Appleと言えば、ハードウエア製品から収益を上げる企業でしたが、この数年でサービス事業が台頭し、iPhoneに次ぐ規模に成長しました。サービス事業を1つの企業と見なすと、売上高でFortune 100にランクインできる規模です。
2017年にAppleが米証券取引委員会 (SEC)に提出した報告書では、随所で新たに「サービス」に言及しています。例えば、研究開発投資に関して「革新的な製品とサービス、技術の開発と販売に不可欠」と記述しており、Apple製品のエコシステムを繁栄させるために同社がサービスを重視していることが分かります。
サービス事業の稼ぎ頭となっているのがApp Storeです。昨年は、柔軟な価格設定、月額制アプリの適用範囲拡大や利益配分の変更、32-bitアプリの動作制限など、1年を通じて改革を進められてきました。コンテンツ事業も、Apple Musicを中心に順調に成長しています。噂されたTVサービスは実現しませんでしたが、「Planet of the Apps」や「Carpool Karaoke」などオリジナルコンテンツの配信を開始。秋に「Apple TV 4K」を発売し、iTunesでも4K HDR対応コンテンツの提供を開始しました。
小売店は"人々が集まる場"にシフト
iPhoneほど目立っていませんが、iPhonenに劣らないほどの大胆な変化が進められているのが直営小売店です。製品を販売し、サポートを提供する単なる小売店ではなく、人々が集まる場として広く地域コミュニティに浸透する「タウンスクエア」という新構想を公表、同構想に基づいてゼロから設計した新しいフラッグシップ店をシカゴ市にオープンさせました。
Appleの直営店は平方フィートあたりの売上高で引き続きトップを維持していますが、米国で店舗型小売りが低迷する中、Appleは次世代の店舗型小売りへとシフトする改革を進めています。
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