蛇口ホースの接続部分から水漏れしているときの応急処置
原因や対策を知る前に、水漏れを止めるための応急処置が必要です。
水漏れは放っておくと水道代がかさんだり、庭に水があふれる原因になります。水漏れの量が少量だったとしても、放置せず正しく対処しましょう。
水漏れの対処法は以下の通りです。
水道の元栓(止水栓)を閉める
水栓からの水漏れが発生した場合は、すぐに水道の元栓を閉める初動の早さが大切です。
一戸建ての場合の止水栓の場所は、駐車場に埋められているメーターボックス内にあります。
パッキンを交換する
蛇口や配管には異常がなく、蛇口付近から漏水している場合、パッキンが劣化している可能性があります。
水漏れの箇所によって交換パッキンが異なるため、下記を参考にチェックしてください。
コマパッキンの交換
吐水パイプの先端からの水漏れの場合は、ハンドル部分を取り外してコマパッキンを交換します。
- 1. 製品番号を確認してから購入する(蛇口のメーカーや製品によってサイズは異なる)
- 2. 止水栓を締める
- 3. ハンドル根元のナットをウォーターポンププライヤーでひねってハンドルを外す
- 4. ペンチなどを使ってコマパッキンを取り出す
- 5. 新しい部品に交換する
- 6. ハンドルを戻してナットを締める(ナットを締めすぎると破損やハンドルが固くなってしまう)
三角パッキンの交換
ハンドルの根元からの水漏れであれば、ハンドルを取り外して三角パッキンを新しいものと交換します。
- 1. サイズを必ず確認してから購入する
- 2. 止水栓を締める
- 3. ハンドルに付いているカラービスを外す
- 4. ハンドルを取り外す
- 5. ウォーターポンププライヤーでナットを外す
- 6. 三角パッキンとパッキン受けを取り外す
- 7. 新しいパッキン受けを取り付ける
- 8. 三角パッキンを取り付ける(ナットの締めすぎに注意する)
Uパッキンの交換
吐水パイプの根元からの漏水であれば、吐水パイプ自体を取り外してUパッキンを交換します。
- 1. サイズを必ず確認してから購入する
- 2. 止水栓を締める
- 3. パイプ付け根のナットをウォーターポンププライヤーで緩める
- 4. パイプを取り外す
- 5. 古いUパッキンを外す
- 6. 新しいパッキンを本体側に溝を向けてはめる
- 7. パイプを元に戻す
下記の記事も参考にしてみてください。
![](https://news.mynavi.jp/mizu-trouble/wp-content/uploads/2022/03/image1-1.jpg)
配管の破損部分から水漏れしているときの応急処置
配管にひびが入って水漏れが発生した場合、自分で修理するのは難しいので、水道業者に依頼しなければなりません。しかし、すぐには業者を呼べないという場面が多いでしょう。
水漏れを放置しておくと、水道代がどんどんかさんでしまいます。さらに、劣化度合いも深刻になっていきます。
業者が駆けつけてくれるまでに自分で応急処置として、水漏れ補修テープを破損箇所に巻きつけておきましょう。補修テープは、ホームセンターやオンラインショップで購入可能です。
ただし、この方法は一時的な応急処置でしかなく、またすぐに水漏れする可能性が高いです。なるべくすぐに業者に依頼をするようにしてください。水栓のトラブルは自分で対応できるものもありますが、複雑で対応できないものがほとんどです。
安く済ませるために無理やり自分で修理せず、すぐに水道業者を呼んで直してもらうようにしましょう。
賃貸物件で水漏れが発生した場合は、すぐに業者を呼ぶのではなく、先にオーナーや大家さんに相談をしてください。自分で業者を選んでしまうと、修理費用がすべて自己負担になる恐れがあるので注意が必要です。
蛇口ホースの接続部分から水漏れする原因
蛇口ホースから水漏れしている場合は、蛇口本体の破損か部品が劣化している可能性があります。
また、配管自体が破損している可能性もありますので、蛇口ホースから水漏れを発見したら、原因を明らかにすることが必要です。
ニップルの接続
水栓の蛇口とホースをつなぎ合わせている場合、つなぎ目であるニップルの接続部分から水漏れを起こすことがあります。
水栓の蛇口とホースをきつく接合し、両者がカチッと固定されることで、解決するはずです。
水栓の蛇口とホースのつなぎ目から水が漏れているのであれば、一度ホースを外してつなぎ直してみてください。
パッキンの劣化
水栓の蛇口の水漏れで多いのが、パッキンの劣化で起こるトラブルです。
蛇口をしっかり締めているのに水漏れが止まらないときは、パッキンの劣化が原因かもしれません。
水漏れの箇所によって劣化しているパッキンが異なるため、下記を参考に原因箇所をチェックしてください。
- ハンドル部分から水漏れしているとき→三角パッキンの劣化
- 吐水パイプの根元から水漏れしているとき→Uパッキンの劣化
- 吐水パイプの先端から水漏れしているとき→コマパッキン(ケレップ)の劣化
水漏れの箇所によって適切なパッキンを選んで、部品を交換してください。
蛇口本体の破損
ニップルを接続し直しても、パッキンを交換しても水漏れが止まらない場合は、水栓の蛇口自体が破損している可能性があります。
地震や接触など、外部からの衝撃で蛇口本体が破損してしまったときは、全体の交換が必要です。
また、冬季に寒さが厳しい地域の場合、設置してある水栓は凍結し破損することがあります。
水栓内部の水が膨張することが原因で、接続部分や配管を割ってしまうことで水漏れが起こります。凍結によって水漏れが起こっているときは、破損個所の修理が必要です。
ただし、修理は凍っている部分が解凍されてからでないと行えないので注意してください。
配管の破損
地震などの自然災害や配管の劣化、外部からの何らかの衝撃によって配管が破損し水漏れが起こります。
水栓の水を供給している配管は土に埋まっているため、水漏れが起こっていても気が付きにくいのです。
水栓の付近がつねに湿気を帯びているようであれば、その付近の土を掘り起こして確認してください。配管が破損していれば、大量の水が出てくるはずです。晴れていても常に水栓付近の地面が濡れているときは配管の水漏れを疑いましょう。
また、配管が水漏れを生じている場合、水道使用料金が急に高くなります。そのほか、すべての水道を一切使用していない状態にもかかわらず、水道メーターの針だけが回り続けている場合、どこかで水漏れが生じていると考えてください。
配管から水漏れが起きた場合は、自分では応急処置までしかできません。発見したら、できるだけ早めに水道業者に依頼して修理を行ってください。
ボックスタイプの散水栓の配管の破損
ボックスタイプの散水栓は、地面に開けられた穴に土が入っていて、その中に蛇口が埋まっているので特に注意が必要です。
屋外の設備のため頑丈なイメージがあるかもしれませんが、実際には屋内の設備以上に慎重な取り扱いが求められます。
ボックスタイプの散水栓は、固定方法が単純で弱いからです。地下の給水管と蛇口は、ネジ状のジョイントの周囲にテープを巻いて固定しています。そのため蛇口を強い力で反時計回りに回してしまうと、蛇口ごと給水栓から簡単に外れてしまうのです。そして、大量の水が一気に噴出してしまいます。
水漏れが発生してしまう原因は、固定された蛇口ホースに反時計回りの方向に力が加わり続けるためです。
日々の使用が重なった結果、耐久性が限界を超えてしまいます。また、蛇口の傾きを修正するために反時計回りに動かすと、水漏れがひどくなってしまう恐れもあります。
毎日使用していると、配管のトラブルが原因で水漏れが生じていたとしても気づきにくいものです。
ボックスタイプの散水栓は、放置せずに日頃から注意深く、付近の土が常に湿っていないかどうかを確認してください。
水栓によく使用されている蛇口の種類と特徴
庭の草木への水まきや洗車に便利な屋外水栓ですが、大きく分けて2種類あります。
- 散水栓(地下散水栓)
- 立水栓(水栓柱)
それぞれの水栓の特徴とメリットとデメリットを紹介します。
散水栓(地下散水栓)
散水栓とは、家庭用の屋外で水を使うための給水口で、蛇口が地面下のボックスの中に設置されており、ホースを接続して使用します。
メリット・デメリットは以下のようになっています。
メリット | デメリット |
---|---|
・スペースを取らずコンパクト ・地中ボックスに埋まっているので邪魔にならない ・見えにくいところにあるのでいたずらされにくい |
・しゃがんで作業する必要がある ・ボックス内に土や水が溜まる ・ホースがついていると蓋ができない ・蓋を開けてホースを取り付ける必要がある ・ボックス内に砂が入る、虫が湧く |
立水栓(水栓柱)
立水栓とは、屋外に設置される柱上の水栓設備で庭の草木の水やりや洗車、掃除など屋外で水を使用する際の給水に使用されます。
メリット・デメリットは以下のようになっています。
メリット | デメリット |
---|---|
・立ったまま使えるので使いやすい ・ホースをつけっ放しにしておける ・使用後に手が洗える ・ホースを取りつけずにそのまま手を洗える ・水をバケツに入れたりすることができるので水を使いやすい ・見えやすい高さに蛇口が付いているため、清潔に保てる。 ・蛇口の周りに虫が湧いたり、クモの巣が張ったりする心配が少ない ・種類が豊富なので、家の外観に合ったオシャレなものを選ぶことができる ・ガスを引くとお湯も出すことができる |
・安全に設置するためにスペースが必要 ・水受けを設置する場合は、余計なスペースをとってしまう ・設置場所によって配管工事が必要になり、設置費用が高くなる ・水栓が露出しているため、誰かにいたずらされてしまうおそれがある ・冬場に水道が凍る可能性が高い ・物をぶつけてしまうと修理が必要 |
水栓の水漏れの修理費用の相場
水栓の水漏れの修理にかかる費用の主な内訳は、以下の通りです。
- 基本料金
- 部品代
- 出張費用
- 調査費用
- 廃材処分費用
故障の原因によって、発生する費用は異なります。
水栓の種類と作業内容 | 費用相場(本体代除く) |
---|---|
部品交換 (パッキンやバルブカートリッジなど) |
8,000円~10,000円 |
蛇口の故障 | 15,000円~20,000円 |
配管の破損 | 30,000円~40,000円 |
上記費用は、基本的な交換にかかる作業料金や基本料金のみです。蛇口本体の部品代や出張料・夜間料金などは別途必要になるため、実際の料金はもっと高くなります。
業者によって費用は大きく異なるため、相場を理解するために相見積もりを取り複数の業者を比較しましょう。
配管工事が必要な場合は必ず水道業者に依頼
水栓本体や水道配管が破損している場合は、業者に依頼しましょう。
配管工事や水栓の新設工事は、専門的な作業になるため、自分で修理することで水漏れの症状を悪化させてしまう危険性があります。
公共の上下水道につながる配管の新設や撤去などの工事には、国家資格が必要で無資格ではできません。
またその地域の自治体から指定を受けている水道局指定業者といわれる「給水装置設置工事事業者」でなければいけません。
どうしても一時的に水道を使用したい場合は、ホームセンターなどで水漏れ補修用のテープを購入し、応急処置をしてください。
水漏れ補修用テープを破損個所に巻くことで、一時的に水漏れを抑えることができます。
あくまで暫定的な処置のため、補修用テープだけで水漏れが治ったと思って放置していると悪化する恐れがあります。
一時的な処置程度と考えて、水道業者へ任せましょう。
信頼できる水道業者の選び方
信頼できる水道業者の選び方には以下のような基準があります。
初めて依頼する方の中には、どの業者に相談すればよいかわからないという人も少なくありません。そんな方のために信頼できる業者を選ぶ方法をご紹介します。
ホームページや口コミを参考にする
ホームページを参考にすれることで、詳しいサービスの内容や費用相場について知ることができます。
また、あなたの住んでいる地域の業者の口コミを見れば、近くの評判のよい業者を見つけることができるはずです。
水道局指定業者を選ぶ
水道局指定業者であれば、国家資格保持者による管理や監督がされています。
難しい水まわりトラブルにも対応でき、一定の技術レベルが保証されているため安心して依頼することができます。
水道局指定業者であるかは、ホームページ上で確認してください。
業者同士を比較する
複数の業者の中から比較するために、相見積もりを取りましょう。
業者同士を比較することで、サービスの内容や費用の相場が明確になるので、必ずあなたにとって最適な業者を見つけることができるはずです。
まとめ
水栓の蛇口からの水漏れの原因と対処法、水道管の凍結防止対策について詳しく解説しました。
また、配管工事が必要な場合の水道業者の選び方についても解説しています。
配管工事が必要な場合は、資格を持っていないとできないということがわかったのではないでしょうか。
水漏れトラブルの被害を悪化させたり、配管を伴う作業の場合には、迷わず水道業者に依頼することをおすすめします。
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