UQコミュニケーションズは23日、都内で新事業戦略に関する記者発表会を開催した。これまではWiMAXを基軸としたデータ通信が主力のキャリアという印象だったが、これからはスマートフォンにも力を入れていくと表明。三大キャリアとMVNOの間をつなぐ第三の選択肢としての魅力をアピールしていく。

UQブランドが1社に統合

「UQ」と名のつくサービスは「UQ WiMAX」と「UQ mobile」の2つが存在し、一般ユーザーにはちょっとわかりづらい点がある。そこで、まずはUQブランドの推移を整理してみよう。UQコミュニケーションズは元々、WiMAX規格による無線データ通信専業の企業として、KDDIの100%出資子会社として2007年に設立された(当初の名前はワイヤレスブロードバンド企画株式会社)。2008年にインテル、JR東日本、京セラなどの資本参加を受けて現在のUQコミュニケーションズに社名を変更したという経緯がある。ちなみに初代社長は現KDDI代表取締役社長の田中孝司氏だ。

この日のプレゼンテーションを行ったUQコミュニケーションズの野坂章雄社長

UQコミュニケーションズは「UQ WiMAX」ブランドのもと、2009年からWiMAXサービスを、2013年からWiMAX 2+サービスを開始してきたが、2014年にKDDIが設立したMVNO会社「KDDIバリューイネーブラー」(KVE)に「UQ」ブランドを提供し、KVEは「UQ mobile」というブランドで事業を展開することになった。

その後、量販店店頭での営業協力も行うなど密接な関係を築いてきたが、2015年10月に両社が合併。それまでデータ通信専業だったUQコミュニケーションズが、UQ mobileブランドにおいてauのMVNOというかたちでスマートフォン事業も扱うようになり、2016年2月からは「ピッタリスマホ」を開始するなど、積極的な展開を見せている。一度は2社に分かれてわかりづらかったUQブランドが、再び1社にまとまって、データ通信専業の「WiMAX」と、スマートフォン中心の「mobile」になっている、と考えればいいだろう。

UQ mobileについてUQコミュニケーションズが説明するのはこれがほぼ初のこと。KVEの慌ただしい創立と合併があったためにますますわかりづらいが、現在はすべて1社にまとまった