キッチンの混合栓にはどんな種類がある?
水栓にはさまざまな種類がありますが、大きく分けて「単水栓」と「混合栓」の2種類に分かれます。
単水栓は、ハンドルをひねって水とお湯のどちらかのみを出す蛇口です。安価で設置も簡単なのですが、水温を調節できないことから、近年では室内に設置されることは少なくなってきました。
混合栓は、水とお湯の両方を出せる水栓です。ハンドルやレバー操作によってお湯と水の量を調節するので、好きな温度に調節することができます。近年では、家庭内で使われている水栓のほとんどが混合栓です。
そして混合栓には、次の3つの設置タイプがあります。
- ワンホールタイプ
- ツーホールタイプ
- 壁付きタイプ
ここでは、これらの3つの混合栓の特徴を詳しく説明します。
ワンホールタイプ
ワンホールタイプの混合栓は、天板やカウンターに取り付け穴が1つ空いているタイプの蛇口です。取り付け穴が1つしかないので、見た目がとてもすっきりとしています。
取り付け穴のサイズはメーカー共通で33mm〜39mmなので、新しい蛇口を購入するときにもワンホールタイプの蛇口を選んでおけば、そのまま取り付けることができます。
ただし、製品(「MYM」や「NAIS」の製品のごく一部)によっては取り付け穴のサイズが異なることがあり、その場合は「専用アダプター」が必要です。
ツーホールタイプ
ツーホールタイプの混合栓は、天板やカウンターに横長の設置台が取り付けられていることが特徴です。設置台の中には取り付け穴が2つ空いていることから、「ツーホールタイプ」と呼ばれています。
2つの穴の距離(取り付けピッチ)は、メーカー共通規格で203mmと決められているので、ツーホールタイプであればどの蛇口にも交換することが可能です。
ただし、マンションやアパートなどでミニキッチンやコンパクトキッチンが設置されている場合には、取り付けピッチが102mmと通常のキッチンとは異なります。
取り付けできるか心配な場合には、キッチンカウンター裏から取り付け穴の距離(取り付けピッチ)を測っておきましょう。
壁付きタイプ
マンションやアパートに設置されることが多いのが、壁付きタイプの蛇口です。名前の通りに、蛇口本体が壁に取り付けられていることが特徴です。水とお湯の2本の給水管の距離(取り付けピッチ)が105mm〜225mmのものであれば、どの蛇口にも交換できます。
たとえば「2ハンドル式からレバー式へ」など、種類の変更も可能です。また、最近では「蛇口一体型浄水器タイプ」のような、機能性を持った蛇口に交換する方も増えてきています。
キッチンの混合栓は自分で交換できる?
混合栓の交換を考えたとき、少しでも費用を抑えるためにDIYを検討する方もいらっしゃるでしょう。水栓の交換の手順はそれほど難しくはないので、DIYが好きな方や他の部分の蛇口交換をしたことがある方は簡単に交換ができるでしょう。
しかし、自分で蛇口交換をするときには、それなりのデメリットも伴います。ここでは、自分で蛇口交換するときのメリットとデメリットを説明していきましょう。
自分で水栓を交換するメリット
まずは、自分で混合栓を交換するメリットから見てみましょう。
- 費用を抑えられる
- 自分の好きなタイミングで交換できる
自分で混合栓を交換する大きなメリットは、費用が抑えられることです。施工費用がかからないので、新しい蛇口の購入費のみで交換できます。
また、自分の好きなタイミングで作業できることも、DIYのメリットと言えるでしょう。
業者に依頼する場合には日程調整が必要になり、週末や祝日などは予約が埋まりやすく、すぐに交換できない可能性があります。
既存の蛇口に何かしらのトラブルが起こっているときには、すぐにでも交換したいものです。自分で交換するのならスケジュール調整をすることなく、自分の好きなタイミングで新しい蛇口に交換できるでしょう。
自分で水栓を交換するデメリット
一方で、以下のようなデメリットがあることも覚えておかなければなりません。
- 新しい蛇口を自分で購入する手間がかかる
- 専用の工具が必要
- 失敗する可能性がある
DIYをするときには、新しい蛇口や工具を自分で用意しなければなりません。蛇口を探す手間がかかることはもちろん、種類やサイズを間違えると取り付けができない恐れもあります。さらに工具を持っていない場合には工具の購入費用が必要になるので、結果的に業者依頼よりも費用が高額になることもあるでしょう。
そして、一番大きなデメリットが、失敗するリスクがあることです。自分で交換している途中に蛇口や部品を破損させてしまったり、手順が分からなくなると作業が中断したりする恐れもあります。新しい蛇口や部品が破損してしまうと買い替えが必要になり、作業が中断すると結局業者依頼が必要になります。「蛇口は保証で交換できるのでは?」と思うかもしれませんが、自己責任で破損した場合にはメーカー保証は受けられないことがほとんどです。
メリットとデメリットを把握し、どちらが自分にとって重要かを比較検討してからDIYと業者依頼のどちらにするか判断しましょう。
キッチンの混合栓交換に必要な道具
キッチンの混合栓を交換するときには、水栓交換の専用工具や道具が必要です。
作業手順を確認する前に、まずは必要な道具を確認しておきましょう。
- ウォーターポンププライヤー
- モンキーレンチ
- レンチ類(立水栓締め付け工具・L字型レンチなど)
- ドライバー
- シールテープ(壁付きタイプのみ)
- 雑巾
- 歯ブラシ
蛇口交換をするときには、部品を締めたり緩めたりする作業をします。部品の着脱は手では作業できないので、ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチ、ドライバーなどが必要です。
工具が手元に揃っていないのに作業を始めてしまうと、部品の着脱できないので必ず工具を揃えてから作業に取り掛かりましょう。
ワンホールタイプの交換手順
ここでは、取り付け穴が1つのワンホールタイプの交換手順を説明します。
- . 止水栓を閉める
- . 逆止弁を外し、配管を取り外す
- . 蛇口の固定ナットを取り外す
- . 既存の蛇口を引き抜く
- . 専用アダプターが必要な場合はアダプターを取り付ける
- . 新しい蛇口を取り付け穴に差し込む
- . 逆止弁を取り付ける(既存のパッキンは必ず取り外しておく)
- . 逆止弁と給水ホースを接続する
- . 止水栓を開いて動作確認をする
蛇口交換をするときには蛇口から水が出ないように、必ず止水栓を閉めてから作業を始めてください。作業工程で意外と苦労するのが、手順3の固定ナットの取り外しです。固定ナットが固く締まっている場合には、レンチを使って少し緩めてから手で回して取り外します。レンチを使うときには、他の部品やネジ部分に傷がつかないように気を付けてください。
また、取り付け穴に蛇口がうまく差し込めない場合には、サイズが非対応であることが考えられます。その場合は専用アダプターを購入し、先にアダプターを取り付けてから蛇口を差し込みましょう。
ツーホールタイプの交換手順
ここでは取り付け穴が2つある、ツーホールタイプの交換手順を見ていきましょう。
- . 止水栓を閉める
- . カウンター裏の給水栓の接続ナットを取り外す
- . 蛇口を固定している2箇所のナットをレンチで取り外す
- . 既存の蛇口を両手で持って引き抜く
- . 新しい蛇口を設置する
- . カウンターの裏側から、パッキン→座金→ナットの順に取り付ける
- . 給水管をナットで固定する
- . 止水栓を開いて動作確認をする
ツーホールタイプの蛇口を交換するときには、カウンターの裏側から作業をすることが多く、ナット部分に手が届かないことや狭くて作業を行いにくいかもしれません。狭い場所で通常サイズの工具を使うと、部品や配管類を傷つけてしまう恐れがあります。手が届かない場合には、立水栓締め付け工具を使って作業をしましょう。
壁付きタイプの交換手順
水栓が壁に取り付けられている、壁付きタイプの交換手順を説明します。
- . 止水栓を閉める
- . 蛇口を固定している左右のナットをレンチで取り外す
- . 蛇口をクランクから取り外す
- . 左右のクランクを手で反時計回りに回して取り外す
- . 配管内の汚れを歯ブラシで磨いて落としておく
- . 新しいクランクを配管に差し込み、時計回りに回して取り付けまでの回数を数える
- . クランクにシールテープを5回〜6回ほど巻く
- . 手順6で確認した回数よりも、1回転少ない回数分時計回りに回す
(調整のために反時計回りに回した場合、シールテープを巻く工程からやり直しが必要) - . クランクが「への字」になるように取り付ける
- 0. レンチを使って左右のナットを締める
(クランクの向きは「への字」のまま) - 1. 左右のナットを締めたら「への字」から「ハの字」になるように向きを調節する
- . 止水栓を開いて動作確認をする
壁付きタイプの混合栓では、「クランクが固くて取り外せない」というケースが多いです。その場合は無理に取り外そうとせず、アダプターの役割がある「後付けクランク」を使うか、業者に相談をしましょう。
また壁付きタイプでは、シールテープを巻く作業で意外とつまずきます。シールテープを巻くときには手順に沿って、作業をしましょう。
キッチンの混合栓を交換するときの注意点
キッチンの蛇口交換はDIYできますが、次のような注意点があります。
- 既存の蛇口の種類を確認しておく
- 取り付け穴のサイズを確認しておく
- 難しいと感じたら業者に相談する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
既存の混合栓の設置タイプを確認しておく
前述したように、混合栓には「ワンホールタイプ・ツーホールタイプ・壁付きタイプ」の3つの種類があります。
自分で蛇口交換をするときには、必ず既存の蛇口と同じ設置タイプのものを購入してください。
今使っている蛇口がワンホールタイプなら、ワンホールタイプへ交換します。「ワンホールタイプからツーホールタイプへ」「壁付きタイプからツーホールタイプへ」など、設置タイプが異なる蛇口には交換できません。
新しい蛇口を購入するときには、必ず既存の蛇口の設置タイプを確認しておきましょう。
取り付け穴のサイズを確認しておく
蛇口の取り付け穴は、メーカー共通のサイズで作られていることが多いのですが、まれにサイズが違うものがあります。その場合は「専用アダプター」が必要になるので、新しい蛇口を購入する前に、取り付け穴のサイズ確認もしておくと安心です。
難しいと感じたら業者に相談する
もしも作業の途中で作業手順が分からなくなったり、難しいと感じたりしたら、無理に作業を進めずに業者に相談しましょう。無理に作業を進めると、蛇口や部品の破損、水漏れなどのトラブルになりかねません。トラブルが起こると結局業者依頼が必要になり、修理費用がかさんでしまいます。
業者は即日対応や短時間駆けつけなどのサービスを行なっていることが多く、その日のうちに駆けつけてもらえることがほとんどです。作業の途中で困ったら、まずは電話で相談をしてみましょう。
まとめ
キッチンに設置される蛇口には「ワンホールタイプ・ツーホールタイプ・壁付きタイプ」の3つの設置タイプがあることがわかりました。
設置タイプを見分けるときには、取り付け穴の数と水栓の取り付け位置を確認してみてください。
取り付け穴が1つなら「ワンホールタイプ」、カウンターに横長の設置台があるのなら「ツーホールタイプ」、蛇口が壁に取り付けられているのなら「壁付きタイプ」です。
蛇口交換をDIYすれば費用を抑えられますが、失敗や水漏れなどのリスクを伴うことも忘れてはいけません。
DIYをするときにはメリットやデメリット、手順を確認してから、自分で作業をできるか判断しましょう。もしも手順を確認して難しいと感じたり、デメリットの部分が大きいと感じたりしたのなら、業者依頼をおすすめします。
この記事を判断材料として、蛇口交換をどのように行うか検討してみてくださいね。
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