米AMDは16日(現地時間)、米国で開催中の「E3 2015」に合わせて、記者説明会を開催し、"Fiji"の開発コード名で知られていた次世代GPU「Radeon R9 Fury」シリーズを発表した。

A New Era of PC Gamingと題してイベントを開催

「Radeon R9 Fury」はビデオメモリに広帯域メモリHBM(High Bandwidth Memory)を採用した製品。DRAMダイを積層し、GPUと同一のパッケージに収めることで、GDDR5メモリと比較して、電力当たりの性能は3倍に向上するほか、実装面積を大幅に削減することができるという。一方、製造プロセスは従来と同じ28nmプロセスを採用する。

HBMを採用したパッケージのイメージ

「Radeon R9 Fury」シリーズとして、液冷の「Radeon R9 Fury X」、空冷の「Radeon R9 Fury」、6インチの短尺モデル「Radeon R9 Nano」、デュアルGPUモデル(名称不明)の4モデルをラインナップする。

Radeon R9 Fury X

Radeon R9 Nano

Radeon R9 Nanoを持つ米AMD CEOのリサ・スー氏。Radeon R9 Nanoが小型ということが分かる

前世代と比較してRadeon R9 Nanoは2倍、Radeon R9 Fury Xは1.5倍の電力性能比を実現するという

このほかにラインナップとして、デュアルGPU仕様の製品も予定する

このうち、「Radeon R9 Fury X」は6月24日に649ドル、「Radeon R9 Fury」は7月14日に549ドルで発売するという。また、「Radeon R9 Nano」は2015年夏、デュアルGPUモデルは2015年秋に投入される見込み。

「Radeon R9 Fury X」のスペックはSP数が4,096基(64Compute Units)、動作クロックが最大1,050MHz、メモリは4GBのHBMで、インタフェースは4096-bit、メモリバンド幅は512GB/s、補助電源は8ピン×2。このほかのモデルについて、スペックは明かされていない。

また、AMDは説明会の中で「Radeon R9 Fury」シリーズを搭載した小型フォームファクタのゲーミングPC「Project Quantum」も公開した。「Project Quantum」は2つのボックスを上下につないだようなデザインで、下のボックスにシステムを収め、上のボックスは冷却に使用するとしている。

Project Quantum

Project Quantumを手に持ったところ、おおよそ据え置き型のコンソールゲーム機と同じくらいの底面積だろうか