日本語プログラミング言語「なでしこ」公式サイト

私たちの身近な移動手段として自動車が利用されています。しかし、最近では自動車離れも進んでおり、その理由には、自動車の維持にかかるコストが挙げられます。とは言え、マイカーを手放したなら、それまで車で行っていた所も歩かなくてはありません。そこで、今回は、マイカーを持つべきかどうかを考える助けになるように、自動車の走行時間を入力すると、徒歩で何分かかるのか、また、タクシーを使う場合、いくら費用がかかるのかを計算するプログラムを作ってみましょう。

プログラムを作る前に、基本的なデータを整理しておきましょう。今回のプログラムでは、以下の情報をプログラムに書き込んで計算してみます。

・徒歩の場合:1分間に80m進める、分速80m(全国の不動産会社の基準)
・自動車の場合:1時間に40km進める、時速40km=分速667m
・タクシー料金(東京23区):初乗り1052mまで410円、以後237mごとに80円


それではプログラムを作って、この問題を解いてみましょう。ここでは、まず、自動車で15分走る場合について計算しています。簡易なでしこエディタをWebブラウザで開いて、以下のプログラムを入力して実行してみましょう。

 自動車何分=15 # ---(*1)

 # 基本情報
 自動車時速=40
 徒歩分速=80

 # 計算
 自動車分速=自動車時速÷60×1000 #時速から分速に
 移動距離=自動車分速×自動車何分
 徒歩何分=CEIL(移動距離÷徒歩分速)

 「自動車で {自動車何分}分かかる距離{移動距離}mを
 徒歩で歩くと、{徒歩何分}分かかります。」と表示。

エディタの下にある「実行ボタン」を押して、プログラムを実行してみましょう。

  • 車で15分の場所、歩くと何分か計算してみたところ

    車で15分の場所、歩くと何分か計算してみたところ

自動車を時速40kmで走らせると、15分で10000m(10km)進むことができます。これを徒歩の速度(分速80m)で割ると、125分という答えが出ます。プログラムを読むと、どんな計算をしているのか、一目瞭然でしょう。

『はじき(速さ・時間・距離)』の法則の図

『はじき(速さ・時間・距離)』の法則の図

ちなみに、これは『はじき(速さ・時間・距離)』の法則と呼ばれる公式より求めています。速さは時間÷距離、時間は速さ÷距離、距離は速さ×時間で求められるという公式です。

しかし、車で15分の距離を歩くと125分もかかってしまうのですね。もちろん、信号や渋滞などがあるので、必ずしも正確という訳ではありません。街中を走ることを想定するのであれば、もっと基本情報の自動車の時速を低めに設定する必要があるでしょう。

また、もし、自動車で25分かかる距離を調べたい場合には、上記のプログラムの(*1)の部分の15を25に書き換えて実行してみてください。

タクシー料金も表示しよう

次に、タクシー料金も表示するように、機能を追加してみましょう。 タクシーの料金の場合は、初乗り料金があり、特定の距離数を超えたら、超えた距離ごとに金額が上がっていきます。同じように、なでしこ簡易エディタに以下のプログラムを入力してみましょう。

 自動車何分=15 # ---(*1)

 # 基本情報
 自動車時速=40
 徒歩分速=80
 # タクシー料金に関する情報
 初乗り料金=410
 初乗り距離=1052
 追加料金=80
 追加距離=237

 # 時間計算
 自動車分速=自動車時速÷60×1000 #時速から分速に
 移動距離=自動車分速×自動車何分
 徒歩何分=CEIL(移動距離÷徒歩分速)
 # タクシー料金計算 --- (*2)
 もし、移動距離<初乗り距離ならば
   タクシー料金=初乗り料金
 違えば
   初乗り後距離=移動距離 - 初乗り距離
   タクシー料金=初乗り料金+CEIL(初乗り後距離÷追加距離×追加料金)
 ここまで

 「自動車で {自動車何分}分かかる距離{移動距離}mを
 徒歩で歩くと、{徒歩何分}分かかります。
 タクシーだと、{タクシー料金}円かかります。」と表示。

プログラムを実行してみましょう。すると、以下のように表示されます。

  • タクシー料金の計算処理も追加したところ

    タクシー料金の計算処理も追加したところ

タクシーに乗った場合、15分走ると3431円かかる計算になります。時々乗るだけなら、車を維持するよりも安い料金ですが、毎日のようにタクシーを使う場合は、かなり高い金額になってしまうことが分かります。

正しく動いたら、プログラムの(*1)の数値15を他の数字に変更して実行して見ましょう。表示結果が変わるので、いろいろ試してみましょう。

次に、プログラムを確認してみましょう。(*2)の部分で、移動距離が初乗りの距離を超えているかどうかを、「もし・・・ならば・・・違えば・・・ここまで」構文を使って分岐します。初乗りの距離以下であれば、初乗り料金がタクシー料金となり、それ以上であれば、追加距離(237m)ごととに、追加料金80円がかかるので、その分を初乗り料金に加算するというプログラムになっています。

まとめ

以上、今回は、マイカーを持つべきかどうかを考える上で助けになる計算プログラムを紹介しました。このように、自分で、プログラムを作って試算してみるなら、納得いくまで、費用や時間が試算できる点が良いところです。

当然と言えば、当然ですが、自動車であれば、あっという間に着く場所も、徒歩で行くなら、それなりに時間がかかりますし、タクシーを使う場合も、それなりに費用がかかることが分かりました。とは言え、マイカーを持つ場合、自動車の本体代金、ガソリン代、メンテナンス代、税金と様々な費用がかかりますので、ライフスタイルに合わせて考える必要があります。プログラムにいろいろな数値を設定してみて、比較してみてください。

自由型プログラマー。くじらはんどにて、プログラミングの楽しさを伝える活動をしている。代表作に、日本語プログラミング言語「なでしこ」 、テキスト音楽「サクラ」など。2001年オンラインソフト大賞入賞、2005年IPAスーパークリエイター認定、2010年 OSS貢献者章受賞。技術書も多く執筆している。