Radeon R9 Fury

6月16日の発表時には一切詳細が明らかにされなかったのが、R9 Furyである。そのR9 Furyであるが、どうもReferenceにあたるものは存在しないようで、Cutomized partner boardsのみが存在するようだ(Photo10)。

Photo10:ReferenceはFury XとNanoのみで、Furyはボードメーカー任せ、という形になるのかもしれない。いままでのAMDにはない、ちょっと珍しいパターンである

そのCutomized partner boardsであるが、今回紹介されたのはSAPPHIRE TRI-Z Radeon R9 Fury(Photo11,12)とASUSのStrix Radeon R9 Fury(Photo13,14)であり、この2枚が1st Launch Productになる模様だ。ただ、後追いで各社から製品は出てくるとは思われる。

Photo11:SAPPHIRE TRI-Z Radeon R9 Fury。微妙に2スロット幅を超えている気がする

Photo12:内部構造はこんな具合らしい。カードサイズそのものは小さいがクーラーがかなり大型だ

Photo13:Strix Radeon R9 Fury。こちらは高さがちょいオーバー気味

Photo14:内部構造についてはかなり簡単な説明に留まっている

ちなみにそのR9 Furyであるが、R9 Fury Xとダイそのものは同じだ。ただし、CU数を64→56に減らした関係でSP数は3584基になっている(Photo15)。また、動作周波数も最大1050MHz→最大1000MHzへと引き下げられている。このほかの細かいスペックはこちら(Photo16)を参照してほしいが、純粋にSP数と動作周波数が違う以外のスペックは、Fury Xと共通で、TBP(Typical Board Power)も275Wとなっている。

Photo15:ダイそのものは当然同一のものだ

Photo16:SP数と動作周波数が減っている以外は基本的違わない

さて、今回評価に利用したのはASUSのStrix Radeon R9 Furyである。厚みは一応2スロット幅に収まっている(Photo17)が、高さは明らかにはみ出している(Photo18)。3連ファンを収めるため、長さはかなりのもので(Photo19)。裏面はパネルに覆われているが、そこからいろいろとはみ出しているのが分かる(Photo20)。

Photo17:外装はやや立体的だが、厚みそのものはきっちり抑えられている

Photo18:後端までヒートシンクが伸びているのがわかるかと思う

Photo19:カード長は300mm(実測値)

Photo20:ややテカテカしているのは保護フィルムを剥がしていないためである

ちなみにこの裏面パネルの高さはおよそ128mm、表側のカバーの高さは135mm、上に突き出しているヒートパイプの高さは140mm(いずれも実測値)で、小さめのケースには収まりそうにない。重量は1082g(実測値)であった。電源は8pin×2(Photo21)。またパネル側はHDMI×1、DisplayPort×3以外にDVIが用意されているのが特徴である(Photo22)。

Photo21:この電源コネクタがカバーの影に隠れている関係で着脱しにくいのが同社製品に共通する僅かな欠点である

Photo22:DVIコネクタにはカバーを被せている関係で黒っぽくなっている

ちなみにパッケージ表面はこんな感じ(Photo23)。裏面(Photo24)には分解図(Photo25)も示されていた。こちらもGPU-Z(Photo26)とCCCのハードウェア情報(Photo27)を示しておく。

Photo23:0dBをうたうだけあって、確かに騒音は殆ど気にならなかった

Photo24:電源は8-phase構成の模様

Photo25:さすがに今回分解がちょっと憚られたので、こちらの写真で。基板は結構ゆとりがあるように思える

Photo26:シェーダが3584に減っており、これにあわせてTMUが256→224基になったため、Texture Fillrateも268.8GTexel/s→224.0GTexel/secになっている。ROPは64基のままである

Photo27:動作周波数は下げられていることが分かる