混合栓とは?
混合栓は家庭で使われる蛇口としては最もポピュラーなタイプです。キッチンや洗面所、お風呂場などさまざまな場所で使用されています。
まずは混合栓について、その特徴や種類などについて解説していきます。
混合栓の特徴
混合栓とは、水とお湯が出せるタイプの蛇口です。
混合栓には大きく分けて2つの種類があります。
- シングルレバー混合栓
- ハンドル混合栓
家庭で使われる混合栓は、主にこの2つが主流です。その他特殊なものとして、お風呂場などで使用されることの多いサーモスタット混合栓などもあります。
混合栓は種類によって構造がかなり違っており、修理方法もそれぞれ大きく違います。直したい蛇口がどちらのタイプかをしっかり把握しておきましょう。
また、メーカーによっても構造や部品は違いますので、修理の際は必ず取扱説明書を確認しながら行ってください。特に部品についてはメーカーが推奨するものを用意しましょう。
シングルレバー混合栓
シングルレバー混合栓は、レバーが1つのみついている混合栓です。レバーを上下に動かすことで水量を、左右に動かすことで水温を調節します。主にキッチンなどで使われるタイプの混合栓です。
シングルレバー混合栓には、カートリッジが使用されています。カートリッジを使用することで、1つのレバーでお湯と水を出すことが可能になっています。
シングルレバー混合栓の水漏れは、カートリッジの劣化が原因となる場合が多いです。そうでなければ、各部で使用されているパッキンの劣化が原因となっている場合がほとんどです。
カートリッジやパッキンはホームセンターなどで購入することができるので、修理の際はメーカー推奨のものを用意してください。
シングルレバー混合栓は現在主流となっている蛇口のタイプで、特に新築の物件ではほとんどこのタイプの蛇口が使用されています。修理方法を知っておくことで、冷静に対処できるようにしましょう。
ハンドル混合栓
ハンドル混合栓は、ハンドルが2つあるタイプの混合栓です。2ハンドル混合栓とも呼ばれています。
片方のハンドルが水を、もう片方のハンドルがお湯を出すタイプの蛇口で、比較的古いタイプの蛇口です。新築の物件などではめったに使われません。ある程度古い賃貸物件などでハンドル混合栓が使用されている場合が多いです。
ハンドル混合栓の特徴として、水の勢いがシングルレバー混合栓に比べて強い点が挙げられます。構造はシンプルで修理もしやすいですが、水温を調整するのに手間がかかるなどの難点もあります。
ハンドル混合栓の水漏れは、部品が限られているために原因が特定しやすいのも特徴です。症状別の対処法を覚えるようにしましょう。
混合栓の水漏れの原因とは?
混合栓の水漏れの原因は、症状ごとにある程度限られています。水漏れの原因を知っておくことで、スムーズに対処することができるでしょう。
ここでは混合栓の水漏れの原因について、代表的なものを解説します。
混合栓の水漏れが起こりやすい箇所とは?
まずは混合栓の水漏れが起こりやすい箇所について見ていきましょう。
水漏れが起こりやすい箇所は、以下の通りです。
- 蛇口の先端
- レバーやハンドルの下
- スパウト(蛇口パイプの付け根)
- 壁との付け根
スパウトとは、蛇口の水が出る部分のことです。シングルレバー混合栓では、蛇口パイプを回転させる胴体部分のことを指します。ハンドル混合栓では蛇口パイプの付け根のことを意味します。
水漏れ箇所や蛇口の種類によって、対処方法は変わってきます。修理の際は水漏れ箇所の特定から始めるようにしましょう。

混合栓の水漏れでよくある症状
水漏れ箇所を特定したら、どのように水漏れが起こっているかを確認しましょう。
水漏れは大きく分けて2つの症状に分けられます。
- 水を出している時に水漏れが起こる場合
- 蛇口を閉めているのに水漏れする場合
水を出している時に蛇口の根元などからあふれ出るように水漏れするのなら、パッキンの劣化が原因である場合が多いです。
蛇口を閉めているのにポタポタと水漏れする場合、シングルレバー混合栓ならカートリッジが、ハンドル混合栓なら各部パッキンの劣化が原因である可能性があります。
症状によってもある程度原因は特定できます。修理にとりかかる前にあらかじめ確認しておきましょう。
シングルレバー混合栓の水漏れ原因
それでは、混合栓の水漏れの原因を具体的に見ていきましょう。
シングルレバー混合栓の水漏れ原因は、以下の通りです。
- 吐水口:カートリッジの劣化が原因
- レバー下:カートリッジの劣化が原因
- スパウト:カートリッジの劣化やパッキンの劣化が原因
- 壁との付け根:シールテープの劣化が原因
これらに加え、部品の緩みなども原因として考えられます。特に各部位のつなぎ目からの水漏れは、ビスやナットの緩みが原因である可能性もありますので、修理の際は各部品を締め直すことから始めましょう。
シングルレバー混合栓の水漏れの特徴は、多くがカートリッジの劣化によって起こるということです。カートリッジが原因でない場合は、パッキンの劣化が原因となります。
特徴的なのは、スパウトからの水漏れです。スパウトは、蛇口のパイプを回転させる胴体部分のことです。スパウトからの水漏れは、スパウトの上部から起こっているのか、下部から起こっているのかによって原因が変わります。
- スパウトの上部からの水漏れ:カートリッジの劣化が原因
- スパウトの下部からの水漏れ:パッキンの劣化が原因
スパウト部分の水漏れは、以上の点に注意して原因を特定しましょう。
また、壁との付け根からの水漏れは、蛇口本体を壁から取り外す大がかりな作業が必要になります。不安であれば修理業者に依頼するようにしましょう。
なお、これらの原因に対処しても水漏れが直らない場合、蛇口本体の寿命が考えられます。交換を検討しましょう。
ハンドル混合栓の水漏れ原因
ハンドル混合栓の水漏れ原因として主なものは、次の通りです。
- 吐水口:スピンドルやコマパッキンの劣化が原因
- ハンドル下:三角パッキンの劣化やスピンドル、コマパッキンの劣化が原因
- パイプの根元(スパウト):Uパッキンの劣化が原因
- 壁との付け根:シールテープの劣化が原因
ハンドル混合栓の水漏れでも、まずは各部位の部品が緩んでいないか確認しましょう。それでも直らない場合は、基本的にパッキンの交換で対処します。
ハンドル混合栓にはさまざまな種類のパッキンが使用されています。
- コマパッキン(ケレップ):ハンドル内部のスピンドルの下に設置
- 三角パッキン:ハンドルを外した下にワッシャーとセットで設置
- Uパッキン:パイプの根元にリングとセットで設置
取扱説明書も参照しつつ、適切なパッキンを用意しましょう。
シングルレバー混合栓に比べて構造がシンプルなため、修理もしやすくなっています。ただし、それでも不安がある場合は、無理せず業者に依頼するのがおすすめです。
シングルレバー混合栓の修理方法
シングルレバー混合栓の水漏れは、軽いものであれば自分で修理することが可能です。特にパッキン交換程度であれば、自分で修理することで修理費用を浮かすことができるでしょう。
ここではシングルレバー混合栓の水漏れを修理する方法について解説します。
吐水口からの水漏れ
吐水口からの水漏れは、カートリッジの劣化が原因と考えられます。
カートリッジの交換方法は、次の通りです。
- 止水栓を締める
- レバーを取り外す
- カバーナットを取り外す
- 古いカートリッジを取り外し、新しいカートリッジに交換する
- 逆の手順で取り付け、止水栓を開ける
まず、蛇口を修理する際は止水栓を止めることを忘れないでください。水があふれ出し周りが水浸しになる恐れがあります。
止水栓はハンドルもしくはマイナスドライバーで止めるタイプがあります。シンクの下や本体のクランク部分(壁との接合部)についていますので、探して締めるようにしてください。
分解作業で注意したいのは、各部位がしっかりと接合されている場合です。カバーナットなどはとても固くなっている場合があります。壊してしまいそうなど不安であれば業者に依頼することを検討しましょう。
カートリッジの仕様はメーカーごとに差があります。そのため、修理の際は取扱説明書を読みながら、正しい手順で分解するようにしてください。
レバー下からの水漏れ
レバー下からの水漏れも、カートリッジの劣化が原因です。吐水口からの水漏れの場合と同じ方法で修理をしましょう。
スパウトからの水漏れ
シングルレバー混合栓のスパウトは、蛇口が伸びる胴体部分を指します。
スパウトの上から水漏れが起こっている場合、カートリッジの劣化が原因です。吐水口からの水漏れの場合と同じ方法で修理しましょう。
スパウトの下から水漏れが起こっている場合、パッキンの劣化が原因と考えられます。以下の手順で修理しましょう。
- 止水栓を締める
- レバーを取り外す
- カバーナットを取り外す
- カートリッジを取り外す
- スパウトを取り外す
- 劣化したパッキンを取り外し、新しいものに交換する
- 逆の手順で元に戻し、止水栓を開ける
注意点として、スパウト部分のパッキンには向きがあります。向きを間違えてしまうと不具合が生じてしまいますので、取り外したときの向きをしっかりと覚え正しい向きで交換しましょう。
パッキンの種類もメーカーによって違う場合があります。交換の際は取扱説明書を確認して正しいものをそろえてください。
壁との付け根からの水漏れ
壁との付け根からの水漏れは、シールテープの劣化が原因と考えられます。シールテープとは、蛇口の管と壁内の給水管を接合する部分の隙間を埋めるために巻かれるテープのことです。シールテープの劣化によって隙間が生まれ、水漏れが起こります。
シールテープの交換方法は、以下の通りです。
- クランクから蛇口本体を取り外す
- クランクを壁から取り外す
- 壁の内部の古いシールテープを取り除く
- クランクに新しいシールテープを巻き付ける
- 逆の手順でクランクと蛇口本体を取り付ける
クランクは、壁と蛇口とを接合するための部品です。クランクの根元にシールテープが巻かれています。
また、クランクのナット部分にパッキンが取り付けられている場合があります。このパッキンが劣化していないかも作業中に確認しておきましょう。劣化していたら交換してください。
シールテープの交換は蛇口本体を取り外すため、かなり大変な作業です。自信がなければ修理業者に依頼するようにしましょう。
ハンドル混合栓の修理方法
ハンドル混合栓の水漏れは、パッキンの交換によって多くの場合解決できます。パッキンの交換自体は比較的やりやすい作業なので、素人でも十分できるでしょう。
ここではハンドル混合栓の修理方法について解説していきます。
吐水口からの水漏れ
吐水口からの水漏れは、スピンドルかコマパッキンの劣化が原因です。これらの部品はハンドルの内部に埋め込まれています。
スピンドルとコマパッキンの交換方法は、以下の通りです。
- 止水栓を締める
- ハンドルのカラーキャップを取り外す
- ハンドルを取り外す
- キャップナット、三角パッキンなど内部の部品を取り外す
- スピンドルとその下のコマパッキンを取り外し、交換する
- 逆の手順で元に戻し、止水栓を開ける
ハンドル混合栓の場合も、作業前に止水栓を締めることは忘れないでください。
ハンドル混合栓にはハンドルが水用とお湯用の2つあります。水漏れの原因がどちらのハンドルなのか明確ではない場合があるので、確実に修理するためにどちらの部品も交換しておくようにしましょう。
ハンドル下からの水漏れ
ハンドル下からの水漏れは、三角パッキンの劣化か、スピンドルとコマパッキンの劣化が原因です。
スピンドルとコマパッキンの交換方法は、吐水口からの水漏れの修理方法を参考にしてください。
三角パッキンはハンドルを取り外した内部にあります。ワッシャーとセットになっているので、どちらも交換します。
交換方法は以下の通りです。
- 止水栓を締める
- ハンドルのカラーキャップを取り外す
- ハンドルを取り外す
- キャップナットを取り外し、三角パッキンとワッシャーを交換する
- 逆の手順で元に戻し、止水栓を開ける
三角パッキンもコマパッキンと同様、水とお湯の両ハンドルどちらも交換するようにしましょう。
パイプの根元からの水漏れ
パイプの根元(スパウト)からの水漏れは、Uパッキンの劣化が原因です。Uパッキンはパイプのつなぎ目につけられています。リングとセットになっているので、どちらも交換してください。
Uパッキンの交換方法は、以下の通りです。
- 蛇口パイプを取り外す
- Uパッキンとリングを取り外し、交換する
- 逆の手順で元に戻す
Uパッキンの交換はパイプを取り外すだけで済むので、ハンドル内部のパッキンを交換するよりも簡単です。パイプはレンチなどでナットを緩めて取り外しましょう。
壁との付け根からの水漏れ
壁との付け根からの水漏れは、シールテープの劣化が原因です。
シールテープの交換方法については、シングルレバー混合栓の場合と同様です。そちらを参考にしてください。
シールテープの交換には大がかりな作業が必要なので、難しいと感じた場合は無理せず業者に依頼することを検討しましょう。
自分で直せない場合は業者へ相談しよう
混合栓タイプの蛇口の水漏れは、原因によっては自分で修理することが難しい場合もあります。特に蛇口本体を交換しなくてはならないような場合は、自分での作業はまずできないでしょう。そのような時は無理せず修理業者へ依頼するようにしましょう。
ここでは修理業者へ依頼する際のポイントや、業者が来るまでの応急処置方法について解説します。
自分での修理は決して無理しないこと
蛇口の修理は日常的に行うことではないので、素人では難しい場合があります。専門の修理業者に依頼することで、早く確実に修理することができるでしょう。
目安として、次のような場合は修理業者に依頼することを検討してください。
- 緊急の場合
- 自分で修理するのに自信がない場合
- 原因の特定ができない・部品の特定ができない場合
- 本体の交換が必要な場合
修理するのに自信がない場合や急を要する場合は、無理せず専門の業者に依頼するのがよいでしょう。
また、原因の特定ができなかったり、劣化した部品が特定できなかったりする場合は、無理に直さず業者を頼るのがよいです。無理やり直すことでかえって被害が広がってしまう可能性があるからです。
パッキンの交換程度であっても、不安な場合は業者への依頼を検討してみてください。
業者選びのポイント
修理業者を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。
- 事前に見積もりを取れること
- 即日対応などのスピード感があること
- 実績の豊富な会社を選ぶこと
修理業者とのトラブルで多いのは、費用に関するものです。事前に見積もりを取ってもらうことで、おかしな費用項目はないか、相場に比べて安すぎないか・高すぎないか、などを調べることができます。
また、蛇口のトラブルは急を要する場合がしばしばあります。二次被害を起こさないためにも、即日対応が可能で訪問時間を明確に教えてくれる業者を選ぶようにしましょう。
加えて、実績が豊富であることも業者を選ぶ際のポイントになります。年間の修理実績件数などを示している業者を選ぶとよいでしょう。
業者が来るまでの応急処置方法
修理業者が到着するまでに応急処置をしておきましょう。応急処置をすることで被害を抑えることができます。
最低限行うべき応急処置は、止水栓を締めることです。止水栓はハンドルで締めるタイプとマイナスドライバーで締めるタイプがあります。
止水栓は修理や緊急の際に利用するため、誰でも締められるような場所にあります。シンクの下や蛇口本体のクランク部分についている場合が多いので、探してください。
なお、止水栓は古いタイプの蛇口にはついていない場合があります。その場合は、元栓を閉めることで対応しましょう。
賃貸の場合は管理会社へ連絡
賃貸で混合栓の蛇口から水漏れが起こった場合、まずは管理会社へ連絡するようにしましょう。
賃貸でできる修理は、パッキンの交換など軽微なものに限られています。蛇口本体の交換は基本的に管理会社と相談してから行ってください。
また、パッキンの交換であっても、一度管理会社へ確認を取ることは重要です。とりわけ水漏れの被害が大きい場合は、速やかに管理会社へ連絡するようにしましょう。
賃貸では水漏れによって下の部屋の住人にまで被害が及ぶ可能性があります。自分だけの問題ではないと認識して適切な行動を心がけましょう。

まとめ
混合栓タイプの蛇口の水漏れは、シングルレバー混合栓とハンドル混合栓とで対処方法が大きく変わります。
特にシングルレバー混合栓は構造が複雑であるため、自力で修理するのが難しいと感じるかもしれません。一方ハンドル混合栓は比較的素人でも修理が簡単です。
どのような混合栓であっても、原因を特定し冷静に対処することが肝心です。水漏れトラブルが起こった際は、ぜひこの記事の内容を参考に落ち着いて対応できるようにしてください。
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