フラグシップテクノロジーズは、Zenlok(ゼンロック)が開発した次世代E-Mail暗号化ツール「Zenlok Zip ゲートウェイ」の販売を本格的に開始する。

Zenlok Zip ゲートウェイは、天才ハッカーと呼ばれるケビン・ミトニック氏が、テクニカルアドバイザーとして参画し、開発した製品。これまでのメール暗号化技術では不可能とされていた、個人情報、預金情報、医療情報、請求書情報など機密情報のメール送信を可能にする新世代の暗号化システムとして、今年5月の発売以来、注目を集めている。このほど、ASPサービス方式での販売を開始するほか、フラグシップテクノロジーズを通じて、主にエンタープライズ分野への販売促進を図る。

Zenlok Zip ゲートウェイでは、Zipファイルを複号するためのパスワードを、公開鍵(PKI)方式で暗号化。受信者は、秘密鍵でパスワードを復号する方式を採用。また、Zip暗号化を、ゲートウェイ方式により全自動化することで、送信者も受信者も、復号用ソフトをインストールするといった作業が不要になる点も特徴。さらに、開封確認機能の搭載や、未読、既読に関わらず、送信したパスワードのメールをキャンセルできる機能も搭載しており、誤送信によって発生する情報漏洩を防止できるようにした。

Zenlok Zip ゲートウェイの送信の仕組み

Zenlok Zip ゲートウェイの受信の仕組み

開封確認機能の概要

送信者側では、Zenlok Zip ゲートウェイが26桁のパスワードを自動的に生成して送信。一方で、受信者に送られてきたメールは、送信者のアドレスと、件名、添付ファイルが見えるだけだが、リンクをクリックすると、パスワードを取得でき、これをZipファイルに入力して復号化して、メールや添付ファイルを閲覧する。

メールにはパスワードを入手するサイトのURLと、メールの内容がZipファイルで添付される

クリックするとパスワードを入手するサイトが表示される

入手したパスワードを添付Zipファイルに入力

パスワードをそのまま転送しても、第三者は閲覧できない。送信者側は、管理者画面で、リコールの有効化、開封確認メールの送信、メッセージの暗号化などの設定が可能となっている。

開封確認と、誤送信のリコールの手続きを行った際の画面

リコール処理がされたあとはパスワードが読みとれずにZipファイルが開けない

またメールには、受信者側が混乱しないように、定型文として、誰から送信されたものであるといった内容や、これが暗号化されたメールであることの説明、さらには企業の姿勢として暗号化メールを採用していることなどを掲載できるようになっている。

送信されたメールには、定型文を掲載できるようにしている