水道蛇口の種類
蛇口の種類にはさまざまありますが、大きく分けると2種類です。
- 単水栓:水かお湯のどちらかだけが出る
- 混合水栓:水とお湯の両方が出る
単水栓と混合水栓ではその構造に違いがありますので、使用されている部品や構造についてを解説します。
単水栓
単水栓とは、水かお湯のどちらかだけが出る水栓のことで、洗濯機や屋外で使われることが多く、飲食店でも厨房などで使われます。
単水栓の構造
- ハンドルビス
- ハンドル、レバー
- 三角パッキン
- スピンドル
- ケレップ、コマパッキン
- Uパッキン
- スパウト
- 蛇口キャップ
- ハンドルビス
ハンドルを固定するためのビスです。
青や赤などの色がついているものもあることから色ビスとも呼ばれ、青は水、赤はお湯として区別されます。
ハンドルがぐらつく場合は、ビスのゆるみが原因であることが多いです。 - ハンドル、レバー
ハンドルを回すことで吐水・止水を切り替えたり、水量の調節ができます。
種類は大きく分けると2つで、くるくる回すハンドルタイプと、上下左右に動かすレバータイプがあります。 - 三角パッキン
水栓本体とハンドルのすき間から水漏れするのを防ぐ部品です。
三角状になっているので三角パッキンと言います。
ハンドル付近から水漏れする場合は、三角パッキンの劣化が原因であると考えられ、交換することで解消します。 - スピンドル
ハンドルを左に回すことでスピンドルがせり上がっていき、吐水や水量調節ができます。
金属製ですが、長年使っていると消耗していく部品です。
水栓によってスピンドルのサイズが異なるので交換の際には長さや径に注意して商品を選びましょう。 - ケレップ、コマパッキン
吐水口から水が出ていくのを直接せき止める部品です。
スピンドルが上がるとコマパッキンも一緒にせり上がっていき、水が出るようになります。
パッキンはゴムなので消耗しやすく、ハンドルを閉めても吐口から水が漏れる場合は交換時期となります。 - Uパッキン
蛇口本体とスパウトのつなぎ目から水漏れするのを防ぐ部品です。
断面がU字になっているためUパッキンといいます。 - スパウト
蛇口本体から吐口の先端へとつながるパイプのことをスパウトといいます。
スパウトは径さえ合っていれば好きなものに交換することができます。 - 蛇口キャップ
蛇口先端につける部品で、泡沫キャップや断熱キャップなどが一般的です。
泡沫キャップをつけるメリットは2つあります。
ひとつは、水に空気を含ませて水流を柔らかくし、飛び散りを軽減させる効果があること。
もうひとつは、空気を踏ませることで水が膨らむので、通常よりも節水効果があることです。
断熱キャップの用途は、熱湯によって熱くなったスパウトの向きを変える際に、火傷を防止することです。
単水栓から水が流れる仕組み
水栓本体の内部には、水の「供給側」と「吐水側」の2つの部屋があり、その間に弁座(穴)があります。
ハンドルを締めているときは、コマパッキンが弁座に押し付けられる形で穴をふさいでいます。
反対に、ハンドル緩めるとスピンドルがせり上がっていき、コマパッキンが水圧で押し上げられて、その隙間から水が出るしくみです。
ツーバルブの混合水栓もほぼ同じ構造です。
混合水栓
混合水栓とは一台で水もお湯も出せる水栓のことで、水とお湯を本体内で混ぜて、温度や流量を調節できます。
- ツーハンドル(ツーバルブ)
- シングルレバー(ワンレバー)
- サーモスタット
混合水栓の構造
ツーハンドル(ツーバルブ)
2つのハンドルを操作して、水とお湯の流量や温度を調節する水栓です。
混合水栓が生まれた初期からあるタイプで、比較的安価であり、本体内部の構造は単水栓とほぼ同じ構造になっています。
シングルレバー(ワンレバー)
ひとつのレバーを動かして流量や温度を調節できる水栓です。
お湯と水の切り替えが多く、操作頻度が高いキッチンや洗面台などで使われます。
- レバーハンドル
- カートリッジ
- レバーハンドル
レバーハンドルは水栓内部にあるカートリッジと連動しており、上下左右に動かすことで水温と流量を調節できます。 - カートリッジ
カートリッジはハンドルと連動して、水やお湯の流量と温度を調節をする部品です。
単水栓やツーハンドルにある、スピンドルやコマパッキンと同じ役割があります。
内部には丸いプレートが2枚あり、レバーの動きに合わせて前後左右に動き、水とお湯の量や勢いを調整しています。
カートリッジが経年劣化や何らかの理由で故障すると水漏れを起こしてしまうので、その際は交換が必要です。
サーモスタット
ツーハンドルやシングルレバーとは異なり、温度調節や吐水・止水の操作を別々のハンドルで行うことができるタイプです。
「自動温度調節機能」がついており、温度や水圧の変化が起きた場合でも一定の水温を保つことができます。
水とお湯を切り替える頻度が高いキッチン等とは違い、一定の温度を保っておきたいお風呂場で使用されることが多いです。
- 温度調節ハンドル
- バルブユニット(サーモスタットカートリッジ)
- 切替ハンドル
- 切替ユニット
- 温度調節ハンドル
メモリに合わせてハンドルを回すだけで、簡単に温度調節ができます。
赤や青のメモリで表示されており、メモリ”40”を超えたあたりで安全ボタンによりロックがかかる仕組みになっています。
さらに高温側に回す場合は、安全ボタンを押しながら回します。 - バルブユニット(サーモスタットカートリッジ)
温度調節ハンドルと連動して、水とお湯の量を調節する部品です。
また、温度を安定させるために「形状記憶合金バネ」が内蔵されており、温度が上下した際にはバネが伸び縮みし、水またはお湯の量を増減させ元の湯温に戻します。 - 切替ハンドル
吐水・止水の操作や、勢いの調整にくわえ、シャワー・カランの切替えができます。
レバーを上げればシャワー、下げればカラン、そして中心が止水位置となります。 - 切替ユニット
切替ハンドルと連動して、勢いの調節やシャワー・カランの切替を行う部品です。
切替ユニットが劣化したり破損したりすると、シャワーとカランの両方から水が出たり、シャワーが弱くなる・出なくなるなどの症状が現われます。
その他の水栓やオプション
水道蛇口をより便利に拡張できるオプションパーツもいくつか紹介します。
アダプター(蛇口ニップル)
蛇口の先にアダプターを付けることで、ホースと連結できるようになります。
屋外やベランダに水栓がない場合でも、屋内の蛇口から水を引っ張ることが可能で、さらに散水ノズルを接続すれば、お庭の水まきや洗車をする際に便利です。
蛇口先端の形状や外径によって適合するアダプターのタイプは異なります。
先端が丸い形状の蛇口には、工具を使いネジを締めこんで固定するアダプターや、手で締めて簡単に固定できるアダプターが取り付け可能です。
先端がネジになっている蛇口には、ネジ付きのアダプターを選びましょう。
キッチンの蛇口の先端には、「泡沫キャップ」がついているタイプがあり、この泡沫キャップを回して外せばネジが現われます。
蛇口先端のネジが内側と外側のどちらについているかによっても、適合するアダプターが変わるのでよく確認しましょう。
分岐金具
キッチンで食洗器や浄水器を使用したい場合は、水栓に専用金具を取り付けて分岐させることで使用可能になります。
取り付け方法や金具は水栓のタイプによってさまざまで、蛇口ハンドル周辺に分岐金具を入れる方法や、本体の根本(ホール)に分岐金具を入れる方法があります。
また、シングルレバー混合栓の根本には「分水孔」という分岐用の穴がついているタイプもあります。
いずれの場合も、取り付け作業前には水栓を閉める必要があるので自分で取り付けを考えている方は注意しましょう。
盗水防止グッズ
水の盗難・いたずら防止に効果的な鍵付きハンドルや、蛇口カバーもあります。
鍵付きハンドルを取り付けるには、止水栓を閉めてからハンドルを付け替える必要があります。
作業にはレンチ等の工具が必要で、コマパッキンという細かい部品も取り外す必要があるので、不慣れな人にはハードルが高いでしょう。
蛇口カバーなら蛇口を分解する必要もなく、上から箱をかぶせるような形で簡単にセキュリティ強化できるのでおすすめです。
凍結防止水栓上部
水栓や配水管内部が凍結すると、膨張した水によって破損するおそれがあります。
凍結を防止するには水をポタポタと流し続ける必要がありますが、それを自動的にやってくれるのが「凍結防止水栓上部」です。
内部にあるサーモエレメントという部分で温度を感知して、凍結する前に自動で弁を開き、少量の水を流します。
少量の水を流すことで凍結を防ぎ、さらに水温が一定以上になると自動で弁が閉じるので排水量を押さえて凍結防止対策が可能です。
電源がいらないので、屋外での使用に便利です。
水道蛇口の設置場所
水道蛇口はいくつか設置場所があり、それぞれ設置されている蛇口自体に違いがあります。
- キッチン
- 洗面所
- 浴室
- 洗濯機
- 屋外
各箇所でどんな特徴があるのか等を紹介します。
キッチン
キッチンでは水とお湯の両方を使う方も多く、どちらも出すことができる混合水栓を利用している場合が非常に多いです。
また、料理や洗い物で忙しい時でも簡単に温度調整ができるように、シングルレバー混合水栓を設置するのがおすすめです。
洗面所
洗面所もキッチンと同様、水とお湯の両方を使用する場合が多いため、混合水栓を利用している人が多いです。
片手でも温度調節ができるよう、シングルレバー混合水栓やツーハンドル混合水栓などがおすすめです。
浴室
浴室・お風呂では以下のような場所に水道蛇口があります。
- 洗い場専用
- 浴槽専用
- 浴槽・洗い場兼用
浴室ではお湯と水の両方を使用することがありますので混合水栓がほとんどです。
また、水道蛇口での温度調節の重要性が他の箇所よりも大きいためツーハンドル混合水栓やサーモスタット混合水栓がおすすめです。
洗濯機
洗濯機の水道蛇口は多くの場合、単水栓が設置されていますが稀に混合水栓が設置されているケースもあります。
近年では洗濯機用ワンタッチ水栓が使われていますが、古い物件の場合は万能ホーム水栓が使用されていることもあります。
屋外
屋外に設置されている水道蛇口には「立水栓」と「散水栓」の2種類があり、立水栓は柱状の蛇口、散水栓は地面に埋まっている蛇口です。
どんな用途で使用するかにもよりますが、例えば庭に水を巻くような使い方であれば単水栓、ペットの身体を洗うというような使い方であれば混合水栓がおすすめです。
水道蛇口の取り付け位置・取り付け穴
水道蛇口には単水栓・混合水栓以外にも「ワンホール・ツーホール」や「壁付き・台付き」などの専門用語が出てくることがあり、これは取り付け位置や取り付け穴についてを意味します。
水道蛇口の取り付け位置
水道蛇口を取り付ける位置は主に以下の2つです。
- 壁付き
- 台付き
これはその名の通り、水道蛇口が「壁に設置されているか」もしくは「台の上に設置されているか」で判断することができます。
また、台付タイプの場合のみ、給水用の穴の数に違いがあります。
水道蛇口の取り付け穴
水道蛇口の取り付け穴には以下の2種類があります。
- ワンホール
- ツーホール
ワンホールは穴が一つ、ツーホールは穴が二つとなっており、ツーホールの方がスペースは必要でなおかつ蛇口が大きいことが多いのですが、温度調節がしやすいという違いがあります。
穴の数の違う蛇口は取り付けることができませんので、水道蛇口交換の際は注意が必要です。
水道の蛇口で起きるトラブル症状の原因
水道蛇口で起こる主なトラブルには以下のようなものがあります。
- 水漏れ
- 異音
- ハンドルが固い
水漏れ
蛇口の水漏れには2つのパターンがあります。
- 単水栓・ツーハンドルの場合
- シングルレバーの場合
単水栓・ツーハンドルの場合
吐水口から水漏れしているときは、「コマパッキン(ケレップ)」が傷んでいます。
ハンドル付近から水漏れしているときは、「三角パッキン」が傷んでいます。
パッキンと一緒に座金(ワッシャー)も交換する必要があります。
スパウトの根元から水漏れしているなら、「Uパッキン」が傷んでいます。
可動部なので比較的に痛みやすい場所です。
シングルレバーの場合
吐水口から水漏れしているときは、「バルブカートリッジ」が劣化・損傷しています。
レバー付近から水漏れしているときは、「バルブカートリッジ」や「OVパッキン」という蛇口根元にあるパッキンが傷んでいると考えられます。
ちなみに水道蛇口からの水漏れに関してはこちらの記事でも解説していますので参考にしてください。

異音
水を出したときに「キーン」という異音がする場合、水圧が高いことが原因であると考えられます。
止水栓を締めて水量を少なくすることで解決できるでしょう。
また、単水栓やツーハンドルの場合はコマパッキンの劣化が原因であるとも考えられます。コマパッキンが劣化することで形が歪み、振動することで水を流したときに異音を発生させることがあります。
さらに劣化が進むと水漏れにもつながるので早めに交換しましょう。
シングルレバーにおいて、レバーの操作をした際に「キュッ」と高い異音がする場合はカートリッジが劣化していると考えられるので、交換しましょう。
ちなみに水道蛇口の異音に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。

ハンドルが固い
単水栓やツーハンドルの場合は、「三角パッキン」や「スピンドル」などの部品に塗られているグリスが切れて滑りが悪くなっていることがあります。
市販の水栓用グリスを塗れば改善される場合もありますが、グリスが切れている三角パッキンは劣化が進んでいることが多いので、新しいパッキンへの交換をおすすめします。
また、水道水に含まれるミネラルが白い結晶となり、蛇口の動きを阻害している場合もあります。
ミネラルの結晶が発生してしまった場合はきれいに取り除きましょう。
シングルレバーの場合は、カートリッジの劣化が原因であると考えられます。
水道蛇口の交換方法
水道の蛇口を交換する方法としては以下の2種類の方法があります。
- 自分で交換する方法
- 業者に依頼して交換してもらう方法
自分で交換することで費用を安く抑えることができますが、知識や工具がないと難しいことや失敗するリスクがある反面、業者に依頼することで確実に交換は可能ですがその分費用がかかってしまいます。
そのため、どの方法で交換するのが良いかをしっかり検討しましょう。
自分で交換する方法
詳細な交換方法は水道蛇口の種類・タイプによって違いますが、大まかな流れが以下のようになります。
- 止水栓を閉め、水の流れを止める
- 古い蛇口を取り外す
- 掃除をする
- 新しい蛇口を取り付ける
- 止水栓を開け、水が流れることを確認する
必ず最初に止水栓を閉めることが重要で、これを行わないと交換作業中に水が漏れてしまいます。
また、できれば専用の工具が必要になりますので、ホームセンターやECサイトで工具を準備してから行いましょう。
~水道蛇口交換に必要な工具とは?~
蛇口交換作業に必要な工具には以下のようなものがあります。
- マイナスドライバー
- プラスドライバー
- 六角レンチ・ウォーターポンププライヤー
- モンキーレンチ
- シールテープ
- バケツ・雑巾
- 懐中電灯
蛇口の種類やタイプ、作業の内容によっては必要のないものがありますので、作業前にどの工具が必要なのかをきちんと確認しましょう。
水道蛇口交換を自分で行なう方法・手順に関しては以下の記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。

業者に依頼して交換してもらう方法
業者に依頼して交換してもらう場合、重要なのは「どの業者に依頼するか」ということです。
蛇口の交換を依頼できる業者には以下のような業者がいます。
- 蛇口の製造メーカー
- 水道修理業者
- ホームセンター
- 家電量販店
それぞれメリット・デメリットがありそれは以下のようになっています。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
メーカー | ・保証期間内であれば無料で対応してくれる | ・すぐに対応してもらえないケースがある ・配管までは見てもらえない |
水道業者 | ・最短即日で対応してもらえる ・今までと違う蛇口に交換できる |
・中には悪質な業者もいる |
ホームセンター | ・実物を見られる ・店員さんから説明を聞ける |
・取り寄せの場合は定価販売になる ・作業料金の比較ができない |
家電量販店 | ・ポイントが貯まる ・ウェブから注文できる |
・種類や在庫が少ない |
水道蛇口交換業者についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

水道の蛇口を交換修理を依頼するときの費用相場
蛇口の交換修理の手順などを紹介してきましたが、DIYが苦手な方や蛇口修理が初めての方の場合は、どれが何の部品なのか、トラブルの原因がどこにあるのかがすぐにわからず混乱してしまうと思います。
素人がやるにはなかなか大変な作業もあったり、直せたとしても後々トラブルが再発して、結局は業者に依頼したという例もあります。
自力で直すことに自信がないときは、水道修理のプロに依頼することをおすすめします。
水道修理業者に依頼するときまず気になるのは費用面だと思いますので、交換費用の目安をまとめました。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
水栓まわり部品交換 | 8,000円〜11,000円 |
単水栓(壁付)交換 | 8,000円〜12,000円 |
単水栓(デッキ式)交換 | 8,000円〜12,000円 |
分岐水栓取付(食洗機・浄水器等) | 8,000円〜12,000円 |
混合水栓(壁付) | 10,000円〜14,000円 |
混合水栓(デッキ式) | 10,000円〜14,000円 |
混合水栓(ワンホール) | 10,000円〜14,000円 |
作業料の目安をまとめましたが、実際にはこの金額に「部品代」「出張料」「早朝・深夜料」なども加わってきます。
修理業者のホームページやチラシを見ると「作業料」のみを目立つように表示していることも多いので、依頼する際は必ず「総額」を確認してください。
水道蛇口の掃除・メンテナンス方法
水道は毎日使うものなので、何かしらの不具合があればすぐに気づく場合もありますが、我慢して使い続けていると水漏れなどのトラブルに発展することもあります。
そのため、症状を見ながら原因を予想し、早めのメンテナンスをすることが大切になってきます。
ここでは、日頃からできる掃除の方法や、トラブルが発生した際の原因・対処法などを紹介していきます。
また、DIYが苦手な方や自力で解決する自信がないときのために、水道修理業者に依頼した際に発生する修理費の目安や、ちょっとした注意点も紹介するので参考にしてください。
パッキン・カートリッジ消耗品の交換
水栓の寿命はおよそ10年と言われていますが、その期間はメンテナンスをしなくてもいいというわけではありません。
蛇口のタイプや使用頻度によっても耐久性は変わってきます。トラブルを未然に防ぐためにも、摩耗品・消耗品のこまめな交換修理メンテナンスをしましょう。
パッキンやカートリッジなどの消耗品が劣化してくると現れるさまざまな症状があるので紹介します。
ハンドルが固い・がたつく
ハンドルが固い、またはがたつくときは、「三角パッキン」や「スピンドル」などの部品に塗られているグリスが切れて滑りが悪くなっている可能性があります。
市販の水栓用グリスを塗れば改善される場合もありますが、グリスが切れている三角パッキンは劣化が進んでいることが多いので、新しいパッキンへの交換をおすすめします。
シングルレバー水栓の場合は、カートリッジの劣化が原因と考えられます。
異音がする・水漏れする
単水栓やツーハンドルの場合は、「コマパッキン」の劣化が進んでいると考えられます。
コマパッキンが劣化すると、弁座との間にすき間ができ、水を流す際に「キーン」という異音がすることがあります。
劣化が進行するとやがて水漏れを引き起こすので早めにコマパッキンを交換しましょう。
シングルレバーの場合は、「カートリッジ」の劣化が考えられます。
カートリッジが劣化すると、レバーをひねった際に「きゅきゅっ」ときつそうな音がします。
こちらも劣化が進行すると水漏れを引き起こすので交換が必要です
パッキン・カートリッジの交換方法
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- 水栓用プライヤー
- モンキーレンチ
- 六角レンチ
- カウンター下の水道の元栓を閉める
- ハンドルについてるビスカバーを、マイナスドライバーでひっかけて外す
- ビスカバーの下にある、ハンドルを固定しているビスを外す
- ハンドル下のナットをプライヤーで外す
- ナットの下についている「三角パッキン」を外す
- 新しい三角パッキンを取り付ける
- 外したナットやハンドルを戻す。
- 水道の元栓を開ける
- カウンター下の水道の元栓を閉める
- ハンドルについてるビスカバーを、マイナスドライバーでひっかけて外す
- ビスカバーの下にある、ハンドルを固定しているビスを外す
- ハンドル下のナットをレンチで外す
- ナットの下についている「三角パッキン」を外す
- スピンドル上部のネジをプライヤーでゆるめる
- 座金とスピンドルを外す
- コマパッキンを外す
- 新しいコマパッキンを取り付ける
- 外した部品を元通りに戻す
- 水道の元栓を開ける
- カウンター下の水道の元栓を閉める
- レバーの根本についているネジを六角レンチでゆるめて、レバーを取り外す
ネジにはカバーがついていることもあるので、マイナスドライバーなどで外します。 - 本体の根本を押さえながら、カートリッジカバーをレンチでゆるめて外す
カバーと一緒にカートリッジも外れます。 - 新しいカートリッジを本体側の穴に合わせて置く
- 本体の根本を押さえながら、カートリッジカバーを固定する
- レバーを取り付ける
- 水道の元栓を開けて、水が流れるかチエックする
蛇口汚れの掃除
蛇口汚れに多いのは白い汚れですが、黒い汚れが見られることもあります。
それぞれの特徴や、掃除のやり方を紹介します。
白い汚れ
蛇口のまわりによく見られる白い汚れは「水垢」です。
白い汚れ(水垢)発生の原因
水道水に含まれるミネラルが結晶化することで白い汚れになりますが、この白い汚れは食器洗剤などでは落とすことができません。
台所で使用される洗剤は「中性洗剤」や「弱アルカリ性」ですが、ミネラルも同じく「アルカリ性」なので掃除に適していません。
このアルカリ性の汚れに効果的なのは、酸性の性質を持つ「クエン酸」です。
- クエン酸水をつくる
クエン酸小さじ1杯と水200mlをまぜてつくります。
百円均一ショップなどでもクエン酸水を買うことができます。 - 汚れにクエン酸水をかけ、20~30秒待つ
- メラミン製のスポンジやストッキングで磨く
黒い汚れ
黒い汚れの正体は「黒カビ」です
黒カビ発生の原因
手垢や皮脂などをエサにして、カビ菌が繁殖します。
黒カビは吐水口にも発生することがあり、水の中に黒カビが混ざってしまう可能性もあるので定期的に掃除をするようにしましょう。
- 重曹100gとクエン酸小さじ1杯を混ぜ、水で溶きペースト状にする
- ペーストを歯ブラシやスポンジにつけて、汚れをこする
黒カビを掃除する頻度は、水道の使用状況や季節によっても変わりますが、だいたい1ヶ月に一度くらいの掃除で十分でしょう。

蛇口の交換修理
ハンドルが固かったり水漏れが発生したときに、部品の交換や汚れを取り除いたりして改善する方法がありますが、何か一つを直してもまた別の部分が問題を起こすこともあり、いっそのこと蛇口本体を交換したほうが楽な場合があります。
今回はキッチンのワンホール混合水栓の交換方法について解説します。
- モンキーレンチ
- 六角レンチ
- 水栓用レンチ
- キッチンの止水栓を閉める・水抜きする
蛇口を外した際に水が噴き出してしまうので、止水栓を閉め、水抜きをします。
止水栓はカウンター下にあります。 - 止水栓につながっているナットをレンチで外す
止水栓の上側につながっている黄銅のナットを半時計回りで外します。
シャワーホースがつながっている場合はそれも外します。 - カウンター下(裏側)で蛇口を固定しているナットをレンチで外す
作業スペースが狭くてレンチでは回せない場合があり、水栓取付用レンチが必要になることもあります。
また、蛇口によってはカウンター下だけでなく、蛇口根本にネジ止めされている場合もあるので、こちらもドライバーで外しましょう。 - カウンターの上から蛇口を持ち上げて外す
銅管ホースの場合は、引き上げる際に穴にひっかからないように中央に引き寄せましょう。 - 台座がついているときはネジをゆるめて外す
- 新しい台座をネジで取り付ける
- 台座に給水ホース・シャワーホースを通し蛇口を設置する。
シャワー付きの水栓の場合は、設置する前にあらかじめシャワーホースを引き出しておくと、台座にホースを通すときに楽になります。
本体を設置したらシャワーホースも戻します。 - 止水栓にソケットを取り付ける
- 給水ホース・シャワーホースを取り付ける
- 止水栓を開け、水が蛇口から出れば完了
古い水道蛇口は交換すべき?
水道の蛇口は使っていけばいくほど劣化していき、いつかは古くなっていくものですが、古い水道蛇口は交換すべきでしょうか?
ここでは古い蛇口にまつわる情報をご紹介していきます。
古い蛇口で起こるトラブル
古い蛇口では以下のようなトラブルが起こりやすいです。
- 蓄積されたサビが水に混ざる
- 経年劣化による水漏れリスクが高くなる
- ハンドルが動きにくくなる
水道蛇口が古くなると蛇口本体や内部の部品が経年劣化をおこし、その結果上記のようなトラブルが起こりやすくなります。
出てくる水にサビが混ざっていたり、頻繁に水漏れが起きたりと上記にあてはまる症状がないか今一度確認しましょう。
蛇口の寿命・耐用年数
水道蛇口の寿命・耐用年数は一般的に「約10年」だと言われています。
もちろん、使い方によって寿命は変わるため、それほど使う頻度が多くない蛇口であれば10年以上使えるものもありますし、逆に水の使用量が多い蛇口であれば10年経たずに寿命を迎えてしまうケースもあります。
また、蛇口本体は問題なくても、例えばパッキンなどの内部部品が先に寿命を迎えてしまうケースもあるため、その際はパッキンを交換するなどの修理を行なうことで、長く使い続けることができます。
ちなみに水道蛇口のパッキン交換についてはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。

古い蛇口の交換方法
古い水道蛇口の交換方法は、他の蛇口交換と変わりはなく「自分で交換する」もしくは「業者に依頼する」必要があります。
ただし、交換ではなく修理の場合は修理に必要な部品が在庫切れや製造終了しているという可能性もあるため、注意が必要です。
古い蛇口に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。

まとめ
どのご家庭にも必ず設置されているインフラの給水設備である、水道の蛇口は生活必需品ですので蛇口の基本構造や仕組みを理解して、日頃からメンテナンスをおこないましょう。
また、修理交換依頼の作業内容や相場などの知識を身につけておくと、急な水漏れトラブルなどいざというときに安心です。
水まわりのレスキューガイドでは、信頼できるおうちの近くの水道業者を地域ごとに調査し紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

水道の蛇口に関する よくある質問

単水栓は水かお湯のどちらかだけが出る水栓のこと、混合水栓は混合水栓とは一台で水もお湯も出せる水栓のことです。
水道の蛇口の種類解説はこちら
水道の蛇口の交換方法についてはこちら
水道の蛇口交換にかかる費用についての詳細はこちら
古い水道の蛇口についての詳細はこちら
おすすめ業者4選
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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