ソニーは11月20日、人工知能(AI)の基礎的な研究開発を推進し、人類の想像力とクリエイティビティを拡張させるAIの創出を目指して、日米欧グローバルに拠点を置く新組織「Sony AI」を設立すると発表した。なお、代表はソニーの執行役員でありソニーコンピュータサイエンス研究所社長の北野宏明氏、米国拠点の代表にはピーター・ストーン氏がそれぞれ就任する。

Sony AIは、AIの研究開発を加速し、同社グループの擁するイメージング&センシング技術、ロボティクス技術や、映画・音楽・ゲーム等のエンタテインメントの資産を掛け合わせ、すべての事業領域における変革と、新たな事業分野の創出に貢献することを目標としている。将来的には同社の事業ドメインの枠を超えて、世界規模の課題解決に対する貢献へとつなげていくことも目指す。

Sony AIは物理的実世界領域と仮想領域において、フラッグシップ・プロジェクトならびにそれ以外のAI倫理なども含む重要テーマに関連する各種探索的研究を推進するという。フラッグシップ・プロジェクトは、ゲーム、イメージング&センシング、ガストロノミーの三領域から開始し、特にゲームやイメージセンサにAI技術を応用することは、同社のさらなる企業価値向上にもつながると考えており、同社グループ内の当該事業会社と連携し、研究開発を推進していく。

同社は、これらプロジェクトの具現化や独創的な研究の推進に向け、今後グローバルから優秀なAIリサーチャー、AIエンジニアを招聘、採用していく。Sony AIでは、真に革新的なイノベーションは多様な人材から構成されるチームと多様なアプローチによってもたらされると考えており、これを反映した組織運営を行う。

また、AIの強力な影響力を理解し、公平で透明性があり、アカウンタブルで安心・安全なAIの開発で社会に貢献することを目指す。