――PC事業については、どんな姿勢で取り組みますか。
社内での予算目標はありますが、単に台数を追求したり、価格競争に挑む考えはありません。まずは収益性を改善することを優先します。ですから、対外的には目標値は発表しません。かつては年間30万台という目標値を出していましたが、それもこれからはあえて打ち出しません。
それよりも、VAIOの強みが生かせる独自の「ゾーン」で戦うことを優先したい。VAIO Zで実現する「Zゾーン」と、ビジネス向けの「PROゾーン」、そして、一般エントリーの「Fitゾーン」という3つのゾーンに、VAIOの特徴を打ち出せる製品を投入し続けていきます。
――タブレット事業についてはどう捉えていますか。
これはPC事業に含めて考えていますが、高付加価値路線だけでなく、第3四半期以降には、低価格タブレットの投入も検討しています。ただ、PC事業全体のなかでの構成比はそれほど大きくはならないと考えています。Androidもお客様の要望によってはやっていきたいと考えています。
――一方で、スマホに関しては、今後はどうしますか。
これも前向きにやっていくつもりです。ただ、ブランド貸しだけで終わってしまうようなビジネスはいけないという反省があります。やるのであれば、自分で主体性を持って、設計、製造をした上で、VAIOブランドで展開していくものになります。Windows Phoneも前向きに検討していますよ。ただ、Windows Phoneは行けるのか、行けないのか、社内でも意見が分かれています。ビジネスシーンでは親和性があると思いますから、そのあたりをターゲットにしたいですね。今後は、スマホ事業の取り組みに向けて、通信関係の技術者を社内に増やしていくつもりです。