――安曇野FINISHなどの生産、品質保証体制は、今後、どう進化させますか。
安曇野FINISHは今後も続けます。長野での生産体制も軸であることに変わりはありません。今後は、内製の比率を高めていくというのが基本方針です。
しかしその一方で、ODM先の発掘と選別も進めていきます。ODMは常に新たなところを発掘していく必要があります。いまのVAIOの発注数量では、VAIO独自のものを作ってくれないのが実態です。エントリー領域では、ODMの活用が不可欠ですし、リスクを回避するためには2、3カ所のODMと契約しておく必要があります。同時に、VAIO独自のものが作れるような取引先も発掘していかなくてはなりません。
安曇野FINISHを軸にしながら、ODM生産も指向していくことになります。(編注:ODMとは、Original Design Manufacturingの略語。委託者のブランドで製品を設計・生産すること)
――VAIOの社長として目指していることはなんですか。
繰り返しになりますが、まずは自立することです。定量的には、来年度第1四半期(2016年6~9月)には、毎月、営業利益を黒字化できるようにしたいですね。これを達成すれば、組織の雰囲気も自然と変わってくると考えています。
2017年度には、「立派な会社になった」と言われるようにしたいですね。自分で飯が食べられて、税金を払って、社会貢献する企業になりたい。それが達成できたら、PC市場においては、VAIOにしかできない自分の「ゾーン」を作りたい。それを探し出していきたいですね。
3年後には、「世界のVAIO」として再び輝かせたい。これまでは製品はいいが、儲からない体質であり、ソニー時代から事業そのものが評価されていない。VAIOは製品もいい、そして、同時に会社としてもすばらしいと言われるようになることが目標です。