東大発ベンチャーのCO2資源化研究所は5月30日、ポリエチレンの原料となるエタノールを、CO2から製造する手法の特許を取得したと発表した。

同社は、近年、研究が活発に進められている水に溶けにくい無機質ガスを栄養に増殖する細菌の中でもCO2を栄養源として増殖する水素酸化細菌「UCDI水素菌」とバイオ技術の組み合わせによる産業活用を進めており、すでにバイオジェット燃料の原料となるイソブタノールの製造に関する特許については2018年12月に取得済みで、今回の特許取得はそれに続くものとなる。

ポリエチレンは、スーパーのポリ袋や食品トレーなどの原料として活用されているが、そのほとんどが石油由来であり、環境負荷が大きいことが知られている。一部、バイオポリエチレンとして、サトウキビの廃糖蜜からバイオエタノールを作り、そこから取り出したエチレンを基礎材料として利用するといった動きもあるが、生産量の問題など課題があった。こうした中、細菌を活用したCO2ポリエチレンは、脱石油100%の素材として利用することができるため、今後、さらなる技術開発を加速し、脱石油社会の実現を目指して産業化を図っていくと同社では説明している。

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