洗面台の蛇口交換をする前に確認しておくべきこと
洗面台の蛇口を交換するときには、基本的に既存の蛇口と互換性のあるものに交換します。
既存の蛇口に対応していないものを選ぶと、「せっかく蛇口を購入したのに交換できない」といったことになりかねません。
購入すべき蛇口の種類を間違えないためにも、ここでは蛇口交換をする前に確認しておくべきことを2つ頭に入れておきましょう。
既存の蛇口の種類を確認しておく
まずは、自宅の洗面台に設置されている蛇口の種類を確認しておきましょう。
洗面台で使用される蛇口は、主に下記の3種類です。
- ワンホールタイプ
- ツーホールタイプ
- コンビネーションタイプ
どの種類の蛇口か設置されているのかは、蛇口の設置方法で見分けることができます。
「ワンホールタイプ」はその名の取り、洗面台の天板に取り付け穴が一つだけある蛇口です。洗面台の天板に蛇口本体のみが設置されているのなら、ワンホールタイプと判断してください。取り付け穴のサイズはΦ35mm(33mm〜38mm)で基本的には各メーカー共通ですが、メーカーによってはサイズが多少異なることがあります。その場合にはサイズを調整するために「専用アダプター」が必要です。
洗面台の天板に横長の台が設置されているのなら「ツーホールタイプ」の蛇口です。台の中に穴が二つ空いていることから、ツーホールタイプと呼ばれています。穴と穴の距離は各メーカーで共通して102mmなので、ツーホールタイプの蛇口を購入すればアダプターを使うことなく交換できます。
「コンビネーションタイプ」は、洗面台の天板に蛇口とハンドルがそれぞれ設置されているタイプの蛇口です。「蛇口とハンドルがそれぞれ独立している」と言えば、イメージしやすいかもしれません。ツーホールタイプとコンビネーションタイプはどちらも穴が二つ空いているので「互換性がありそう」と思うかもしれませんが、互換性はなく、交換もできないので注意してください。既存の蛇口がコンビネーションタイプなら、コンビネーションタイプの蛇口を購入しましょう。
排水栓のタイプを確認しておく
蛇口交換の際に見落としがちなのが、排水栓のタイプです。
既存の種類と同じものを選ばなければ、排水がうまくできなくなるので非常に困ります。排水栓のタイプも蛇口の種類と同様に見た目で判断できるので、必ず確認しておきましょう。
排水栓には、以下の3タイプがあります。
- ポップアップ式
- ワンプッシュ式
- ゴム栓式
引き棒を押すと排水栓が開き、引くと閉じるのなら「ポップアップ式」の排水栓です。引き棒は蛇口本体や洗面台に設置されいます。
引き棒は蛇口と同梱されていますが、排水金具は別売りのことがほとんど。また、引き棒の位置はメーカーによって異なるため、排水栓がポップアップ式の場合には必ず既存の蛇口と同じメーカーの蛇口へ交換してください。
ただし、引き棒が蛇口から独立して洗面台に設置されているのなら、排水栓を同時に交換する必要はなく、互換性のあるものならばどのメーカーの蛇口にも交換可能です。
「ワンプッシュ式」の排水栓は、押しボタン操作で排水栓の開閉を行います。ボタンを一度押すと排水栓が開き、もう一度押すと閉じるのならワンプッシュ式の排水栓です。押しボタンは蛇口と同梱されているので、別購入する必要はありません。
ゴム栓を使って排水栓を塞ぐのが「ゴム栓式」です。既存の蛇口がゴム栓式であれば、同じゴム栓式の蛇口を選びましょう。
洗面台で使用される水栓の種類
洗面台で使用される水栓の種類は、以下の4つです。
- 単水栓
- シングルレバー水栓
- ハンドル混合水栓
- サーモスタット混合水栓
ここでは、それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
単水栓
単水栓はハンドルを回して水の吐水と止水のみを行う、もっともシンプルな作りの水栓です。
水またはお湯のどちらか一方しか出せないため、近年では洗面台に使用されることはほとんどなくなりました。
主に、洗濯機置き場や庭の水道に使用されます。
シングルレバー混合水栓
シングルレバー混合水栓は、一つのレバーを使って吐水量や温度調節ができる水栓です。蛇口の種類には、ワンホールタイプとツーホールタイプの2種類があります。
レバーの上下操作で吐水と止水、左右操作で温度調節ができるしくみになっていて、操作がとても簡単なことが特徴です。そのため、小さなお子さんやお年寄りがいるご家庭でも安心して使用できます。
ただし、構造が少し複雑なのでDIY初心者が自分で交換するのには、やや難易度が高いかもしれません。
2ハンドル混合水栓
2ハンドル混合水栓は、2つのハンドルを操作して吐水量や温度調節をする水栓です。
お湯と水を単独で利用できるため、「水だけを出したい」「すぐに設定温度のお湯を出したい」といった場面ではとても便利。
また、2ハンドル混合水栓はデザイン性の高いものが多く、存在感もあるため「ホテルのような高級感のある洗面台にしたい」と考えている方におすすめです。
見た目は複雑そうな作りに見えますが、内部は単水栓の構造とほぼ変わらないため、DIY初心者でも簡単に交換することができます。
サーモスタット混合水栓
引用元:TOTO
近年主流になってきているのが、サーモスタット式混合水栓です。
温度の上限を制限する「サーモスタット」が水栓内部に組み込まれており、自動温度調節機能を備えています。
外気や水圧などに関係なく設定温度の水やお湯を出せるので、「お湯の温度調節が苦手」という方も安心して使えます。
ただし、水栓内部が複雑な構造になっているため、自分で交換するには難易度が高いかもしれません。
洗面台の蛇口交換に必要な道具
洗面台の蛇口交換の手順を説明するまえに、まずは必要な道具を確認しておきましょう。
- ウォーターポンププライヤーまたはモンキーレンチ
- L字型レンチまたは立水栓締め付け工具
- プラス、マイナスドライバー
- 雑巾
- バケツ
それぞれの道具の使い方を簡単に説明します。
・ウォーターポンププライヤー
ナットや蛇口本体などを、つかむための工具です。
プライヤーにはさまざまな種類がありますが、そのなかでもウォーターポンププライヤーは水道管やガス菅の作業に特化しています。
・モンキーレンチ
ナットやボルトを締めたり緩めたりするときに使います。同じような工具に「スパナ」が挙げられますが、スパナは種類によってサイズが異なります。そのためサイズ調節をある程度できるモンキーレンチのほうが、汎用性が高いです。
・L字型レンチ
L字型レンチは、六角レンチと呼ばれることもあります。L字の短い部分を穴に差し込み、長い方を回して取り付けや取り外しを行います。
・立水栓締め付け工具
混合栓や立水栓のナットを締め付けるための工具です。ハンドル部分はスパナとしても使用できます。
・プラス、マイナスドライバー
止水栓を開閉するときや、ハンドルのボルトを取り外す際に使います。
・雑巾とバケツ
給水管の残留水がこぼれたときに使います。
工具が揃っていないまま作業を始めてしまうと、途中で作業が中断してしまう可能性があります。洗面台の蛇口が使えないと不便なので、必ず工具を揃えてから作業を始めてください。
ワンホールタイプの蛇口の交換手順
蛇口交換に必要な道具の確認ができたら、ワンホールタイプの蛇口交換の手順をみてみましょう。
蛇口を交換をはじめる前に、まずは洗面台の収納スペースのなかにある「止水栓」をマイナスドライバーを使って閉めてください。止水栓を時計回りに回すと止水栓が閉まり、反時計回りに回すと開きます。
止水栓が閉まったことを確認したら、作業を進めていきまましょう。
既存の蛇口を取り外す
止水栓を閉めたら、止水栓と繋がっている2本の給水管のナットをレンチを使って緩めます。
緩んだナットを外したら、給水管も同時に外しておきます。蛇口にシャワーホースが付いている場合は、給水管を外したあとにシャワーホースのストッパーを下げてから、シャワーホースを取り出してください。
このとき、給水管内に残った水が流れてくる可能性があるため、バケツや雑巾を手元に置いておくと安心です。
シャワーホースを外したら、蛇口を固定しているロックナットをレンチを使って外します。
ロックナット、座金、パッキンの3つを外したら、洗面台の上から既存の蛇口を抜き取りましょう。
【ポイント】金属製の給水管がついている場合には、2本を中央に寄せてまっすぐに束ねておけば抜くときにスムーズです。
新しい蛇口を取り付ける
既存の蛇口を取り出した穴が汚れていたら、雑巾で汚れを拭き取っておきましょう。汚れを拭き取ったら、取り付け穴に新しい蛇口を差し込みます。

【ポイント】新しい蛇口のサイズと取り付け穴が合わない場合には、「専用アダプター」を取り付ければサイズを調整できる可能性があります。新しい蛇口の大きさと取り付け穴のサイズが合わない場合には、蛇口の取り付け穴に対応しているアダプターを購入しておきましょう。
専用アダプターは新しい蛇口を取り付け穴に差し込む前に、洗面台に固定しておきます。
給水管を接続する
新しい蛇口を差し込んだら、レンチを使ってパーツを固定していきます。パーツを固定するときには「取り付け金具またはパッキン→座金→固定ナット」の順で取り付けてください。
【注意】ナットがプラスチック製の場合は、締めすぎると破損してしまう可能性があるため、締まり具合を見ながら少しずつ締めていきましょう!
パーツを取り付け終わったら、止水栓に給水管を接続します。付属品のソケットをナットで固定し、給水管をソケットに差し込んだら接続完了です。なお、この工程は蛇口の型番によって異なるため、説明書の手順に沿って作業を進めてください。
シャワーホース付きの蛇口の場合には、この工程でシャワーホースも接続します。シャワーホースを配管に差し込んだときに「カチッ」という固定音がするまで、しっかりとはめ込みましょう。
給水管とシャワーホースを接続したら、止水栓を反時計回りに回して開きます。
水の出や水漏れを確認して、不備がなければ作業完了です。

ツーホールタイプの蛇口の交換手順
取り付け穴が2つある、ツーホールタイプの交換手順を説明します。
蛇口を交換をはじめる前に、まずは洗面台の収納スペースのなかにある「止水栓」をマイナスドライバーを使って閉めてください。止水栓を時計回りに回すと止水栓が閉まり、反時計回りに回すと開きます。
止水栓が閉まったことを確認したら、作業を進めていきまましょう。
既存の蛇口を取り外す
止水栓を閉めたら、止水栓とつながっている2本の給水管のナットをレンチを使って緩めます。
緩んだナットを外したら、給水管を外しておきます。このとき、給水管に残った水が流れてくる可能性があるため、バケツや雑巾を手元に置いておくと安心です。
排水管を取り外したら、洗面台裏にある取り付けを脚固定しているロックナットをレンチを使って緩め、取り外します。
ロックナット、座金、パッキンの3つを外したら、洗面台の上から既存の蛇口を抜き取りましょう。
【注意】抜き取るときに片手で持つと、バランスが崩れて取り付け穴が傷つく恐れがあるので、必ず両手を使ってまっすぐ持ち上げるように抜き取ってください。
新しい蛇口を取り付ける
既存の蛇口を取り出した穴が汚れていたら、雑巾で汚れを拭き取っておきましょう。
汚れを拭き取ったら、取り付け穴に新しい蛇口を差し込みます。このときにも蛇口が斜めにならないように、必ず両手を使って差し込んでください。
新しい蛇口を差し込んだら、レンチを使ってパーツを固定していきます。
まずは洗面台裏の取り付け脚に「取り付け金具またはパッキン→座金→固定ナット」の順で、パーツをはめ込んでください。立水栓締め付け工具を使うと作業がスムーズです。
【注意】ナットがプラスチック製の場合は、締めすぎると破損してしまう可能性があるため、締まり具合を見ながら少しずつ締めていきましょう!
給水パイプを固定する
パーツをはめ込んだら、蛇口と止水栓を結ぶ給水管をナットで接続します。
【ポイント】ツーホールタイプの蛇口は、ナットを締めるために新しいパッキンが必要になります。しかし、交換用のパッキンは蛇口に付属されていないことがほとんどなので、新しい蛇口に対応しているものを購入してください。また、必要なパッキンの種類は配管の接続タイプによって異なるため、購入予定の蛇口の配管種類からどのタイプのパッキンが必要になるのか、必ず確認しておきましょう。
給水管を接続したら、止水栓を反時計回りに回して開きます。
水の出や水漏れを確認し、不備がなければ作業完了です。
洗面台の蛇口を自分で交換するときの注意点
洗面台の蛇口は、手順さえ頭に入れておけばDIY初心者でも1時間程度で交換できます。
ただし、自分で交換するときには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
ここでは蛇口交換をするときの注意点を頭に入れておきましょう。
新しい蛇口は既存の蛇口と同じ種類のものを購入する
新しい蛇口を購入するときには、必ず既存の蛇口と同じ種類のものを購入してください。
前述したように、蛇口は種類ごとに穴の数が決まっており、種類の違う蛇口は取り付けることができないからです。また、排水栓も同様に、違う種類は取り付けられない可能性があります。
蛇口の種類が判断できない場合には、蛇口本体に貼り付けてあるラベルや刻印、説明書からメーカーや品番を確認してみましょう。
既存の蛇口と同じ品番や種類のものを購入すれば、規格サイズが変更されていない限り「取り付けられない」「取り付け穴のサイズが違う」という心配はありません。
難しいと感じたら無理に作業を進めない
手順を確認してみて「難しい」と感じたり、作業の途中で「できそうにない」と心配に思ったりしたときには、無理に作業を進めないでください。
無理に作業を進めてしまうと、蛇口本体や部品の破損、水漏れが起こる可能性があるからです。
蛇口本体や部品が破損してしまうと、部品の買い替えや、新品の再購入が必要になる恐れがあります。
さらに、水漏れトラブルが起こると、水漏れを解消するための修理費用がかかることはもちろん、床が汚れて床材の交換が必要になる可能性があります。費用がかさむのは、できれば避けたいですよね。
もしも作業途中で「難しい」「できそうにない」と少しでも不安になったのなら、無理に作業を進めずに水道業者に相談をしてください。
洗面台の蛇口交換を業者依頼するときのポイント
蛇口交換を業者依頼するときには、以下のポイントを意識しながら業者選びをしましょう。
- 実績のある業者に依頼する
- アフターフォローの内容を確認しておく
- 手数料の有無を確認しておく
それぞれ詳しく説明します。
実績のある業者に依頼する
業者選びの一つの目安となるのが、実績です。以下のような実績を公式ホームページから確認しながら、業者選びをしてみましょう。
- 年間の水道修理件数
- アンケートや口コミの内容
- 施工事例
とくに口コミや施工事例は「その業者がどんな施工をしているのか」を、写真付きで確認することができます。
依頼をする前に、必ず実績を調べておきましょう。
アフターフォローの内容を確認しておく
蛇口の交換後、水漏れや水の出が悪いといったトラブルが起こることは珍しくありません。しかし、そのような施工直後のトラブルでも、業者によっては再施工費用がかかることがあります。新しい蛇口に交換したばかりなのに、追加費用が発生するのは避けたいですよね。
もしものときのためにも、無料で再施工を行なっている業者を選んでおくと安心です。
手数料の有無を確認しておく
業者によっては「見積もり費用」「出張費用」「早朝費用」「キャンセル料」など、オプションごとに手数料が発生することがあります。
たとえ施工費用が低価格であったとしても、手数料によって総額が高額になってしまうと元も子もないので、手数料の有無は必ず確認しておきましょう。
まとめ
洗面台の蛇口は手順に沿って作業を進めれば、DIY初心者でも1時間程度で交換することができます。
交換をする前に、既存の蛇口から以下の2つを確認してください。
- 蛇口の種類
- 排水栓の種類
既存の蛇口と違う種類を選んでしまうと交換できないので、蛇口購入前に種類を必ず確認しておきましょう。
「どの蛇口を購入すればいいかわからない」と悩んだら、既存の蛇口と同じ品番のもの、または同じ種類のものを購入しておけば安心です。
作業を進めるなかで、もしも「難しい」「できそうにない」と感じたら、無理に作業を進めずに業者に相談してください。
無理に作業を進めると、蛇口や部品の破損、水漏れトラブルに発展してしまう恐れがあるからです。
業者選びをするときには、以下の3つのポイントを確認しておきましょう。
- 実績
- アフターフォローの内容
- 手数料の有無
蛇口は毎日使うものなので、安心して使いたいですよね。業者に依頼すると費用はかかりますが、プロが施工するので施工後に安心して蛇口を使えます。
繰り返しにはなりますが、本記事の手順を確認して「難しそう」だと感じたのなら、まずは業者に相談してみましょう。
業者による洗面台の蛇口交換における費用相場は、以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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