「給与計算を手作業でやるのはかなり手間がかかる。給与計算ソフトウェアを使ったことがある方なら、非効率さが分かるはず」――田村会計事務所 所長の肩書きを持つ田村純 税理士は、給与計算業務に対する考えをこのように話す。

田村会計事務所 所長 田村純 税理士

田村会計事務所は顧客に対し、ソフトウェアを活用した自計化を率先して勧めている会計事務所だ。「月次試算表をすぐに確認でき、必要に応じて経営方針を見直せる点が一番のメリット」と話すとおり、経営者視点で会計業務を考え、多くの企業をサポートしている。特に給与計算は同事務所が得意とする分野である。

その田村会計事務所の所長を務める田村氏は、給与計算ソフトウェアの有効性について、手計算の場合と比較しながら、次のように続ける。

「例えば、社員数10名程度の企業でも、手作業で給与を計算し、給与明細書を作成し、社会保険料の計算、所得税の計算、給与台帳の作成となると結構な手間が掛かる。それに対し、給与計算ソフトウェアを使うと簡単にかつ効率的に計算ができる。年末調整も格段に楽になるし、社会保険料の計算、所得税の計算等の計算間違いなどの単純ミスもなくなる。また、会計事務所側もチェックがしやすくなるなど、得られるメリットは非常に多い」(田村氏)

では、導入に踏み切れない企業が少なくないのはなぜなのか。その理由について、田村氏は「おそらく"食わず嫌い"だろう」との見解を示す。

「給与計算ソフトウェアを利用するには、『会社マスタ』や『個人マスタ』などの登録作業が必要になるが、ITが苦手な方の中にはこうした用語を聞いただけで抵抗感を抱く人も少なくない。しかし、実際には経験すればすぐ使えるようになるし、私達でサポートすることもできる。難しく考える必要はないのだが……」(田村氏)

以下では、そうした"食わず嫌い"の方を対象に、給与計算ソフトウェアの導入メリットについて、給与計算業務の詳細に触れながら具体的に説明していこう。田村氏の話を聞けば、その"おいしさ"を理解していただけるだろう。