賃貸の蛇口が壊れたら修理や交換費用は誰の負担?
賃貸マンションやアパートにお住まいの方は、蛇口が壊れてしまったとき、自費で修理しないといけないのだろうかと不安になるかもしれません。費用の負担は契約内容や蛇口が故障した原因によって異なります。
契約書を確認する
借主と貸主のどちらが負担するかは、契約書に記載されています。蛇口が故障したときにどちらが負担する取り決めになっているかは契約書を確認しましょう。
劣化が原因であれば管理会社や大家さんが負担
蛇口が壊れた原因が部品の経年劣化によるものであれば、修理費用は管理会社や大家さんの負担になります。管理会社や大家さんは、蛇口などの設備を適切な状態に保つ義務があるからです。
蛇口が壊れるようなことをした心当たりがないときは、経年劣化による故障と考えられます。修理費用は管理会社や大家さんが負担してくれるでしょう。
ただし、小修繕は借主の自己負担という契約になっている場合もあります。たとえば電球の交換などが小修繕に該当し、蛇口のパッキンも小修繕とみなされることがあるため、確認しておきましょう。
原因によっては借主負担になることもある
蛇口の故障原因が入居者の過失によるものであれば、修理費用は借主負担になることがあります。たとえば蛇口に物をぶつけて壊してしまった場合などは、借主が費用を負担しなくてはなりません。
蛇口修理の相場はパッキンやカートリッジの交換などが8,000円〜10,000円です。蛇口を交換しなくてはいけない場合、蛇口本体代に加えて作業費が10,000円〜15,000円程度かかります。
また、水漏れを管理会社や大家さんに報告するのが遅れたために被害が拡大した場合は、故障の原因が経年劣化であっても借主に責任を問われることがあります。そのような事態を避けるためにも、水漏れに気づいたときはすぐに管理会社や大家さんに連絡しましょう。
賃貸マンションやアパートの蛇口が水漏れしたらやるべきこと
賃貸マンションやアパートの蛇口が水漏れした場合、階下への水漏れや床のシミ、カビなどを引き起こす可能性があります。そのため水漏れに気づいたら、迅速に適切な行動を取りましょう。賃貸で水漏れしたとき真っ先にやらなくてはいけないことを紹介します。
管理会社や大家さんへ連絡する
蛇口の水漏れに気づいたら、まずは管理会社や大家さんに連絡しましょう。管理会社や大家さんが普段から利用している水道業者があるかもしれません。慣れた業者に依頼した方が、作業がスムーズにおこなわれます。そのため、自分で水道業者に連絡するのではなく、管理会社や大家さんに相談しましょう。
連絡が取れない場合は自分で水道業者に依頼する
賃貸で水漏れが起こったとき、まず管理会社や大家さんに相談するのが基本ではありますが、深夜や早朝など連絡がつきにくい時間帯に水漏れが起こる可能性もあります。その場合、連絡が取れるまで放置していると被害が拡大する可能性があるため、自分で水道業者に連絡しましょう。
自分で直接水道業者に依頼した場合、誰が費用を負担するか決めるために水漏れの原因をハッキリさせておく必要があります。水道業者からは領収証だけでなく、水漏れの原因を記載した書類を発行してもらいましょう。部品の劣化が原因であれば、管理会社や大家さんに費用を請求できます。
応急処置をしておく
水道業者の到着までに時間がかかる場合は応急処置が必要です。まずは止水栓を閉めましょう。止水栓を閉めることで、水の流れを止めることができます。それから水漏れしている部分にタオルを巻き、水滴が垂れる場所にビニールシートとバケツを置いておきましょう。
水漏れの被害が拡大すると床材や壁が腐食することがあります。階下の部屋まで水漏れして家財に被害を及ぼすと賠償責任が発生しますので、被害を最小限に防ぐためにも応急処置をおこなってください。
蛇口の水漏れ修理をする方法
蛇口の水漏れはパッキンの劣化が原因の場合が多いため、自分で修理することも可能です。パッキンを取り替えるときは、同じ種類・同じサイズのものを購入しましょう。蛇口のメーカーや型番がわかれば、蛇口を分解しなくてもパッキンの種類やサイズを確認できます。もしわからない場合は、今ついているパッキンを取り外して、サイズを測りましょう。
必要な工具
蛇口の水漏れ修理に使用する主な工具は以下のとおりです。修理する場所によって使う工具は異なります。
- プラスドライバー…ハンドルを固定しているネジを締めたり緩めたりするときに使います
- マイナスドライバー…止水栓を閉めたり開いたりするときに使います
- モンキーレンチ…ナットを締めるときなどに使います。下あごを動かすとサイズ調整できます
- ピンセット…小さなパーツをつかむときに使います
- 水栓取外しレンチ…蛇口を取り外すときに使います
水漏れの修理手順
蛇口の水漏れは、水漏れ箇所によって修理方法が異なります。そのため、まずはどこから水漏れしているか特定することが大切です。
ここからは、水漏れしている場所別に水漏れ修理の手順をご紹介します。ただし、自分で水漏れ修理するには、取り替え用の新しいパッキンなどを準備する必要があります。早急に修理が必要な場合や修理に自信がない場合は、業者に依頼することを検討しましょう。
蛇口の吐水口から水漏れしている場合
蛇口の吐水口からの水漏れは、蛇口の中のコマパッキン(ケレップ)という部品の劣化が原因と考えられます。
次の手順でケレップを取り替えましょう。ケレップを取り替える際、節水ケレップにすれば節水効果が期待できます。
- 止水栓を閉めます
- ナットをレンチでゆるめて外します
- ハンドルを外します
- ピンセットでケレップを取り出します
- 新しい ケレップに交換します
- ハンドルを取り付けます
- ナットをレンチで締めます
- 止水栓を開きます
ハンドルの下から水漏れしている場合
ハンドルの下からの水漏れがある場合、まずはナットがゆるんでいないか確認しましょう。ナットを締めても水漏れが解消しない場合、三角パッキンの劣化が原因と考えられます。
次の手順で三角パッキンを交換してください。
- 止水栓を閉めます
- ナットをレンチでゆるめて外します
- ハンドルを外します
- 中の三角パッキンと座金を新しいものに取り替えます
- ハンドルを取り付けます
- ナットをレンチで締めます
- 止水栓を開きます
スパウトの根本から水漏れしている場合
スパウト(吐水配水管)の根本から水漏れしている場合、配水管接合部のUパッキンが劣化していると考えられます。
- 止水栓を閉めます
- ナットをレンチでゆるめて外します
- スパウトを外します
- Uパッキンとリングを取り替えます
- スパウトを取り付けます
- ナットをレンチで締めます
- 止水栓を開きます
水栓と壁の間から水漏れしている場合
水栓と壁の間から水漏れしている場合、水栓の根元に巻いたシールテープの劣化が原因と考えられます。
壁付き単水栓は次の手順でシールテープを巻き直しましょう。
- 止水栓を閉めます
- 水栓取外しレンチを使用して本体を取り外します
- 根元の古いシールテープを取り除きます
- 配管内を掃除してゴミや古いシールテープを取り除きます
- 新しいシールテープを巻きます
- 給水管に水栓本体を取り付けます
- 時計回りに回し、力を入れたらもう少し回せそうな状態の手前で止めます
- 止水栓を開きます
シールテープはネジ山を1〜2山余らせた状態で時計回りに6〜7回きつめに巻きつけます。巻き終えたらシールテープを指で時計回りになぞって密着させます。
新しい水栓を取り付けるときは、無理に回しすぎないようにしておきましょう。また、反時計回りに回さないように注意が必要です。
蛇口の交換は大家さんに相談が必要
蛇口の故障に関係なく、「今の蛇口が古い」「もっと便利な機能がついた蛇口に取り替えたい」といった理由で新しい蛇口に取り替えたくなるかもしれません。
賃貸マンション・アパートは自分で自由に蛇口を交換できないので、まず大家さんに相談しましょう。大家さんが蛇口交換を許可してくれた場合は新しい蛇口に交換可能です。ただし、この場合は蛇口が劣化して使えなくなったわけではなく、自己都合による交換です。蛇口交換にかかる費用はすべて自己負担となります。
また、元の蛇口よりグレードが高い蛇口に交換したとしても、古い蛇口は処分せずに保管しておいてください。もし、もともと設置されていた蛇口をなくした場合、退去時に現状復帰費用を請求されることがあります。
賃貸マンション・アパートで水漏れしたときの注意点
一戸建てに比べるとマンションやアパートは水漏れに十分注意が必要です。2階以上に住んでいたら、下の階の住人に多大な迷惑をかけてしまうかもしれません。
最後に賃貸マンション・アパートで水漏れしたときの注意点をお伝えします。注意していても蛇口の水漏れが起こる可能性はありますので、万が一のときに慌てず対処できるよう、確認しておきましょう。
迅速に対応する
水漏れに気づいたら迅速な対応が必要です。すぐに管理会社や大家さんに連絡しましょう。たとえ経年劣化による水漏れでも、放置したためにシミができた場合などは、借主の負担になります。素早い対応で被害を最小限に食い止めましょう。
床への水漏れは早めに拭き取る
蛇口の水漏れで床が水浸しになってしまったときは、早めに拭き取ることが大切です。水漏れを放置していると壁の内側や床下に結露が生じてシミやカビが発生することがあり、退去時に原状回復費用を請求される可能性があります。
また、水浸しになった床は、雑巾で拭き取るだけでなく、消毒もしておきましょう。
拭き取るだけでは雑菌やカビが繁殖する原因になる場合があるため、消毒するのが効果的です。
ただし、消毒用エタノールはフローリングを変色させることがあります。フローリングの素材を確認して、消毒用エタノールが使えるか確認しておきましょう。
床への水漏れは次の手順で拭き取ってください。
- タオルや雑巾で水を拭き取ります
- 乾いたタオルや雑巾で乾拭きします
- フローリングを乾かします
- 消毒用エタノールを雑巾に含ませ、フローリングを拭きます
水浸しの床を雑巾で拭くだけでは、なかなか乾燥しません。窓を開けて換気しながら扇風機を活用して乾かしましょう。ドライヤーは熱でフローリングを変形させる恐れがあるので使わないようにしてください。
階下に被害を与えたときは誠意のある対応を心がける
2階以上に住んでいる方は、水漏れが下の階に被害を及ぼす可能性があります。家財に被害を与えてしまった場合は弁償が必要です。
保険に加入していれば保険でカバーできますが、まずは誠意のある対応を心がけることが大切です。
たとえ顔を合わせたことがなくても、きちんと謝罪しに行きましょう。
保険で対応できるか確認する
水漏れで下の階に被害を与えてしまった場合、「個人賠償責任保険」に入っていれば、適用される可能性があります。個人賠償責任保険とは、日常生活で偶然の事故により、他人に怪我をさせてしまったり、所有物を壊してしまったりしたときに適用される保険です。
火災保険や自動車保険の特約として加入する場合が多いため、入居時に火災保険に加入していれば、個人賠償責任保険がついているか確認しておきましょう。
また、水漏れで床や壁などにシミができた場合などは個人賠償責任保険が適用されませんが、「借家人賠償責任保険」に加入していれば補償が適用されます。賃貸物件は、退去するときに原状回復する義務があります。「借家人賠償責任保険」も火災保険にセットされていることが多いため、確認してみましょう。
まとめ
賃貸マンション・アパートの蛇口が故障した場合、普通の使い方をしていて壊れたのであれば、管理会社や大家さんが修理費用を負担してくれます。ただし、蛇口の水漏れが下の階まで広がると損害賠償しなくてはならなくなります。そのようなときのためにも個人賠償責任保険には入っておきましょう。
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