『バーニング 劇場版』(2018)などで知られるイ・チャンドン監督の8年ぶりとなる長編新作Netflix映画『もしもの愛』が、一部劇場にて2026年10月23日より配信に先駆け公開が決定した、これにあわせ劇場公開日入りポスター、予告編、本作を上映する劇場リストが公開となっている。
『もしもの愛』は、二組の夫婦があるきっかけで出会ったことで、日常に微細な亀裂をもたらし、抑え込まれてきた感情や関係の綻びを浮かび上がらせるヒューマンドラマ。同時に、社会のひずみが個人の生活に影を落とす現代に鋭い視線を向ける作品となっている。
監督は、『ペパーミント・キャンディー』(1999)『オアシス』(2002)『バーニング 劇場版』(2018)などで知られるイ・チャンドン。本作は、第83回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門、第51回トロント国際映画祭スペシャルプレゼンテーション部門に正式出品され、第99回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表にも選出されている。
キャストには、チョン・ドヨンとソル・ギョングが参加。『私にも妻がいたらいいのに』(2001)『君の誕生日』(2019)『キル・ボクスン』(2023)に続く4度目の共演であり、とりわけ二人が『君の誕生日』以来となる夫婦役に挑む点が注目される。すれ違いゆく夫婦の姿と、言葉にできない心情の揺らぎを丹念に表現する二人は、イ・チャンドン作品と深い縁を持つ存在でもある。チョン・ドヨンは『シークレット・サンシャイン』(2007)で第60回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、ソル・ギョングは『ペパーミント・キャンディー』で国内主要アワードを席巻した。チョン・ドヨンは19年ぶり、ソル・ギョングは24年ぶりにイ・チャンドン監督と再びタッグを組み、長年培われてきた信頼と緊張感が夫婦の関係性に濃密なリアリティをもたらしている。もう一組の夫婦を演じるのは、チョ・ヨジョンとチョ・インソン。『パラサイト 半地下の家族』(2019)『メイド・イン・コリア』(2025〜)のチョ・ヨジョンと、『密輸 1970』(2023)『ムービング』(2023〜)のチョ・インソンは、いずれもイ・チャンドン作品初参加となり、異なる背景を持つ夫婦像に新たな層を加えている。多面的な人間模様を支える重層的なアンサンブルが、本作のドラマ性をいっそう豊かにしている。脚本には、『バーニング 劇場版』でイ・チャンドン監督と共同脚本を手掛けたオ・ジョンミが参加し、二組の夫婦の日常に潜む歪みや欲望を細部まで掬い取るように描き出す。
公開となったキービジュアルでは、四人が同じ画面に並びながらもそれぞれ異なる方向を見つめる姿が配置され、これから始まる物語がどこへ向かうのか、登場人物たちの内面に潜む揺らぎや分岐を静かに予感させる仕上がりとなっている。あわせて公開された予告編は、夜明け前の森を歩くミオクの姿から始まり、ホソクの言葉に涙を浮かべるミオクの表情から、長年積み重なった感情の重さが伝わる。続くドキュメンタリー撮影では、ストライキを語るミオクをホソクが黙って見つめ、その沈黙が夫婦の距離を示す。一方、イェジがサンウに「私はあの人たちを愛そうとしてるの」と語る場面が挿入され、四人の関係が静かに変化していく様子が描かれる。後半には海辺の別荘で過ごす四人の姿も映し出され、思いがけない出会いがもたらす心の揺らぎと物語の行方を予感させる。静謐な映像と繊細な演技が、深い余韻をもたらす予告編となっている。
また、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺など、上映劇場リストも公開された。詳細は「映画館に行こう!」実行委員会のサイトを参照いただきたい。上映館は随時更新予定とのことだ。
■ストーリー
会社を解雇されたホソク(ソル・ギョング)と妻ミオク(チョン・ドヨン)のもとに、ある出来事をきっかけでドキュメンタリー映画監督イェジ(チョ・ヨジョン)とその夫サンウ(チョ・インソン)が訪れる。撮影が始まると、二組の夫婦の生活は次第に重なり合い、それぞれが抱えてきた欲望や感情が静かに姿を現し始める。思いがけず出会った二組の夫婦は、長く胸の奥に沈めてきた思いと向き合いながら、揺れ動く心の深部へと踏み込んでいく。
■出演者(役名:俳優名)
ミオク:チョン・ドヨン
ホソク:ソル・ギョング
サンウ:チョ・インソン
イェジ:チョ・ヨジョン
■スタッフ
監督:イ・チャンドン
脚本:イ・チャンドン、オ・ジョンミ





