富士通ではWeb会議、動画によるeラーニング、社内SNSといったICTを積極的に活用している。Web会議は会議のための移動時間等を削減するためのもので、職場における活用は定着している。動画の利用は社長メッセージなどをはじめとして会社側の考えを伝えるツールとしての利用が主だという。

「社内SNSはプロジェクト管理など業務のための利用が一番多いですが、サークル的なものもあります。またエンジニアの集まる技術コミュニティや、働く女性コミュニティなども作られています」と佐竹氏。社内のコミュニケーション場所として広く使われているようだ。

ICT活用の効果(2月28日の行われた記者発表より)

「他には、IDリンク・マネージャーⅡというPCの使用時間がわかるツールを利用しています。勤怠管理が打刻制なのですが、これによってPC利用時間とのギャップの見える化が図られます。また、本ツールは、残業申請を行う機能もあり、時間を意識した働き方を後押しします。」(永楽氏)

作業量や納期の関係から残業が必要になる時には、あらかじめツールを利用して上司に作業時間の見積もりを伝え、許可を得てから残業する仕組みだ。作業をしていたら結果的に終わらなかったから終わるまで残業する、というような働き方を認めないことは、個人の効率的な働き方の追求や意識改革にもつながりそうだ。

IDリンク・マネージャーⅡ

「生産性向上のために、一人一人の時間意識を高めたいのです。テレワークはそのための手段ですが、それ以上に大切なのがマインドの変化です。しっかりと取り組みの趣旨や狙いを伝えていこうとしています。また、深夜労働については育児中の社員などから時間的に余裕のある深夜帯を使いたいという要望もあるのですが、健康に差し障りのない範囲を今後見極めて考えたいところです」(佐竹氏)

富士通が導入したテレワーク制度概要(2月28日の行われた記者発表より)