蛇口のハンドルの構造
蛇口には、水しか出ない単水栓と水もお湯も出せる混合水栓があります。
また、混合水栓には水とお湯にそれぞれハンドルがついているツーハンドル混合水栓、1つのレバーで水量や温度を調節できるシングルレバー混合水栓があります。
蛇口のハンドルのタイプによってはDIYで交換や修理をするのが難しいタイプもありますが、単水栓かツーハンドル混合水栓であれば修理は比較的簡単です。DIYに慣れている人なら、ハンドルの取り替えを自分でできるでしょう。
蛇口のハンドル下には、パッキンなどたくさんの部品が入っています。
まずは単水栓とツーハンドル混合水栓の構造を確認しておきましょう。
単水栓
単水栓のハンドルは色ビス(カラービス)で固定されています。
ハンドルの下にあるのはキャップナットで、外すと三角パッキン、座金、スピンドル、コマパッキンの順番にパーツが入っています。
三角パッキンはハンドル部からの水漏れを防ぐ役割があります。
スピンドルは蛇口のハンドルをひねると上に上がり、水量を調節する役割があります。
ハンドルの最下部に入っているのはコマパッキンです。
コマパッキンはケレップとも呼ばれ、水をせき止める役割があります。
ハンドルをひねってスピンドルが上がると、コマパッキンも上がって吐水部から水が出ます。
また、ハンドルを閉めるとコマパッキンが水道管の隙間を埋めるため、水漏れを防ぎます。
ツーハンドル混合水栓
ツーハンドル混合水栓は、ハンドルがビスで固定されていて、その上にインデックスがついています。
インデックスの色は青が水、赤がお湯です。
ハンドルの下にはキャップナットがあり、三角パッキン、座金、スピンドル、コマパッキンの順番でパーツが取り付けられています。
ツーハンドルのハンドル部分を交換する方法
ここからは、ツーハンドルのハンドル部分をDIYで新しいハンドルに交換する方法をご紹介します。
ハンドル部分が古びてきた場合、ハンドルを交換するだけで清潔な印象になります。
ツーハンドル混合水栓のハンドル交換はさほど難易度が高くないので、DIYが得意な方は自分で交換してみてはいかがでしょうか。
必要な工具
ツーハンドルのハンドル部分を新しいものに交換するときは「モンキーレンチ」「プラスドライバー」「マイナスドライバー」といった工具を用意してから交換作業を始めましょう。
交換手順
ツーハンドルのハンドル部分を同じタイプのハンドルに交換する手順をご紹介していきます。
手順1.止水栓を閉める
ハンドル交換の作業を始める前に、まずは止水栓を閉めてください。
洗面所の止水栓は、洗面台の下の扉を開けたところにあります。
止水栓にはハンドルタイプとマイナスタイプ(溝が一本線)の2種類があるので、どちらか確認してください。
ハンドルタイプは手でハンドルを時計回りに回して閉めましょう。
マイナスタイプはマイナスドライバーを使って時計回りに回して閉めてください。
手順2.ハンドルの上のキャップとビスを外す
ツーハンドル混合水栓のハンドルは、上部に赤や青のキャップがついています。
まずはこのキャップに細いマイナスドライバーを差し込んで外してください。
それからプラスドライバーを使い、ハンドルを固定しているビスを反時計回りに回して外します。
無理に回そうとするとネジの頭の溝がつぶれて回せなくなるため、注意しながら回しましょう。
手順3.ハンドルを外す
ビスを外したら、古いハンドルを取り外します。
ハンドルの下のナットなどが汚れていたら、新しいハンドルを取り付ける前に掃除しておきましょう。
手順4.アダプターと新しいハンドルを取り付ける
新しいハンドルを購入すると、複数個のアダプターが同梱されています。
アダプターが必要な場合、サイズが合うアダプターを付けてから新しいハンドルを取り付けましょう。
プラスドライバーでビスを反時計回りに回して締め、ハンドルを固定します。
それからハンドル上部にキャップを取り付けたら終了です。
手順5.止水栓を開く
取り替え作業が終わったら止水栓を開き、動作確認しておきましょう。水漏れなどがないか確認しておいてください。
ハンドルをレバータイプに交換する方法
最近の蛇口はハンドルタイプよりレバータイプが主流です。
壁付き単水栓などはハンドルタイプが多いですが、自分でレバータイプに交換することも可能です。
レバータイプなら力を入れずに水を出したり止めたりできるため、お子さんや力の弱い方にとっても便利でしょう。
また、レバータイプハンドルは色や種類が豊富なので、DIYでおしゃれな蛇口にすることも可能です。
蛇口のハンドルを機能的なレバーハンドルに交換してみてはいかがでしょうか。
購入前に確認すべきこと
レバータイプのハンドルには、さまざまなタイプがあります。
ハンドルタイプをレバータイプに交換する場合、購入する前に確認しておくべきことが2つあります。
付属のアダプターが蛇口のメーカーに対応しているか確認する
レバータイプのハンドルはホームセンターやネット通販で購入できます。
交換用のレバーハンドルにはアダプターが付属されていて、蛇口のメーカーが指定する形状のアダプターを取り付ければ、別のメーカーのレバーハンドルに交換可能です。
しかし、主要な蛇口メーカーの蛇口にしか対応していない場合もあります。
付属のアダプターが蛇口のメーカーに対応しているか確認しておきましょう。
対応するアダプターがない場合は、蛇口と同じメーカー・品番の部品を探す必要があります。
レバーが周囲に干渉しないか長さを確認する
レバーはハンドルタイプより長いため、設置場所によってはレバーが壁や鏡などに干渉する可能性があります。
レバーの長さが設置場所のスペースに適応するか、サイズをよく確認してから購入しましょう。
必要な工具
蛇口のハンドルをレバータイプに交換するときの工具は「プラスドライバー」と「マイナスドライバー」です。
プラスドライバーはネジを外すときや、閉めるときに使います。マイナスドライバーは、ハンドル上部のキャップを外すときに使用します。
交換手順
それでは蛇口のハンドルをレバータイプに交換する手順をご説明します。
手順1.止水栓を閉める
まずは止水栓を閉めましょう。
蛇口の交換や修理をするときは、必ず止水栓を閉めてから作業してください。
止水栓を閉めずに作業すると水が吹き出す可能性があります。
洗面ボウルの下にある扉を開き、止水栓を時計回りに回して閉めてから作業を始めましょう。
手順2.キャップ・ネジを外してハンドルを取り外す
ハンドルのキャップをマイナスドライバーなどで取り外したら、その下のネジをゆるめてハンドルを取り外します。
手順3.交換用のレバーハンドルを取り付ける
交換用のレバーハンドルを取り付けます。
蛇口のメーカーとは異なるレバーハンドルを取り付けるときは、スピンドルにアダプターを取り付けてからレバーハンドルを付けてください。
手順4.ネジを閉めてキャップを取り付ける
ネジを閉めてレバーハンドルを固定します。
最後にキャップを取り付けたら交換完了です。
手順5.止水栓を開いて動作確認する
レバータイプへの交換が済んだら、止水栓を開いて問題なく水が出るか、水漏れしないかなど動作確認しておきましょう。
ハンドル下からの水漏れはパッキン交換で修理可能
ハンドル下からの水漏れがあり、ハンドル交換を検討している方もいるかもしれません。
ハンドルの下から水漏れしている場合、原因はナットの中に入っている三角パッキンの劣化と考えられます。
パッキンが経年劣化で亀裂が生じるとナットとの間に隙間ができてしまうため、水漏れしてしまうのです。
パッキンを確認して劣化しているようであれば、三角パッキンの交換で修理できます。
単水栓やツーハンドル混合水栓であれば、修理は比較的簡単です。
DIYに慣れている人なら、自分でパッキン交換できるでしょう。
水道の修理業者にパッキン交換を依頼すると、相場は5,000円~10,000円程度です。
しかし、自分で交換すれば費用はパッキン代だけで済みます。
パッキンはホームセンターやネット通販などで購入可能です。
三角パッキンは200円程度で見つかりますので、自分で交換できたら節約にもなります。
必要な工具
三角パッキンの交換に必要な工具は「ウォーターポンププライヤー」または「モンキーレンチ」と「プラスドライバー」「マイナスドライバー」です。
新しい三角パッキンを購入するときは、サイズに注意してください。
三角パッキンは呼び径13mmと呼び径20mmの2つのサイズがあり、家庭の水道で主流なのは呼び径13mmです。
しかし、まれに呼び径20mmが採用されていることがありますので、確認してから購入しましょう。
確認する方法としては、主に2つの方法があります。
- 蛇口のメーカーのホームページで品番から呼び径を確認する方法
- パッキンを取り出してサイズを測る方法
ホームセンターで購入するなら、古いパッキンを持って行き、サイズを比べてから購入するとわかりやすいでしょう。
三角パッキンの交換手順
三角パッキンの交換手順をご紹介していきます。
ハンドル下からの水漏れが気になるときは、次の手順で交換してください。
手順1.止水栓を閉める
最初に必ず止水栓を閉めてください。
洗面所の止水栓は、洗面台の下の扉を開けたところにあります。マイナスドライバーを使って右に回すと閉まります。ハンドルタイプの場合は手で右に回して閉めてください。
手順2.ビスをゆるめてハンドルを取り外す
まずはハンドルの上部についているカラービスをマイナスドライバーで外します。それからハンドルを固定しているビスをプラスドライバーでゆるめ、ハンドルを取り外してください。
手順3.カバーナットを取り外す
ハンドルの下のカバーナットをウォーターポンププライヤーまたはモンキーレンチでゆるめて取り外します。
手順4.三角パッキンを交換する
ナットの下の三角パッキンを取り外し、新しい三角パッキンに交換します。
手順5.逆の手順で元に戻す
プライヤーまたはレンチでナットを固定します。それからハンドルを戻し、ビスを取り付けて固定します。最後にカラービスも元に戻して完了です。
手順6.止水栓を開いて水漏れしないか確認する
止水栓を反時計回りに回して開き、水を出してみましょう。水漏れしなくなったか確認してください。三角パッキンを交換しても水漏れする場合、パッキンがしっかりはまっているか、ナットがしっかり閉まっているかなどもう一度確認してみましょう。問題ないのに水漏れが解消しない場合は他の部分にトラブルがあるかもしれないので、水道業者に修理を依頼した方がよいでしょう。
古い蛇口は本体ごと交換がおすすめ
蛇口が古い場合は、ハンドルだけ交換するより本体ごと交換するのがおすすめです。
蛇口には耐用年数がありますので、ハンドルを交換しても近いうちにハンドル以外の部分に不具合が出てくるかもしれません。
せっかく新しいハンドルに変えても、すぐに本体を交換することになるともったいないので、耐用年数を過ぎた蛇口は本体の交換を検討しましょう。
蛇口の耐用年数は10年
蛇口の耐用年数は10年です。
耐用年数を超えて使っていると、水漏れやぐらつき、ハンドルが固くなるなどの症状が出てきます。
パッキンなどの部品を交換することで修理できる場合もありますが、本体の劣化が進んでいる可能性もあるため、修理よりも交換を考えた方がよいでしょう。
また、古い蛇口は交換部品の在庫が少なくなっていて、手に入りにくい場合もあります。
最新の蛇口は便利な機能や省エネ機能を備えたものもあるため、蛇口本体を交換することで使い勝手がよくなったり、水道代やガス代の節約になったりする場合もあります。
蛇口の急なトラブルが起こる前に、耐用年数を過ぎた蛇口は本体の取り替えをおすすめします。
蛇口交換を依頼した場合の相場
洗面所の蛇口交換を水道業者に依頼した場合、相場は10,000円~16,500円程度です。
この金額は蛇口交換の作業料なので、別途新しい蛇口代が必要です。
蛇口本体の相場は5,000円~40,000円程度となっています。洗面台用の蛇口はコンビネーションタイプの価格が高い傾向です。
また、業者に依頼した場合、蛇口代と作業代の他に、基本料金や出張費、早朝・深夜割増料などが必要になる場合もあります。
見積もりをもらう前に、どのような費用が必要になるか確認しておくと予算オーバーにならずにすむでしょう。
蛇口の交換費用を抑えるならDIYがおすすめですが、蛇口の種類によっては自分で取り替えるのが難しい場合もあります。
連絡すれば短時間で駆けつけてくれる水道業者や、24時間対応してくれる水道業者もありますので、DIYで蛇口交換するのが難しいと感じたときは、無理せずに水道業者に依頼した方がよいでしょう。
まとめ
洗面所のハンドルが単水栓やツーハンドル混合水栓であれば、比較的簡単に取り替えることができます。ハンドルタイプから便利でおしゃれなレバータイプに交換することも可能なので、自分で気に入ったものを探して交換してみてはいかがでしょうか。ハンドルを交換するついでに劣化したパッキンを交換しておけば、水漏れなど蛇口の不具合が起こりにくいため、安心して使えるでしょう。
また、10年以上使用している蛇口であれば、ハンドルだけでなく蛇口ごと交換することをおすすめします。蛇口の劣化は使用頻度によっても異なりますが、一般的には10年で寿命です。水漏れなどの不具合が起きる前に交換しておいた方がよいでしょう。自力での交換が難しそうな場合は、無理せずに業者に依頼することをおすすめします。洗面所の蛇口は毎日使うものなので、ハンドルや本体を取り替えることで洗顔や歯磨きの時間が快適になるでしょう。
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