ウェポン・システムの分野において顕著な傾向だが、航空機の分野では軍民を問わず、多国間の共同プログラム事例が増えている。開発・製造にかかる経費と時間が増大する一方であり、ひとつのメーカー、あるいは1つの国だけではリスクを負いきれない場面が増えている事情が背景にある。これがサプライチェーンの構築にも影響している。

出資に応じた分け前を

共同プログラムにおける基本的な考えは、参加するメーカー、あるいは国がそれぞれプログラムに対して資金を投下して、研究開発・設計を行う。そして量産に至った場合には、出資比率に応じて、各国のメーカーが製造を分担する形になる。

当たり前といえば当たり前だが、多く出資して多くのリスクを負えば、その分だけ多くの製造分担という分け前を得られることになる。

その結果として、国際的なサプライチェーン網が構築されることになる。以前にも、第341回でF-35の事例、あるいは第349回でV2500エンジンなどの事例を引き合いに出して、国際的なサプライチェーン網の話については言及した。しかしワークシェアの話はあまり突っ込んでいなかったので、今回はそこに焦点を当ててみる。

ユーロファイター計画におけるワークシェア

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