アクセンチュアは3月9日、女性社員のキャリアアップ支援に関する社内イベント「International Woman's Day」を開催した。同日に開かれた記者発表会では、同社の女性社員のキャリアアップ支援への取り組み、同社が協賛したNPO法人「GEWEL」が行った「ビジネスパーソンの働く意識調査 2008」の結果が発表された。同調査によって、「男性に比べて、自分の能力に自信がなく、職場で自分の価値が認められていないと感じる女性が多い」などの課題が明らかになった。

課題は女性社員のキャリアビジョンとワークライフバランスの確立

まず、アクセンチュアでエグゼクティブ・パートナーであり、同社の女性社のキャリアアップを推進する社内活動「Woman's Initiative」の総責任者を務める本井稚恵氏が、今期の同活動について説明した。

アクセンチュア エグゼクティブ・パートナー 本井稚恵氏

昨年度の主な活動としては、「管理職の意識改革」と「福利厚生の見直し」が挙げられた。管理職に対しては、日本オフィスが独自で立ち上げた「ダイバーシティトレーニング」を実施したという。同トレーニングでは、女性に対するコミュニケーションに関するテーマに基づき、「女性役」「男性役」「客観的に見ている人」という3者によるロールプレイングが行われる。「実のところ、このトレーニングは男性の管理職から不興を買うのではないかと内心ビクビクしていたが、トレーニングのアンケートで満足度が高いという結果が出てホッとした」(本井氏)

また、同社のワークスタイルにふさわしいかどうかを基準に、既存の各種福利厚生制度の見直しが実施された。その結果、「ベビーシッター補助金制度の導入」、「短時間勤務のルール改定(子供が12歳まで、かつ、分割での取得が可能になった)」、「制度を周知するコミュニケーションの開始」が行われた。

今後は、同社の女性社員がライフスタイルの変化を課題とすることなく、長期的なキャリアビジョンを描けるように、「キャリア・ショーケースの確立」や「女性のキャリア育成トレーニング」などに力を入れていくという。