伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は8月19日、障がい者雇用を推進する特例子会社であるCTCひなりと共同で、AIデータ分析の事前準備を専門に行うデータ準備(Data Preparation)サービスを提供すると発表した。

CTCが金融業を中心とした顧客から受注したAIやデータ分析などの案件において、ひなりが、データの表記揺れや誤記等を整えるDP作業を行う。

AIを活用する上でハードルとなるデータ準備を専門的に請け負うことで顧客のAI活用に貢献し、AIを含めたIT分野での障がい者の新たな職域の開拓を図る。

同サービスでは、AIで良く使われるプログラミング言語「Python」などを用いて大量のデータを整形する。例えば、「お客様と顧客」「取締役と役員」などの用語の名寄せや、全角と半角を含めた表記ルールを適用するほか、重複した用語の削除や異常値の除去といった作業を実施する。整形したデータを基に分析することで、AIを通した、より精度の高い予測や判断を実現する。

ひなりは、障がいのある社員を支援する社員(サポートマネージャー)と、主に知的障がいがある社員がチームを組み、2020年初頭からPythonによるデータ整形に取り組んできた。CTCの金融分野におけるAIやデータ分析のノウハウに基づく約1年間の試行期間を経て、定型的なデータの整形に関してはエンジニアと同等の技術水準に達しているという。