし、しっかり掃除をするためには浄水器本体を蛇口から取り外す必要があるため、やや掃除しにくいと感じる方もいるかもしれません。
掃除に便利な部品が付いていないことが気にならなければ、おしゃれでライフスタイルに合わせやすい高性能の蛇口直結型浄水器です。
蛇口直結型浄水器を取り付けられない蛇口の例
蛇口直結型浄水器を取り付けられない蛇口のタイプは、個々の商品によって異なっており、一概に紹介できません。しかし、以下のタイプの蛇口は取り付けが難しい場合が多いので、注意しましょう。
- センサー付き蛇口
- シャワー付き蛇口
- 蛇口の外形が四角や楕円のもの
- 先端10mm以下がストレートの蛇口
- 蛇口の先端が取り外せないもの
たとえば、蛇口の外形が四角や楕円など特殊な形になっているタイプや、多くの製品と異なる先端を持つ蛇口は、通常の浄水器を取り付けられる形状を満たしていないため、多くの場合で取り付けられません。
また、センサー付き蛇口は、蛇口直結型浄水器を取り付けるとセンサーが誤作動する可能性があるため、たとえ蛇口の形状が問題なくても、取り付けが難しい場合がほとんどです。
ただし、上記はあくまで取り付けが難しい蛇口の例です。実際に取り付けできないかどうか、正確に判断するためには購入を検討している浄水器の公式商品ページや取扱説明書などを確認する必要があります。
近年は、スマートなデザインが実現されている代わりに、浄水器の取り付けに向かない蛇口も増えています。蛇口直結型浄水器を購入する前に、必ず自宅の蛇口が商品に合ったものかどうか確認しましょう。
蛇口直結型浄水器が取り付けられない場合の対処法
自宅の蛇口に蛇口直結型浄水器を取り付けられない場合には以下の対処法があります。
- ポット型の浄水器を使う
- 蛇口本体を交換する
- 浄水器専用の水栓を作る
ここからは、それぞれの対処法を詳しく解説します。
ポット型の浄水器を使う
最も手軽な対処法は、ポット型の浄水器を使うことです。ポット型の浄水器であっても、水道水の不純物を取り除き、おいしい水が飲みやすい商品が発売されています。

ポット型浄水器は本体価格が安く、取り付け不要なので、簡単に導入できます。しかし、水のろ過に時間がかかったり、料理などに使いにくかったりするデメリットがあるので、他の対処法とも比較して検討してみてください。
蛇口本体を交換する
持ち家であれば、蛇口本体を交換して浄水機能を持たせる選択肢もあります。蛇口本体を交換して浄水機能を付けるには、浄水器を内蔵した蛇口を設置するか、アンダーシンク型の浄水器を導入するかの2パターンがあります。
どちらも見えない場所に浄水器を設置できるため、シンク周りをスッキリと使いやすくなります。しかし、一般の方が自分で蛇口の交換工事をすると作業ミスによる水漏れなどのリスクがあるため、業者に工事を依頼するのがおすすめです。
浄水機能を持たせるために蛇口を交換する工事を業者に依頼した場合、費用相場は30,000円~13万円ほどです。交換する新しい蛇口などの価格によって費用の総額は大きく変動します。
水回りの工事全般に言えることですが、業者に工事を依頼する際は複数の業者から見積もりを取り、それぞれの業者が提示する費用を比較してみましょう。費用を比較することで、簡易的に相場を理解しながら依頼できます。
浄水器専用の水栓を作る
持ち家であれば、元々の蛇口はそのままにして、浄水器専用の水栓を別途作る選択肢もあります。新しく浄水器専用の水栓を作れば、元々の蛇口で原水を使いながら、同時に専用水栓で浄水を使うという使い方もできます。

しかし、専用水栓の設置スペースが必要となるため、シンク周りのスペースを見て問題ないか判断しなければなりません。専用水栓の設置作業も、一般の方が作業するとトラブルのリスクがあるので、業者に工事を依頼するのがおすすめです。
業者に浄水器専用水栓の設置を依頼した場合、費用相場は5,000円~15,000円ほどです。しかし、部品代などで費用総額が大きく変動する可能性があるため、複数の業者から見積もりを取って比較してみましょう。
蛇口を確認してトラブルのない浄水器の導入を
今回は、蛇口直結型浄水器について解説してきました。蛇口直結型浄水器は、一般の方でも設置しやすく、より水の安全性に配慮しやすくなる器具です。カルキ臭のもととなる塩素も取り除けるので、おいしい水も飲みやすくなります。
蛇口直結型浄水器は便利ですが、自宅の蛇口に取り付け可能かどうかの事前確認は必須です。メーカーが公式の商品ページや取扱説明書などで公開している情報をもとに、購入前にチェックを進めましょう。
自宅の蛇口タイプが浄水器に適合したものではなく、取り付けられないのであれば、蛇口直結型浄水器ではない浄水器を使う選択肢もあります。浄水器の種類ごとに性能や注意点の違いがあるため、自宅に合ったものを選ぶと便利です。
浄水器や水を衛生的に使い続けるためのお手入れ方法や、そのほかの注意点なども押さえつつ、トラブルなく自宅に浄水器を導入してみてください。
おすすめ業者4選
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
PR