洗面台のツーホール蛇口を交換する前に
洗面台の蛇口を交換するうえでまず知っておきたいことは、現在使っている蛇口のタイプや、これからDIYで交換可能な蛇口の種類です。
蛇口のタイプは、「ワンホール」「ツーホール」など取り付け穴の数によって違い、取り付け穴の数が一致していないとDIYによる蛇口の交換はできません。
ただし、取り付け穴が2つでも、吐水口とレバーが独立している「コンビネーション」というタイプもあります。
このコンビネーションは、ツーホールとは取り付け穴のサイズや配管構造が異なるため、ツーホールタイプからの交換はできないので注意です。
また後半には、ツーホール混合水栓の交換手順や、DIYでは交換できないケースについても解説していきます。
洗面台の蛇口交換がDIY可能な条件3つ
新しく用意した蛇口が、利用中の蛇口と同じタイプであればDIYで交換可能です。
具体的には以下のタイプが同じである必要があります。
- 取り付け穴の数が同じ
- 取り付け穴のサイズが同じ
- 排水栓が同じ
取り付け穴の数が同じ
タイプは「ワンホール」と「ツーホール」の2種類です。
コンビネーションタイプは取り付け穴が2つですが、ツーホールとは穴のサイズや配管構造が違うため、ツーホールからの交換はできません。
取り付け穴のサイズが同じ
洗面台にあいた取り付け穴のサイズ(直径)を測り、それに合う水栓を選ぶこと。
水栓に対して穴が大きいときは専用の「アダプター」を使えば調整できる場合もあります。
排水栓が同じ
排水栓のタイプは3種類あり、種類が一致していないとDIYで交換することはできません。
- ポップアップ式
ポップアップ棒(操作棒)押すと排水栓が開き、引くと閉じます。 - ワンプッシュ式
ポップアップ棒(操作棒)を一度押すと排水栓が閉じ、再度押すと開きます。 - ゴム栓式
ゴム栓で排水栓をふさぐタイプです。
ツーホールから交換できる蛇口種類の確認事項3つ
ツーホールから交換できる蛇口の種類は、以下の3つを確認しましょう。
- 取り付け穴の確認
- 取り付け穴のサイズと取り付け穴心間を確認
- 排水栓の種類
交換用の蛇口は、使用中の蛇口と同じメーカー・品番を選ぶと交換作業が比較的簡単になります。
蛇口のメーカーと品番を調べるときは、蛇口本体の根元の部分にあるラベルや刻印、水栓の取扱説明書を保管している場合は、説明書の表紙などにある記載内容でも確認できます。
ただ、蛇口のメーカーを変えたい等の要望もあると思いますので、その場合に確認すべきポイントを紹介します。
取り付け穴の数を確認
まずは取り付け穴の数を確認しましょう。
洗面台に穴が2個あいていて、2ヶ所で蛇口が固定されているタイプがツーホールです。
取り付け穴のサイズと取り付け穴心間を確認
つぎは「取り付け穴のサイズ」と「取り付け穴心間」を確認します。
取り付け穴サイズ
取り付け穴のサイズ(直径)を測りましょう。
購入した蛇口に対して取り付け穴が小さすぎると、業者による工事が必要になったりと交換が難しくなります。
取り付け穴が大きすぎる場合は、専用の「アダプター」を設置すれば取り付け穴の大きさを調整できます。
取り付け穴心間
「取り付け穴心間」とは、2つの取り付け穴の中心から中心までの距離のことです。
ツーホールは、2個の穴の距離が一致したものでないと交換ができないので注意してください。
- 所の穴の心間は各メーカー共通の規格で、心々102mmです。
- キッチン用蛇口の心間は、洗面所用蛇口と違い心々203mmとなっているので、選ぶ際は注意してください。
排水栓の種類
蛇口を交換する前に、排水栓の種類も確認しましょう。
排水栓の種類は、ゴム栓で排水口をふさぐタイプや操作棒を使ってふさぐタイプがあり、基本的に同じ排水方式への交換しかできません。
排水方式の種類は以下の通りです。
- ポップアップ式
- ワンプッシュ式
- ゴム栓式
ポップアップ式
一般的な排水方式となります。
ポップアップ棒(操作棒)を押すと排水栓が開き、引くと閉じます。
ポップアップ式からポップアップ式への交換は問題ありません。
ワンプッシュ式
ポップアップ棒(操作棒)を一度押すと洗面器の排水栓が開き、再度押すと閉じます。
TOTO製の水栓に多く採用される排水方式です。
既設の水栓がTOTOのポップアップ式であれば交換が可能となります。
交換する際には、既設の排水金具の状態にあったワンプッシュ式の排水金具も交換する必要があります。
ゴム栓式
ゴム栓で排水口をふさぐタイプです。
ツーホールタイプに多く採用されています。
交換する際は、同じゴム栓式のものを選んでください。
洗面台のツーホール蛇口の交換方法
ツーホールタイプの蛇口をDIYで交換する人のために、用意するものや交換手順について解説していきます。
用意するもの
交換に使用する道具は100均でも手に入るものが多く、その他にもホームセンターや通販サイトなどでも購入が可能です。
- タオル、洗面器
- ドライバー
- 六角レンチ
- モンキーレンチ×2本(1,000円~2,000円程度)
- 水栓レンチ(1,500円程度)
- 新しいツーホール混合水栓(3,000円~40,000円程度)

洗面台のツーホール混合水栓をDIYで交換する手順
- 止水栓閉める
- 給水管と給湯管を取り外す
- 古い蛇口を取り外す
- 新しい蛇口を取り付ける
- 逆止弁を取り付ける
- 給水ホースを接続する
- 止水栓を接続する
1.止水栓を閉める
蛇口の交換作業において重要なことは、まず「水道の止水栓を閉める」ことです。
止水栓を閉め忘れると、蛇口を外した際に水がふき出してしまい、洗面所が水浸しになってしまうので忘れずに行いましょう。
止水栓は洗面台の下にあります。
給水管と給湯管があるので、どちらも閉めましょう。
ハンドルを手で回すタイプや、マイナスドライバーを使い回すタイプがあります。
閉める場合は、時計回りに回します。
2.給水管と給湯管を外す
はじめに、管の中に残っている水やお湯があふれてくるので、下に小さな洗面器を置くかタオルなどを敷きましょう。
準備ができたら、モンキーレンチで下側(止水栓側)のナットを反時計回りに外します。
かなり固く固着している場合があり、止水栓が一緒に回ってしまうことがあるので、止水栓をもう1本のレンチで固定しながら外しましょう。
つぎに上側のナットを外します。
上側のスペースは狭いので専用工具の「水栓レンチ」が必要になる場合があります。
3.古い蛇口を外す
まずは洗面台の裏側に固定されているナットをモンキーレンチを使い外します。
このとき、ワッシャ・パッキンもすべて外しましょう。
また、穴の周囲もキレイに掃除しておきましょう。
洗面台の下はスペースが狭いので、状況によっては「水栓レンチ」という専門道具を使わないと取り外しが難しい場合もあります。
ナットを外したら、蛇口本体を上から引き抜きます。
4.新しい蛇口を取り付ける
取り付け穴に、新しい蛇口を差し込みます。
シャワーノズルなどがある場合は、すべての管を台座内へ通してください。
つぎに、洗面台の下からパッキン、ワッシャ、ナットの順番で取り付け固定します。
締め付けは水側とお湯側を交互にし、本体の位置が斜めにならないように、左右の位置を確認しながらバランスよく締め付けていきます。
5.逆止弁を取り付ける
新しい蛇口の付属品である逆止弁に新しいパッキンが付いていることを確認しましょう。
給水管・給湯管の方に古いパッキンが残っていないかも確認し、逆止弁を各止水栓に取り付けます。
なお、逆止弁は寒冷地仕様の蛇口には付属していません(逆止弁があると水抜きできないため)。
6.給水ホースを接続する
逆止弁(無いタイプは止水栓)に給水・給湯ホースを接続し、蛇口とつなぎます。
先に作業しづらい上側のナットを仮締めしてから下側を締めると作業しやすいです。
上下のナットを本締めするときに給水ホースが一緒に回ってしまうことがあります。
締め付けたナットがゆるんでしまうことがあるので、最後に上下がしっかり締まっていることを確認しましょう。
7.止水栓に接続する
蛇口からのびている水道ホースと止水栓をつなぎましょう。
繋いだら止水栓を開けて、ナットや止水栓のハンドルの根本から水漏れしないか確認しましょう。
あとから水漏れしてくることもあるので5分程度はそのままにしておきます。
もし、止水栓から水漏れしてきたら、止水栓のナットを締めこみます。
それでも止まらない場合は、止水栓の上部パッキンを交換しましょう。
最後に、水とお湯が問題なく吐水されれば交換完了です。
DIYで交換できないケース
単水栓からツーホール混合水栓への交換はDIYではできません。
「今まで単水栓を使っていたけど、ツーホール混合水栓に交換してお湯も使えるようになりたい」という場合は、給湯用の配管を引っ張る工事が必要になります。
この作業はDIYではできないため、水道業者に依頼しなければいけません。
また、洗面台の取り付け穴の数も足りなくなるので、洗面台ごとリフォームしてしまうのも方法のひとつです。
洗面台交換を業者に依頼するときの費用相場
DIYに自信がない方や、洗面台のリフォーム・配管工事が必要になる場合など、業者に依頼したときにかかる費用の相場を紹介します。
洗面台のリフォーム
洗面台のサイズは、間口とよばれる横幅で決まっており、洗面台のサイズ別の交換費用相場については以下の通りです。
洗面台のサイズ | 洗面台の交換費用相場 |
---|---|
~600mm | 約8~9万円前後 |
600mm~750mm | 約10~13万円前後 |
750mm~ | 約12~25万円前後 |
配管工事
洗面台を新設する場合や、洗面台の場所を移動させたりする場合は、配管工事が必要になります。
配管工事の費用相場は、約5万円前後になります。
蛇口の交換
洗面台の蛇口の種類 | 交換作業の費用相場(作業料) |
---|---|
ツーホールシングルレバー混合水栓 | 15,000円~22,000円 |
ツーホールツーハンドル混合水栓 | 10,000円~22,000円 |
水道業者によっては紹介した工事費用にくわえ、出張費や部品代などがかかってきます。
具体的な金額は業者に見積もりをとって確認しましょう。
洗面台でよく使われる蛇口の種類
蛇口のタイプは取り付け穴の数によっても大別され洗面台でよく使われる蛇口には以下のような種類があります。
- ワンホール
- ツーホール
- コンビネーション
ワンホール
洗面台に使われる取り付け穴が1つのワンホールタイプの蛇口の種類は、シングルレバー混合水栓が最近では多いです。
シングルレバー混合水栓
1本のレバー(シングルレバー)で水・お湯の温度と水量を調整するタイプです。
レバーの操作は、上下で吐水と止水、左右で温度調整ができる仕組みになっています。
吐水口は通常のタイプと、ホース引き出しタイプ(シャワー付き)があります。


ツーホール
洗面台にあいている取り付け穴が2つのタイプです。
ツーホールに使われる蛇口の種類は主にふたつ。
ツーハンドル混合水栓
ハンドルが2つついており、水・お湯の水量と温度をそれぞれのハンドルで調整します。
混合水栓の中では昔から使われているタイプです。
シングルレバーよりも本体価格が安い場合が多く、メンテナンス性にも優れているのがメリットです。
ただ、2つのハンドルを操作して温度を調節しなければいけないので、好みの湯温にするのが少し面倒なところがデメリットでしょう。
シングルレバー混合水栓
1本のレバー(シングルレバー)で水・お湯の温度と水量を調整できます。
レバーの操作は、上下で吐水と止水、左右で温度調整ができる仕組みになっています。
吐水口は通常のタイプと、ホース引き出しタイプ(シャワー付き)があります。
ツーハンドル混合水栓からの交換ができるタイプです。
コンビネーション
吐水口とレバーが独立しているタイプです。
吐水口はホース引き出し式で、普通吐水とシャワーで切り替えられるようになっています。
洗髪用としてのシャワーになっているので、シャンプー水栓とも呼ばれています。
水栓本体がほとんど見えない埋め込みタイプや、洗面台や化粧鏡の壁面から水栓が出ているタイプなどバリエーションが多いです。
取り付け穴は2つですが、ツーホールとは穴のサイズや配管の構造が異なります。
そのため、ツーホールタイプからコンビネーションタイプへの蛇口交換はできません。
洗面台の蛇口交換ができる!ハンドルタイプ・レバータイプ
本稿では、洗面台のツーホール混合水栓の交換方法について解説していますので、まずはご家庭にある蛇口がどのタイプであるかを確認してください。
前項と内容が重なる部分もありますが、理解を深めるためにもおさらいしましょう。
ホールの数
ワンホール
洗面台にあいている取り付け穴が1つのタイプです。
ツーホール
洗面台にあいている取り付け穴が2つのタイプです。
ハンドル、レバータイプの蛇口種類
シングルレバー混合水栓
1本のレバー(シングルレバー)で水・お湯の温度と水量を調整するタイプです。
レバーの操作は、上下で吐水と止水、左右で温度調整ができる仕組みになっています。
吐水口は通常のタイプと、ホース引き出しタイプ(シャワー付き)があります。
ツーハンドル混合水栓
ハンドルが2つついており、水・お湯の水量と温度をそれぞれのハンドルで調整します。
混合水栓の中では昔から使われているタイプです。
シングルレバーよりも本体価格が安い場合が多く、メンテナンス性にも優れているのがメリットです。
ただ、2つのハンドルを操作して温度を調節しなければいけないので、好みの湯温にするのが少し面倒なところがデメリットです。
ハンドル・レバーのみの交換も可能
水栓本体を交換すること以外にも、水栓をおしゃれで快適にする方法はあります。
ハンドルやレバーのみの交換は意外と簡単にでき、自分好みにアップグレードすることが可能です。
賃貸にお住いの場合でも、原状回復すればプチDIYができます。
ツーハンドルからレバーハンドルに交換
レバーハンドルは、通常のハンドルと比べて操作がしやすいハンドルです。
また、ハンドルが壁にあたり吐水量を制限するので、節水することができます。
蛇口が遠くて手が届きにくい場合でも、取っ手の突起部分が長いレバーハンドルに交換することは効果的です。

蛇口に後付けできるセンサー水栓
蛇口にセンサーを後付けすれば、手をかざすだけで自動で水を流せるようになります。
こちらは取り付け方もさまざまなので、タイプごとに紹介します。
蛇口のセンサーは、おもに下記の取り付けタイプがあります。
- 吐水口に取り付けるタイプ
- 蛇口全体にかぶせるタイプ
ここからは、蛇口に後付けできるセンサー水栓の種類を取り付けタイプごとにご紹介していきます。

吐水口に取り付けるタイプ
蛇口の先端にある吐水口にセンサーを取り付けて、センサー部分で蛇口の開け閉めを行うタイプの自動水栓です。
吐水口の形や大きさが適応していれば取り付けられるため、比較的多くの種類の蛇口に取り付けることができます。

蛇口全体にかぶせるタイプ
蛇口全体にセンサー機器をかぶせて、センサーでハンドルを操作して自動水栓にするタイプです。
この種類は「ハンドル式単水栓」のみ取り付け可能となっています。
また、吐水口(スパウト)が回転するタイプ・回転しないタイプで適応するセンサー機器の種類が異なるので注意が必要です。

まとめ
家の中でもとくに使用回数が多く、お客さん来訪時にも使われることの多い洗面台の蛇口は、おしゃれで使いやすい蛇口にDIY交換したいですよね。
洗面台の蛇口は、ホール数と穴サイズが同じものに交換することができます。
自分で蛇口を交換したいときは、ハンドル部分のみ交換や、シャワーやセンサー機能のみ後付けして装着できるものだとDIYも簡単です。
洗面化粧台リフォームや配管工事が必要なものになると、業者に依頼することが賢明です。
水まわりのレスキューガイドでは、地域密着型の早くて安心な蛇口修理交換業者を調べていますのでこちらも参考にしてくださいね。
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