Samsung Electronicsが米国時間2月11日午前11時に、新スマートフォンの発表会である「Galaxy UNPACKED 2020」を開催しました。既報の通り、フラッグシップスマートフォンの「Galaxy S20」シリーズ、折りたたみスマートフォンの「Galaxy Z Flip」を発表。サムスンのモバイル事業トップの盧泰文(ノ・テムン)氏は、今回がUNPACKEDデビューとなり、新たな10周年の幕開けを印象づけました。

  • 初のUNPACKEDに登場したサムスンのモバイル事業トップである盧泰文(ノ・テムン)氏

超薄型カバーガラスでさらに進化した折りたたみ型スマートフォン「Galaxy Z Flip」

まず、Galaxy Z Flipを発表。Samsung UKのMobile Product Marketing、Rebecca Hirst氏は、女性でも気軽に持ち歩ける折りたたみスマートフォンとして、ポケットから取り出してアピール。「未来のスマートフォンに向けた偉大な一歩」と強調しました。

  • Galaxy Z Flip

  • Rebecca Hirst氏

Flipが特徴的なのは、かつての折りたたみ携帯電話のような縦方向の折りたたみ。6.7インチという大型ディスプレイのスマートフォンながら、折りたたむと手のひらに収まるコンパクトサイズになります。

  • 開いた状態だと一般的なスマートフォン

  • 閉じると、女性のHirst氏でも手にすっぽり収まるサイズに

2019年に発表された折りたたみスマートフォンの「Galaxy Fold」は、ブックタイプの横開きでしたが、今回のはGalaxy Z Flipは縦開き。その形状に加えて新しいのが、ダイナミックAMOLEDディスプレイの表面に配置されたガラスです。もともと、一般的なスマートフォンは表面にディスプレイを保護するカバーガラスが使われています。Galaxy Foldの時点では折りたたみに耐えられるガラスがなかったため、フィルムが使われていました。

  • 折りたたみ型スマートフォンながら超薄型のカバーガラスを採用

Flipではその問題を解決し、折りたたみが可能な超薄型のカバーガラスを採用。これによってディスプレイの耐久性が向上したほか、パンチホール型のインカメラを搭載可能に。ディスプレイの大型化にも貢献したそうです。全面がディスプレイとなる現代的なスマートフォンでありながら、折りたたみを実現しました。

  • 自由な位置で開閉をストップできる構造

Foldでは閉じるか開くしかできなかったヒンジも改良され、折りたたみを自由な位置で止められるフレックスモードに対応。ノートPCのようにテーブルの上にスマホを置いて、画面を立てて見る、という動作が可能です。この状態だとカメラを固定して置けるので、三脚いらずで自撮りや夜景撮影などができます。

  • こうやってテーブルなどに置けば自撮りも簡単

  • ナイトハイパーラプスのような三脚が必要な撮影も可能です

このフレックスモードでは、専用のUIも採用。折りたたみに合わせて分割されたUIになります。カメラを起動すると、上半分にライブビュー、下半分にシャッターボタンなどが表示されます。写真アプリでは、上半分に選択画像、下半分に撮影情報を表示し、左右フリックすると画像送りができます。YouTubeを上半分に表示し、下半分にコメントなどを表示するUIも使いやすそうです。

  • カメラのUI。開いた状態だと普通のUIです

  • 折り曲げた状態だと上下に分割されたUIになり、下半分に操作パネルが表示されます

  • 再生モードでは、下半分に撮影情報を表示したり、下半分を左右スワイプで画像を切り替えたりできます

  • こちらはYouTubeのフレックスモード

グローバルでの発売は2月14日から。価格は1,380ドルとなっています。日本ではKDDIから2月下旬に発売。価格は2月13日時点で明らかになっていませんが、単純に日本円で考えると15万円程度。20万円オーバーだったGalaxy Foldよりは安くになりましたが、それでもハイエンドスマホの価格です。KDDIは「買いやすいようなプラン」を検討しているそうなので、期待したいところです。

加えて、ファッションブランドのTHOM BROWNE NEW YORKとコラボレーションしたGalaxy Z Flipや、完全ワイヤレスイヤホンのGalaxy Buds+、Galaxy Watch Active 2も発表されています。2月14日から予約を開始。発売は3月になるそうです。

これからの10年、「Galaxy S20」シリーズ

続いて、盧泰文(ノ・テムン)氏がステージに登場。モバイル部門のトップ(IT&モバイルコミュニケーションズ部門無線事業部社長)だったDJ Koh氏の後を継いだノ・テムン氏、英語表記はTM Rohとなるようです。

  • Galaxy S20 Ultraを掲げるTM Roh氏

TM Roh氏は「新たな成長と変革の10年をスタートさせる」とし、「今このとき、この場から、モバイルのイノベーション新時代を開始します」と宣言しました。

そうして「Galaxy S20シリーズ」を紹介するTM Roh氏。ステージを撮影していたビデオカメラに近づくと、そこにあったのはGalaxy S20。ステージを撮影して巨大スクリーンに投影していた映像は、ずっとGalaxy S20で撮影していた――というインパクトのある演出によって、カメラ性能をアピールします。

  • 5Gについて説明するTM Roh氏。右端に写っているのがステージを撮影するカメラ。メーカー名を隠したカメラかと思いきや……

  • ケース内にGalaxy S20が入っていて、カメラ機能の映像をステージ上のスクリーンに映したり、配信したりしていたようです

Galaxy S20シリーズは、ノーマルモデルのS20、大型ディスプレイやカメラを強化したS20+、そして「プロレベルのカメラ機能」とするS20 Ultraという3モデルを用意。さらに、Samsungがスポンサーとなっている東京五輪とコラボレーションした「S20+ 5G Olympic Games Athlete Edition」も用意します。アスリートエディションなので参加選手向けですが、東京五輪では選手たちが日本でも5G通信を利用できそうです。なお、現時点でGalaxy S20シリーズの日本発売は明らかにされていませんが、いずれかのモデルの発売は間違いないでしょう。

  • オリンピック参加選手向けのS20+ 5Gも投入されます

Galaxy Sシリーズは2019年のS10で10周年となり、今回は「次のGalaxyの10年」というビジョンのもとで開発されたそうです。説明を引き継いだSamsung US Mobile Product Managementのトップ、Drew Blackard氏は、5GやAIの説明をした上で、Galaxy S20シリーズで重要視した機能としてカメラ機能を紹介します。「世界中のスマートフォンユーザーに、カメラで何が最も重要かと質問したところ、まったく同じ答えが返ってきました。品質、品質、品質です」とBlackard氏。とにかく品質を重視したことをアピールします。

  • S20で重視したのはカメラ機能

Blackard氏は、「完璧な撮影条件下では、素晴らしい写真を撮影できるようになっています」としますが、写真を撮影する状況はさまざまで、必ずしも最高の環境で撮影できるわけではありません。Galaxy S20の中で特にカメラを重視した「Galaxy S20 Ultra」は、そうした課題にチャレンジした製品というわけです。

まずは解像度。高解像度のほうがより精細な写真を撮れます。S20 Ultraは、1億800万画素という超高解像度のセンサーを備えており、写真の一部を切り出しても十分い高精細です。

  • 高画素で撮影されたS20の画像。正面の2人がメインの被写体ですが……

  • 後方に面白いシーンが撮影されていました。これを拡大して、さらにキャプチャし直してもう1枚の画像にできます

  • 高画素を生かした30倍ズームを実現。これはS20/S20+ですが、S20 Ultraは100倍まで対応します

しかし、高解像度になるほど、センサーの画素ピッチは小さくなり、暗所撮影などでノイズが多くなってしまうなどの弊害があります。そこで、9つの画素を1つの画素として扱う「ナノビニング」技術を採用し、S/N比を改善してノイズの少ない明るい写真を撮れるようにしました。

  • S20 Ultraのメインカメラは1億800万画素。9つの画素を1つとして扱って、1,200万画素で撮影するナノビニング技術を搭載します

S20 Ultraはさらに100倍という超望遠ズームが可能です。デジタルズームではありますが、画像処理を駆使することで、通常のデジタルズームより高画質にしているとアピールします。

  • 会場内で撮影。これは標準の画角。ここから奥に見える明るい出入り口にズームしていきます

  • 30倍までズームすると、入口の人が見えるようになりました

  • 100倍まで近づくと文字がここまで拡大されました

  • 撮影したものを再生してみると、ギリギリ「NO RE-ENTRY」と読めそうです

ほかにも、シングルテイクや8K動画撮影機能など、新たな仕組みを盛り込んでいます。これまでGalaxy Sシリーズのカメラは、高画質ながら機能としては比較的シンプルだった印象。今回のGalaxy S20シリーズでは、複数のレンズ、AI、ハードウェアを組み合わせることで、新たなスマートフォンカメラを実現していると感じました。

  • 一度の動画撮影で複数の動画や写真をAIが自動判別して撮影してくれるシングルテイク

  • 8K動画は、現時点ではやや過剰な気もしますが、8K映像の解像度は7,680×4,320ピクセルにもなり、静止画として切り出しでも3,300万画素。30フレームの連写と考えれば、動画から静止画を切り出せばシャッターチャンスを逃しません。こうした考え方はパナソニックのカメラ「LUMIX」(一部機種)なども採用していますが、いち早く8Kに対応した点がポイントでしょう

Galaxy S20に合わせて、GoogleやNetflixとのパートナーシップを強化します。S20の5GモデルはGoogle Duoと電話アプリを統合し、ビデオ電話をフルHD品質で楽しめるなどの機能を搭載します。YouTubeでは、S20で撮影した8Kビデオをアップロードできるようにしました。

  • SamsungのNetflixが協業を強化。オリジナルコンテンツなどを提供します

  • GoogleとはDuoなどで、MicrosoftとはXboxのゲームなどで協業を強化

  • Spotifyとの協業では、新しい完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds+」からコントロールできるようにするといった構想

Netflixは、オリジナル動画をS20ユーザーに提供。動画の撮影はS20で行うそうです。さらに音声アシスタントのBixbyなどを使って、Netflixのコンテンツを簡単に発見できるようにします。

最後にTM Roh氏は、「Galaxy S20から始まるこの10年で、モバイル業界の成長と、人々が世界の体験を変えられると信じています」とまとめ、さらなるGalaxy Sシリーズの進化を強調しました。

  • Galaxy S20シリーズの発売は3月6日から。価格はS20が999ドル、S20+が1,199ドル、S20 Ultraが1,399ドル

  • さらに、Galaxy S10シリーズを値下げ