――関取高行前社長、赤羽良介副社長との役割分担はどうなりますか。
関取氏は、2015年6月8日付で取締役副会長に就任しましたが、現在はオペレーション担当取締役執行役員であり、8月には取締役も退任します。関取氏は、ソニー時代にオペレーション分野においては数多くの実績を持っていますから、その実績を現場で生かしてもらうことになります。
具体的には、量販店ルートおよび海外事業におけるサプライチェーンの構築を指揮してもらうことになります。これは非常に大切な仕事です。一方で、赤羽氏は、これまで同様にものづくりのトップとしての役割を担います。設計部門を統括するのが赤羽氏となり、生産部門を統括するのが、執行役員専務に就任した今井透氏になります。
――関取前社長の新たなポジションは、降格人事に受け取れますが。
1年目は、会社の姿や形を作るということで、関取氏の役割が極めて重要だったわけです。2年目には、副会長という閑職にいるのではなく(笑)、まだ若いですから、関取氏の強みが生かせるところで、活躍してもらいたいのです。
――大田社長が、これまでに社長を務めたサンテレホンやミヤコ化学には、VAIOに出資している日本産業パートナーズが出資していましたね。そうした流れでの社長就任ということになりますか。
外からはそう見えるかもしれませんが、それはまったく違います。ファンドから来た社長は、ファンドの言うことしか聞かないという場合が多いですが、私はそうではありません。私はファンドに対してもはっきりと物を言いますから。
むしろ、私の役割は、VAIO株式会社のなかから、ファンドを追い出すことだと思っています。日本の事業会社による新たな株主を得るか、あるいはIPO(株式新規公開)するか。いま私は62歳ですが、VAIOの社長として、このどちらかを必ずやり遂げる覚悟です。
それまでは辞めません。ファンドが出資している会社の社員は、先が見えないという不安を常に持っています。それを早く払拭したい。そう考えています。