多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『格安SIMにMNPするとき陥りやすい罠があるの?』という質問に答えます。

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いわゆる「格安SIM」は、携帯電話会社から提供を受けた回線を再販売する形の通信サービスです。大半の企業は番号ポータビリティ(MNP)に対応していますから、現在の携帯電話番号を変えずに移行できますし、ショートメッセージ(SMS)も利用できます。

しかし、どのMVNO企業も原則としてキャリアメール(MMS)を提供しません。格安SIMにMNPすると、これまで利用してきたメールアドレス(@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなど)は利用できなくなります。例外的にUQ MobileがMMSサービスを提供していますが(XXX@uqmobile.jp)、利用できる端末はGalaxy S5やarrows M02など少数です。

キャリアメールが使えなくなっても問題ない、廃止されてもGmailなど代替サービスを利用するからだいじょうぶ、と油断してはいけません。送信元のメールアドレスとしてMMSを利用していた相手はいなかったかどうか、MNP前にいちど自分のメールボックスをチェックしてみましょう。

なぜなら、いまだにキャリアメール以外のメールを受信拒否しているユーザが大勢いるからです。MNP完了後、すなわちキャリアメールが使えなくなったあとに新しいメールアドレスで挨拶メールを送信すると、メールサーバに受信が拒否された旨のメッセージが多数戻ってくることでしょう。

メール(MMS)だけではありません。ログインが必要なサービスのIDとしてキャリアメールのアドレスを利用していた場合、MNP完了後に変更しようとしても確認メールが届かないなどの理由で、変更が難しくなることがあります。

格安SIMにMNPする場合、キャリアメールを利用して友人・知人にメールアドレス変更の告知を済ませておくこと、ユーザIDとしてキャリアメールを使用している場合他のアドレスに変更しておくことはマストです。あとから対処しようとするとかなり面倒なことになるため、くれぐれも注意してください。

格安SIMにMNPする場合、事前にメールアドレス変更の連絡やID変更手続きを済ませておきましょう(写真はイメージです)