前回はPower Automateを使ってGmailで新規メールを作成した。続く今回は、件名やメール本文を自動で入力する方法を取り上げる。さまざまなアプリケーションにも応用が効くので、ぜひ実際に試していただきたい。

メールを新規作成するフロー

まずは前回のおさらいをしよう。新しく作ったフロー「Gmailメール ◯◯報告メール」を起動して実行する。

  • Power Automate「Gmailメール ◯◯報告メール」を実行

    Power Automate「Gmailメール ◯◯報告メール」を実行

実行すると、次のようにMicrosoft Edgeが起動してGmailの新規作成を行い、宛先を入力した状態まで操作が進む。

  • 新規メール - 宛先まで入力された状態

    新規メール - 宛先まで入力された状態

今回はさらにアクションを追加して、件名と本文を自動で入力する。

件名と本文を自動入力するアクションを追加

アクション「Webページ内のテキストフィールドに入力する」を選択する。

  • アクション「Webページ内のテキストフィールドに入力する」を追加

    アクション「Webページ内のテキストフィールドに入力する」を追加

前回と同じように「UI要素」→「∨」→「UI要素の追加」を選択し、「UI要素ピッカー」を起動する。

  • Webページ内のテキストフィールドに入力する:「UI要素」→「∨」を選択

    Webページ内のテキストフィールドに入力する:「UI要素」→「∨」を選択

  • Webページ内のテキストフィールドに入力する:「UI要素」→「∨」→「UI要素の追加」を選択

    Webページ内のテキストフィールドに入力する:「UI要素」→「∨」→「UI要素の追加」を選択

  • UI要素ピッカー

    UI要素ピッカー

先ほどPower Automateで起動したGmailの画面から「宛先」にフォーカスし、下記スクリーンショットのように選択された状態で「Ctrl」+「右クリック」を押す。

  • 「宛先」を選んだ状態で「Ctrl」+「右クリック」を押す

    「宛先」を選んだ状態で「Ctrl」+「右クリック」を押す

宛先のUI要素を選択したら、そこに入力する文字列を書く。ここでは次のようなテキストを入力している。

  • 「宛先」に入力する文字列を書いておく

    「宛先」に入力する文字列を書いておく

ここで「保存」を押せば宛先の自動入力アクションは完了だ。

  • 「宛先」に自動入力するアクションを追加完了

    「宛先」に自動入力するアクションを追加完了

これと同じ要領で「本文」に対しても選択と入力を行う。次のようになれば準備は完了だ。

  • 「本文」に入力するアクションを追加

    「本文」に入力するアクションを追加

  • 「本文」に入力するアクションを追加した状態

    「本文」に入力するアクションを追加した状態

ここまで作成したら保存しておく。

動作確認とデバッグ

この状態で「▷」を押して作成したフローを実行してみよう。次のように「宛先」「件名」「本文」が入力された状態のGmail新規メールが表示される。

  • フローの実行結果サンプル - 改行が消えている

    フローの実行結果サンプル - 改行が消えている

完成したように見えるが、上記結果には問題がある。まず、本文に改行が入っていない。

入力したテキストは改行されているが、アプリケーションに貼り付ける段階で改行が消えてしまった。Power Automateの「Webページ内のテキストフィールドに入力する」アクションも同じで、改行が削除されている。

さらに何度か実験すると、次のような入力になるケースも確認できる。

  • フローの実行結果サンプル - 改行が消えているし、入力される文字列もめちゃくちゃになっている

    フローの実行結果サンプル - 改行が消えているし、入力される文字列もめちゃくちゃになっている

先に答えを書いておくと、日本語入力の「ひらがな」入力などが有効になった状態でこのフローを実行すると、こうした結果になることがある。

日本語入力が有効になった状態でキー入力が行われるので、上記スクリーンショットのような入力になってしまうのだ。

問題解消1 - めちゃくちゃな入力を回避

日本語を使う限り、今回のような問題に遭遇する。ただし、この問題は「Webページ内のテキストフィールドに入力する」のオプションを変更することで回避できる。まず、「Webページ内のテキストフィールドに入力する」のダイアログを表示させ、「詳細」をクリックする。

  • 「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「詳細」をクリック

    「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「詳細」をクリック

デフォルトでは「物理的にキー入力を行ってテキストを入力する」が有効になっている。今回のケースではこの機能を無効にする。

  • 「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「詳細」→「物理的にキー入力を行ってテキストを入力する」を無効化

    「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「詳細」→「物理的にキー入力を行ってテキストを入力する」を無効化

このようにオプションを変更してから「▷」を押すと、次のようにめちゃくちゃな入力は回避できる。

  • めちゃくちゃな入力を回避

    めちゃくちゃな入力を回避

問題解消2 - テキストの改行入力を行う

次は改行だ。これも先に答えを書くと、改行して欲しい部分に「<br>」と書いておく。これで想定した動作になる。「Webページ内のテキストフィールドに入力する」の「テキスト」を次のように変更すればよい。

  • 「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「テキスト」で改行して欲しい部分に<br>と書く

    「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「テキスト」で改行して欲しい部分に
    と書く

  • 「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「テキスト」で改行して欲しい部分に<br>と書く

    「Webページ内のテキストフィールドに入力する」: 「テキスト」で改行して欲しい部分に
    と書く

ここまで変更したら「▷」を押して動作を確認すると、次のような結果を得ることができる。

  • 本文もちゃんと入力されたGmailの新規メール その1

    本文もちゃんと入力されたGmailの新規メール その1

  • 本文もちゃんと入力されたGmailの新規メール その2

    本文もちゃんと入力されたGmailの新規メール その2

本文も改行された状態で入力されており、かなり欲しい状態まで近づいていることがわかる。

たった4つのアクションでメールを自動作成、さらにここから改良していく

ここまでに作成したフローは4つのアクションで構成されている。もし事務処理がメインで定型的なメールを送ることが多いのであれば、これだけでもかなりの業務を自動化できるはずだ。

定型的なメールは、過去のメールをコピー&ペーストして多少の編集をして使い回すというのが現状だと思うが、この方法だと編集のし忘れなどによっておかしなメールを送ってしまうことがあるだろう。Power Automateを使うと、この処理も自動化してヒューマンエラーを回避できるようになる。次回は、より細かい部分まで自動化できるようにしていく。