蛇口の水漏れ箇所別の修理部品と交換方法
まずは、水漏れのトラブルの修理方法を紹介していきます。
水漏れ箇所ごとの修理部品、修理に必要な道具、修理部品の交換方法という流れで紹介していくので、自宅のトラブルに該当する箇所のみ読んでいただいても修理することが可能です。
水漏れ箇所別の修理部品
では早速、水漏れの箇所別に修理が必要になる部品を特定していきましょう。
回転ハンドル下
水栓コマにより水量を調整する蛇口(ハンドル式水栓)で、回転ハンドルの下から水漏れが発生している場合、「三角パッキン」を交換することで水漏れが解消します。
三角パッキンはハンドル部への水漏れを防ぐ役割を担っているため、ハンドル下部からの水漏れの原因は三角パッキンの損傷であることがほとんどです。
レバーハンドル下
バルブカートリッジにより水量を調整する蛇口(レバー式水栓)で、レバーハンドルの下から水漏れが発生している場合、「バルブカートリッジ」を交換することで水漏れが解消します。
バルブカートリッジはさまざまな箇所への水漏れを防ぐ役割を担っており、レバーハンドルへの水漏れ防止の役割もその一つです。
吐水口
吐水口から水漏れが発生している場合、ハンドル式水栓を使用しているか、レバー式水栓を使用しているかにより修理対象の部品が変わります。
どちらの水栓であったとしても水漏れは、給水管から押し出されている水をせき止める部品が損傷することで発生します。損傷により完全に水をせき止めることができなくなってしまい、吐水口から水が漏れ出ています。
ハンドル式水栓を使用している場合は、コマパッキン(ケレップ)という部品が給水管からの水をせき止めているので、これを交換すると水漏れが解消します。
レバー式水栓を使用している場合は、バルブカートリッジが給水管からの水をせき止めており、交換することで水漏れが解消します。
スパウト付近
スパウト付近から水漏れが発生している場合も、ハンドル式水栓とレバー式水栓のどちらを使用しているかによって修理部品が変わります。スパウトとは蛇口のパイプ部分のことを指し、どちらの方式の蛇口においても、水漏れを防ぐパッキンの損傷により水漏れが発生しています。
ハンドル式水栓を使用している場合は、Uパッキンという名前のパッキンが水漏れを防いでおり、この部品を交換することで水漏れが解消します。
レバー式水栓を使用している場合は、OVパッキンという名前のパッキンが水漏れを防いでいるため、この部品を交換すると水漏れが解消します。
壁付近
壁付の蛇口で壁付近から水漏れをしている場合は、シールテープを貼り直すことで水漏れが解消します。
シールテープを蛇口のネジ山に巻くことで、取付穴と蛇口をより密着した状態で取り付けることがでます。このシールテープが損傷して、取付穴と蛇口に隙間が生じることで、壁付近からの水漏れが発生します。
クランクと水栓のつなぎ目
クランクと水栓のつなぎ目から水漏れが発生している場合は、クランクパッキンを交換すると水漏れが解消します。
クランクとは、水栓本体と給水管をつなぐ取付脚のことを指し、「偏心管」ともいいます。このクランクと、水栓本体の間の水漏れを防ぐためにクランクパッキンが用いられています。よって、クランクと水栓のつなぎ目からの水漏れはクランクパッキンの交換で解消します。
洗面台のシャワーホース
洗面台のシャワーホースから水漏れが発生している場合は、シャワーホースそのものを交換すると水漏れが解消します。
シャワーホースの水漏れの原因はホースやヘッドの劣化、亀裂にあるため修理ではなく交換になってしまいます。
しかし、シャワーホースの耐用年数は蛇口と同様に10年と言われています。耐用年数に近い年数で故障した場合は、レバーやスパウト部も含めて全部交換することをおすすめします。
また、シャワーホースの水漏れは洗面台の収納庫が水浸しになって気付くことが多いです。
もしも、洗面台の収納庫にシャワーホースからの水漏れの水受けタンクが備え付けられている場合は、水漏れに気が付くのが遅くなります。水受けタンクに水が溜まっていたら水漏れが発生している証拠なので、定期的に確認して早期に対処できるようにしましょう。
浴室のカラン、シャワーヘッド
浴室のカラン、シャワーヘッドから水漏れが発生している場合は、サーモスタット式の混合水栓を使用しているか、切替レバー式の混合水栓を使用しているかで修理部品が変わります。
サーモスタット式水栓とは、給湯温度や水圧が突然変わっても、吐水温度をほぼ一定に保つ、自動温度調節機能付の水栓です。左側のハンドルで温度を設定し、吐水・止水、スパウト・シャワーの切り替えは、右側のハンドルで操作します。切替レバー式水栓は、ハンドルやレバーで温度、吐水・止水をコントロールし、スパウトとシャワーの切り替えは切替レバーで操作します。
サーモスタット式水栓を使用している場合は、開閉バルブを交換すると水漏れが解消し、切替レバー式水栓を使用している場合は、切替弁を交換すると水漏れが解消します。
修理に必要な道具
自分で水漏れの修理をする際に必要になる道具は以下の通りです。道具は品質がとても重要になるので、ホームセンターや通販での購入をおすすめします。
道具 | 用途 |
---|---|
モンキーレンチ | カートリッジ押さえの取り外し、接続ナットの取り外し、壁付水栓固定脚部のナットの取り外しなど |
プラスドライバー | ハンドル固定ネジを外すなど |
マイナスドライバー | 止水栓の開閉、固い部品の取り外しなど |
精密ドライバー | キャップの取り外し、パッキンの取り外し、ゴミの除去など |
六角レンチ | レバーハンドルの取り外し、水栓本体の固定、水栓本体固定アダプターの固定など |
ウォーターポンプフライヤー | レンチが使えない固定ナットの取り外し、固着した部品を引っ張るなど |
平らな金属の板 | ストレーナーを外すなど |
ラジオペンチ | 手が入らない箇所にある部品をとる、手で掴めない部品を取るなど |
金槌 | 固着したナットを叩く、固着した部品を叩いて外す、なめたネジの対処など |
パイプレンチ | 水栓本体の固定、なめたナットを回すなど |
シールテープ | 取付穴と蛇口間に隙間が生じないようにする |
ブラシ | 給水管内をきれいにする |
蛇口専用工具 | 水栓本体の固定、本体下部の固定ナットの締め付け、特殊なナットの取り外しなど |
※蛇口専用工具は蛇口の種類により異なるので、修理予定の蛇口に応じてご用意ください
修理する蛇口部品の交換方法
水漏れの解消のために交換する部品と修理に必要な道具を解説したところで、いよいよ修理部品の交換方法を解説していきます。
修理の際には、止水栓や元栓を閉めてから作業するようにしてください。
三角パッキン
- ハンドルビスを取り外す(固い場合はモンキーレンチを使用する)
- ハンドルを取り外す
- カバーナットをモンキーレンチで外す
- カバーナット内部の三角パッキンを新品のものと交換する
- 逆の手順で元に戻して水漏れがしないことを確認したら完成(水漏れする場合は、カバーナットを少し強く締める→水漏れを確認する 水漏れがしなくなるまでを繰り返す)
コマパッキン(ケレップ)
- ハンドルビスを取り外す(固い場合はモンキーレンチを使用する)
- ハンドルを取り外す
- カバーナットをモンキーレンチで外す
- 三角パッキン、ワッシャー、スピンドルを取り外す
- コマパッキンを新品のものと交換する
- 逆の手順で元に戻して水漏れがしないことを確認したら完成(ハンドル部から水漏れする場合は、カバーナットを少し強く締める→水漏れを確認する 水漏れがしなくなるまでを繰り返す)
Uパッキン
- スパウトと水栓をつないでいるナットをモンキーレンチで取り外す
- 古いUパッキンを取り外す
- 新しいUパッキンの溝を水栓側向けて差し込む
- 逆の手順で戻して水漏れがしないことを確認したら完成
カートリッジ
- レバーハンドルのネジをマイナスドライバーで取り外す
- レバーハンドルを引き抜く
- 外カバーを台座を軸に反時計回りに回して取り外す(固い場合はモンキーレンチを使用する)
- 古いカートリッジを取り外して、新しいカートリッジを取り付ける
- 逆の手順で元に戻して水漏れがしないことを確認したら完成
OVパッキン
- レバーハンドルのネジをマイナスドライバーで取り外す
- レバーハンドルを引き抜く
- 外カバーを台座を軸に反時計回りに回して取り外す(固い場合はモンキーレンチを使用する)
- バルブカートリッジを取り外す
- スパウトを引き抜く
- 上下のOVパッキンを両方とも取り外す(手で取り外しにくい場合は、マイナスドライバーを隙間に差し込んで外す)
- 下のパッキン、上のパッキンの順に新しいOVパッキンを取り付ける(下のパッキンは溝を上向きに、上のパッキンは溝を下向きにする)
- 逆の手順で元に戻して水漏れがしないことを確認したら完成
シールテープ
単水栓の場合
- 単水栓を反時計回りに回して取り外す(固い場合はモンキーレンチで緩めて回す)
- 給水管内の汚れをブラシできれいにする
- シールテープがない状態で何回転で取り付けることができるか確認しておく
- 蛇口の取り付け部の先端を正面として時計回りでネジ山にシールテープを8~13回を目安に巻く(先端から2つ目のネジ山から巻く)
- シールテープを巻き終わると、親指と人差し指で圧をかけてシールテープをネジ溝に馴染ませる
- 3の工程で確認した回数で正しい向きになるように蛇口を取り付ける(一度でも半時計回しに回したら4の工程からやり直し)
- 取り付けられたら水漏れがしないことを確認して完成
混合水栓の場合
- モンキーレンチを用いて水栓本体とクランクを固定しているナットを取り外す
- 水栓本体を取り外す
- クランクを反時計回りに回して取り外す(固い場合はモンキーレンチで緩めて回す)
- 給水管内の汚れをブラシできれいにする
- シールテープがない状態で両方のクランクを何回転で取り付けることができるか確認する
- クランクの仮設置後、真上から見てクランクの高さが揃っていることを確認する
- 水栓本体の取り付け部の先端を正面として時計回でにネジ山にシールテープを8~13回を目安に巻く(先端から2つ目のネジ山から巻く)
- 5の工程で確認した回数で、左右のクランクが「への字」になるように取り付ける(一度でも半時計回しに回したら7の工程からやり直し)
- 水栓本体とクランクを取り付け、水栓が床と平行になるように位置を調整する(右のクランクは動かさずに、左のクランクを動かして床と平行にする)
- 水漏れがしないことを確認して完成
クランクパッキン
- モンキーレンチを用いて水栓本体とクランクを固定しているナットを取り外す
- 水栓本体を取り外す
- クランクからパッキンを取り外す
- 新しいパッキンをクランクの中に取り付ける
- 逆の手順で水栓を取り付け、水漏れがしないことを確認して完成
シャワーホース
- 水受けタンクが付いている場合は取り外す
- シャワーホースを給水栓レバーから取り外す ※ホースに水がのこっているのでこぼさないように注意
- ワンタッチ式の場合はジョイントをシャワーホースから外す
- シャワーホースにアダプターが付いている場合はアダプターを外す
- シャワーヘッドごとシャワーホースを引き抜く
- シャワーヘッドをシャワーホースから取り外す
- 新しいシャワーホースにシャワーヘッドを取り付ける
- シャワーホースを挿入する
- ワンタッチ式の場合は、シャワーホースにジョイントを取り付ける ※シャワーホースとジョイントの径が合わない場合はアダプターを装着する
- シャワーホースを給水栓レバーに取り付ける
- 水受けタンクがある場合は、取り付けてタンク内にホースを入れる
- 水漏れがしないことを確認して完成
開閉バルブ
- マイナスドライバーを用いて吐水・止水、スパウト・シャワーを切り替える右側のハンドルを取り外す
- インデックスというスパウト・シャワーの切替表示が付いている部品を取り外す
- ナットを手で回して取り外す(固い場合はプライヤーなどを使う)
- スペーサーを引き抜く
- 開閉バルブを取り外す(固着している場合はプライヤーで引き抜く)
- 新しい開閉バルブとスペーサーをくっつける
- くっつけたバルブとスペーサーを本体に差し込む
- 逆の手順でナットやインデックス、ハンドルを取り付ける
- 水漏れがしないことを確認して完成
切替弁
- プラスドライバーを用いて、切替レバーの中心にあるネジを取り外す
- 切替レバーを取り外す
- 水栓本体に付いているナットを緩めて、本体内部に入っている切替弁を取り外す
- 新しい切替弁を本体に差し込み、ナットを締めて固定する
- 逆の手順で切替レバーを取り付けて、水漏れがしないことを確認して完成
レバーハンドル抜けの修理方法
続いてレバーハンドル抜けの修理方法を紹介していきます。急にレバーハンドルが抜けると壊れたのかと焦ると思いますが、簡単に直すことができるので実践してみてください。
ハンドル抜けの原因
レバーハンドルが抜ける原因は、「ハンドルのビス外れ、脱落」か「はめ込みタイプのハンドルの分離」のどちらかであることがほとんどです。ハンドルが抜けた場合は、どちらかを疑って修理してみてください。
修理に必要な道具
- 爪楊枝…ビスのキャップを取り外す
- プラスドライバーまたは六角レンチ…ビスを締める(ビスの種類によりどちらで締めるかが変わる)
修理方法
ハンドル抜けの原因の「ハンドルのビス外れ、脱落」、「はめ込みタイプのハンドルの分離」それぞれの修理方法を紹介していきます。
ハンドルのビス外れ、脱落
- 爪楊枝でレバーハンドルに付いているキャップを外す
- プラスドライバーまたは六角レンチでビスを締めて完成
はめ込みタイプのハンドルの分離
はめ込みタイプのハンドルの分離は、単に引っ張ったハンドルが外れてしまっただけなので、再びはめ込みカチッと音がすれば修理終了です。もしも音がしない場合は、ハンドルの中の爪が割れている可能性があるため交換が必要になります。
破損やひび割れは蛇口交換修理業者へ
蛇口の水漏れの修理をしても直らない、水漏れの量が多い場合は、紹介した部品以外の場所が原因で水漏れが起こっているかもしれません。
正確に水漏れの原因を特定することは難しいため、修理をしていておかしいと思ったら迷わずに蛇口交換修理業者へ依頼するようにしましょう。
また、修理作業中に蛇口の破損やひび割れを発見したり、部品が固くて外れなかったりしたまま無理に作業を続けると、配管を破壊して大きな被害を生みかねません。自分の手に負えなくなってしまった場合でも、蛇口交換修理業者に任せるようにしましょう。
修理・交換料金の相場
蛇口の水漏れの修理・交換を業者に依頼することに決めた方のために、料金の相場を以下に紹介しておきます。
修理・交換内容 | 費用相場 |
---|---|
水栓まわり部品(パッキン、カートリッジなど)の交換修理 | 8,000円~11,000円 |
単水栓(壁付)交換 | 8,000円~12,000円 |
単水栓(デッキ式)交換 | 8,000円~12,000円 |
混合水栓(壁付) | 10,000円~14,000円 |
混合水栓(デッキ式) | 10,000円~14,000円 |
混合水栓(ワンホール) | 10,000円~14,000円 |
依頼時の注意点
最後に、蛇口交換修理業者へ依頼する際の注意点を解説します。高額な修理料金を請求される事例がまだまだ報告されているので、しっかりと注意点を抑えておきましょう。
無料見積もりをしてもらおう
蛇口の修理・交換をする前に見積もりをしてもらい修理費用を確定させておくと、追加費用が発生することはほとんどありません。
見積もりは無料で実施している業者が多いですが、見積もりのための出張料などを請求されることがあります。
電話での依頼時には、見積もりに納得して施工するまで料金がかからないことを確認しておきましょう。
相場料金を基準に業者を選ぼう
修理・交換料金が高い、安いというのは何を基準に判断していますか。
業者が広告している激安の金額を基準に判断すると、高額請求をするような業者に依頼する確率が高くなります。
相場を基準に判断するようにし、相場よりもかなり安い金額での修理を広告している業者は避けるようにしましょう。
まとめ
本記事では、蛇口の水漏れやハンドル抜けの修理方法について解説してきました。
修理に必要な道具さえ揃えてしまえば、自分で修理することができるうえ、費用を抑えることもできます。
水漏れの発生箇所ごとに修理が必要な部品、修理方法を分かりやすく解説しているので、水漏れが発生したら何度でも見に来て挑戦してみてください。
しかし、自信がない方や作業中に予想外のことが起きた場合は、被害を大きくしないためにも迷わずに業者に依頼しましょう。
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※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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