蛇口の交換、自分でやるなら?
ホームセンターに行くと、キッチン用、洗面台用、浴室用、洗濯機用と、多種多様な蛇口が売られています。お目当ての蛇口が身近なお店で手に入るなら、業者に工賃を払うことなく、自分でやった方が格安なのでは?と考える人もいるのではないでしょうか。
そこで気になるのが、「失敗せずに自分で交換できるのか」ということ。まずは、どのような準備が必要で、実際の作業では何をするのかをチェックしていきましょう。
蛇口本体と工具の準備を
ではまず、自分で作業を行う際に、そろえる必要のあるアイテムをご紹介します。
(1)蛇口本体
交換する蛇口によって、その価格はさまざまですが、一般的なものであれば3,000〜15,000円程度で手に入るでしょう。
(2)工具
自分で交換する場合、忘れがちなのが工具の準備。ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチ、栓の種類によってかわる専用のレンチ各種、ドライバーやシールテープなどが必要です。 シールテープは高くても1,000円程度、そのほかの工具は、それぞれ1,000〜3,000円前後で買うことが可能。作業を始めてから、「道具がない!」と焦ることのないように、交換予定の蛇口にどんな作業が必要で、どんな道具が必要になるか、事前に確認しておきましょう。
自分で蛇口を交換する手順とメリット
道具がそろったら、次の手順で蛇口を交換します。
- (1)水道の元栓を閉める
- (2)交換する蛇口の本体を取り外す
- (3)左右にあるクランク(蛇口を取り付けるためのパーツ)を外す
- (4)給水管の汚れを取り除く
- (5)新しいクランクを給水管に取り付け、水平を調整する
- (6)クランクに水漏れ防止のためのシールテープを巻く
- (7)給水管にクランクを固定する
- (8)新しい蛇口を取り付ける
自分で交換作業を行うメリットは、何といっても自分の都合の良いタイミングで作業を行うことができるのと、費用面です。業者なら必要な部材を持ってきてくれますが、自分で行う場合はホームセンターなどに買いに行く時間が必要です。
自分で行うなら工事費は不要ですし、蛇口本体と工具代しかかかりませんから、DIYに慣れている人、工具がそろっている人なら必要最低限の費用で行うことができるでしょう。
集合住宅に住んでいる人は避けた方が無難
蛇口の種類によっては当然、専門的な技術や経験、知識を必要とする場合があります。
点検口の造作が必要だったり、取り付け穴を増やす必要があったりすると、プロにお願いした方が確実。蛇口の種類によっては電源の移設や増設が必要で、電気工事士の資格がないとできないケースもありますので、必要な作業は必ず事前に確認をしてください。
ミスをして余計に水漏れがひどくなってしまったり、やってみたら自分の手に負えない作業で頓挫したり、気付かないうちに床が浸水していたなんてことになると、せっかくの労力が無駄になるばかりか、最初から業者に頼んだ場合よりも出費がかさんでしまう可能性も。特に集合住宅に住んでいる人は、水漏れが原因で、階下に被害を出してしまう可能性があるので、業者に依頼する方が無難でしょう。
もし、業者のミスでそのような事態が起こった場合は、きちんと保証をしてくれる業者を選んでおけば安心感があります。持ち家であれば、ご近所に迷惑をかける可能性はあまりないので、単純な蛇口タイプの交換であれば、DIYが得意な人ならチャレンジしてみても良いかもしれません。
蛇口交換の業者見積もり、その内訳は?
業者に蛇口の交換を依頼するなら、何にどのくらいの費用がかかるのかが、まず知りたいところ。基本的に業者の見積もりは下記のような内訳になることが一般的です。
- (1)蛇口本体やパッキンなどの部材費
- (2)工賃
- (3)出張料(無料の場合もあり)
- (4)工事保証費用(施工後の不具合に対する保証費)
- (5)廃棄処分費用(不要になった古い水栓の解体や廃棄の費用)
- (6)夜間・休日料金(時間外出張や休日作業に対する費用)
(3)~(6)は、業者によって付かない場合があるほか、水栓の取り寄せ費用や、当日の駐車場費といった諸経費が発生することもあります。
水道修理の駆け付けサービスを行う業者の多くは、年末年始を除き、夜間料金や休日料金を取らないのが一般的。問い合わせや見積もりのタイミングで、それらの割増料金や、キャンセル料、見積もり料の有無などを確認し、何に対する費用かわからない項目があったら、確認しておくと良いでしょう。
ちなみに、年末年始、特に正月の三が日は10,000円程度の割増料金を請求されるのが一般的なので、ご注意を。
失敗しない業者選びのコツは3つ
いざ問い合わせをする段階で、思いの外、業者がたくさんあって、何を基準に業者を選べば良いのか分からなくなる人も少なくありません。
値段表に記載されたメニューがどれも格安だから良いか、というと安ければ良いというわけでもないのが業者選び。失敗しないために知っておきたいポイントは3つあります。
(1)無料で見積もりを出してくれるか
見積もりが有料だと、いまいち内訳に納得がいかなくても、すでにお金を払っていることで「断ると損」と感じてしまいがち。見積もりが無料の業者はたくさんありますから、まずは見積もりの内訳をチェックして、数社を比較してみると良いでしょう。
時間帯の割増料金や出張料金の差など、1社ではわかりにくい相場も見えてきます。もし可能なら、見積もりの段階で、該当する水まわりの写真を見せておくと、必要なオプションも事前に見積もりを出してもらえるケースが多く、当日に追加料金が発生しにくくなるのでおすすめ。
(2)事前説明をきちんとしてくれるか
事前にきちんと、作業内容の詳細を説明してくれるかどうかも重要なチェックポイントです。そうすれば無断でオプションを追加されるようなこともありません。
当日は作業の途中で、見積もりの料金に変更がないかを確認しておくと安心です。
(3)アフターフォローが充実しているか
万が一、作業後に漏水するなどの不具合が発生した場合、きちんとアフターフォローや保証をしてくれるかどうかも、事前にチェックできるひとつ。しっかりと保証期間を設けている業者を選ぶことをおすすめします。
緊急の修理が必要になった場合には、真っ先に確認すべきは、すぐに対応してくれるかどうかという点。予約がいっぱいですぐには動けないというケースもあるので、見積もりを取ったのに、きてもらえるのは数日後だった!ということのないよう、早い段階で確認しておくと良いでしょう。
交換作業の料金相場は蛇口の種類で変わる
蛇口の交換で支払う総額の差は、蛇口のタイプによって発生します。ここでは工賃の相場約5,000円と、出張費の相場約5,000円を加算して、蛇口タイプ別に、それぞれの予算感を紹介。まずは交換予定の蛇口タイプの確認を。
業者によっては、ここに保証費用や廃棄処分費用、時間外料金などが追加されますが、ひとつの目安としてチェックしてみてください。
洗濯機周りによくある「単水栓」
蛇口をひねると、水またはお湯のどちらかが出る仕組みの、最もシンプルなタイプの蛇口が「単水栓」。吐水口の向きを変えられる単水栓は、洗濯機の吸水口として設置されていることが多いでしょう。
つくりがシンプルなタイプなので、蛇口の部材費も安価です。
- (1)部材費:約3,000円
- (2)工賃:約5,000
- (3)出張料:約5,000円
- 合計:約13,000円
キッチンや洗面台で主流の「シングルレバー混合栓」
最近、家庭の中で最も目にするタイプといっても良いのが「シングルレバー混合栓」。これは吐水口が1つで、レバーを上下させると水を出したり止めたりすることができ、左右に回すと水温を調整できるもの。片手で簡単に水量や水温の調整ができるので、キッチンや洗面台でよく使われています。
メーカーによって価格に差が出やすいのがこのタイプで、ハンドルがシャワー式で引き出せるものは本体価格が上がります。極力出費を抑えたい人は、一番安い値段の蛇口を付けるように依頼すると良いでしょう。業者で取り扱いのある蛇口であれば、安価であっても耐久性に難があることは少ないので、おすすめです。
- <吐水口固定タイプ>
- (1)部材費:約6,000円
- (2)工賃:約5,000
- (3)出張料:約5,000円
- 合計:約16,000円
- <吐水口が引き出せるタイプ>
- (1)部材費:約10,000円
- (2)工賃:約5,000
- (3)出張料:約5,000円
- 合計:約20,000円
関連記事:洗面台の蛇口交換にかかる費用は?蛇口の種類や交換方法も紹介!
水道局指定業者といわれている指定給水装置工事事業者だと安心して依頼することができます。
以下に、水道局指定で見積もり料金無料のおすすめ業者を表にまとめていますので、参考にまずは公式サイトを確認して相見積もりをしてみてくださいね。
業者 | 水道局指定 | 見積もり | 即日対応 | 作業料金 | 公式サイト |
---|---|---|---|---|---|
イースマイル |
◎ | 無料 | 最短20分 | 8,800円~ | 詳細 |
ハウスラボホーム |
◎ | 無料 | 最短20分 | 6,600円~ | 詳細 |
水110番 |
◎ | 無料 | 最短30分 | 8,800円~ | 詳細 |
各市区町村の水道局から、給水装置工事・排水設備工事を法律法令に基づいてその市区町村内で適正に施工することができる水道業者として認められています。
※水道局指定業者はお住いの市区町村の水道局指定かご確認ください。
※対応エリアは一部市区町村を除く場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。
デザイン性の高い蛇口もあり!「ツーハンドル混合栓」
1つの吐水口に対してハンドルが2つ付いているのが「ツーハンドル混合栓」。水専用のハンドルには青、お湯専用のハンドルには赤の目印が付いた、ちょっとレトロなタイプをイメージする人も多いかもしれませんが、最近ではデザイン性の高い高価な商品も多く登場しています。
一般的なタイプは6,000円程度で手に入りますが、スタイリッシュな商品だと、50,000円以上するものも。水回りのリフォームを考える人には、選ぶ楽しみもありそうです。
- (1)部材費:約6,000円
- (2)工賃:約5,000
- (3)出張料:約5,000円
- 合計:約16,000円
水栓の取り付け穴の数で分類する場合もあり
キッチンにある「シングルレバー混合栓」と「ツーハンドル混合栓」の場合、水栓の形状意外に、取り付け方で分類が変わり、費用に差が出る場合があります。
主な分類は、シンク上の台などに穴を1つ開ける「台付けタイプのワンホール」と、穴を2つ開ける「台付けタイプのツーホール」の2種類。ワンホールは水とお湯の配管を1つの穴にまとめるのに対し、ツーホールは、水とお湯の配管を2つそれぞれの穴に通すという違いもあります。
- <シングルレバー混合栓>
- ■ワンホールタイプの本体価格:約6,000円
- ■ツーホールタイプの本体価格:約2,000円
- <ツーハンドル混合栓>
- ■ワンホールタイプの本体価格:約7,000円
- ■ツーホールタイプの本体価格:約6,000円
この種別が異なる蛇口に変更する場合は、取り付け場所の穴を開け直したりするオプションが追加される可能性が高いです。
バスルームで見かける 「サーモスタット混合水栓」
湯温をコントロールできる、サーモスタット付きのハンドルやレバーが付いているのが「サーモスタット混合水栓」です。浴室のシャワーと一緒になっているタイプが多く、水栓の仕組みがほかよりも複雑なため、本体価格は高め。最低で15,000円前後ですが、機能によっては上位モデルがたくさんあるのも特徴です。
使い勝手も本体価格の差につながるため、価格の安さだけでなく、使いやすいかどうかもチェックすることをおすすめします。
- (1)部材費:約15,000円
- (2)工賃:約5,000円
- (3)出張料:約5,000円
- 合計:約25,000円
関連記事:お風呂の蛇口の調子が悪い!交換にかかる費用や自分で交換する手順を紹介
触らなくても水が出る! 「タッチレス水栓」
最近キッチンで人気が出ているのが「タッチレス水栓」。「グースネック」と呼ばれる丸いフォルムがスタイリッシュなタイプです。蛇口に手をかさずだけで、水を出したり止めたりできるのが最大の特徴で、調理や皿洗いなどで手が汚れていても蛇口を汚すことなく作業ができ、水栓に汚れや水垢がつきにくいのが魅力。
センサーのための電源が確保できなくても、乾電池式タイプがあるので、検討している人はぜひチェックを。
- (1)部材費:約35,000円
- (2)工賃:約5,000円
- (3)出張料:約5,000円
- 合計:約45,000円
電源式のタッチレス水栓を新たに導入する場合は、シンクの下に電源を確保する必要があります。シンクの近くにコンセントがあれば、その配線から増設が可能ですが、冷蔵庫用など、多少距離がある場合は、そこから分岐させてシンク下まで配線する必要があるため、それらの作業や、化粧カバーなどの費用も必要です。
点検口増設や穴あけ工事のオプションも
水栓工事を依頼する際、部材費、工賃、出張料といった項目に加え、追加作業が発生する場合もあります。
例えば「点検口」の増設。給水管や配管のメンテナンス時にのみ開く「点検口」は、化粧板などで目隠ししてあるものですが、住宅によっては、この開口部が用意されていないことがあります。その場合、新たに背板の一部を開口し、点検口を増設するオプション工事が必要に。
また、浄水器の取り付けなどで、シンクやシンク周りのキャビネットに穴を開けなければいけないときも、追加料金やオプションという形で料金がプラスされますので、見積もりの内容は隅々まで確認することをおすすめします。
パッキン交換だけで済む場合もあり
予定外のオプションが発生する場合がある一方で、想定より安く済むケースも。
一般的に10〜15 年が使用期限の目安といわれている蛇口の劣化は、パッと見ただけでは分かりにくいのが特徴。あけてみたらパッキンの交換だけで済んでしまう場合も少なくはありません。その場合、パッキン本体に加え、工賃は一カ所で1,000円前後の場合が多く、出張費の方が高く感じることもあるでしょう。
何度も来てもらうえばその分、出張費がかさみますから、経年劣化が疑われる場合、だいたい同時期に使い始めた蛇口がほかにもあるなら、ついでにまとめて点検、必要であれば修理をしてもらうと無駄なく利用できますよ。
浄水カートリッジの不具合が原因の場合は
キッチンの浄水機能付きの蛇口は、カートリッジが簡単に交換できるタイプと、できないタイプがあります。特に古い型のものや、リーズナブルなタイプだと、簡単に交換できない構造になっているのも珍しくはありません。
この手のタイプは、カートリッジが故障して水漏れを起こすことがありますが、カートリッジが経年劣化を起こしている場合、断熱キャップなど、ほかのパーツも消耗しているケースがあります。この場合、カートリッジだけを交換しても、同じような不具合を起こす可能性が高いので、蛇口本体の寿命ととらえて、新品に交換することを検討すると良いでしょう。
部分交換よりもリフォームをした方が良いケースは?
不具合が軽度であれば、部分的な修理や交換も有効ですが、水まわりが全体的に経年劣化している場合、蛇口を交換した後で、別の部分に不具合が出る可能性も高い状態です。
日々の生活に欠かせない場所で、細かい修理を何度も繰り返すのが嫌だと感じる人は、キッチンや洗面台など、全体を新品に入れ替えてしまうのも一つの手。
価格は選ぶモデルによって大きく異なりますが、スタンダードモデルなら、トイレは10万円から(壁紙別)、洗面台で20万円から、システムキッチンで50万円から、ユニットバスで60万円からがだいたいの相場。何度も不便な思いをしたり、何度も業者を手配したりする手間や、その都度かかる費用を考えつつ、リフォームの見積もりと比較してみるのもおすすめです。
まとめ
せっかくプロに依頼するなら、費用対効果に見合った料金で、信頼して任せられる業者を選ぶのが大切。それさえクリアできれば、無用なトラブルや、余計な出費は抑えられます。
ぜひ慌てず、各社の見積もりや対応を比べてみてくださいね!
まずは無料相談!全国対応&水道局指定のおすすめ業者
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
※記事内で紹介した水道業者様は編集部が独自にリサーチを行い、料金や口コミ等、様々な情報を基に
順位付けをしております。