Microsoftは2025年5月5日、長年提供してきたSkypeのサービスを終了し、Microsoft Teamsへの移行を案内した。Teamsには個人向けの無料版も用意されているが、業務利用を中心に発展してきたアプリが、Skypeの代わりとして適切なのかという疑問もある。

Windows Latestは10月28日(現地時間)、「Windows XP had built-in video calls 25 years ago, and Microsoft has been killing its replacements ever since」において、Microsoftのメッセージングアプリの変遷を振り返りながら、Teamsが個人向けのコミュニケーションアプリとして抱える課題を指摘した。

  • Microsoft TeamsはSkypeを代替可能なのか?(出典:Microsoft)

    Microsoft TeamsはSkypeを代替可能なのか?(出典:Microsoft)

MSN MessengerからSkype、Teamsへ - 個人向けアプリの変遷

Microsoftは1999年7月、個人向けメッセージングサービス「MSN Messenger」の提供を開始した。友人や家族などのオンライン状態を確認し、リアルタイムでメッセージを交換できるサービスとして普及し、2008年には後継のWindows Live Messengerの月間利用者が3億3000万人を超えた。

一方、2001年に発売されたWindows XPには「Windows Messenger」が標準搭載されていた。MSN Messengerとは別の製品だが、テキストチャットに加えて音声・ビデオ通話、アプリケーション共有などの機能を備えており、Windows XPのリモートアシスタンスとも連携していた。

その後、Microsoftは2011年にSkypeの買収を発表し、2013年にはWindows Live Messengerのサービスを中国本土を除く地域で終了してSkypeへの移行を進めた。さらに2025年5月5日にはSkypeも終了した。MicrosoftはTeams無料版を移行先として案内し、Skypeのチャットや連絡先を引き継げるようにした。ただし、一部のデータや機能は移行対象外となっている。

こうした変遷を経て、MicrosoftのメッセージングサービスはTeamsに集約された。しかし、Windows Latestの記者は、かつてのMessengerやSkypeが担っていた個人向けの気軽なコミュニケーションと、現在のTeamsが重視する業務上のコミュニケーションには違いがあると指摘している。

Teamsは個人向けには重すぎる? メモリ消費量にも疑問

Teamsはチャットや音声・ビデオ通話など、個人向けのコミュニケーションに必要な機能を備えている。MicrosoftもTeams無料版をSkypeの後継サービスと位置付けているが、Windows Latestの記者は、業務利用を中心に発展してきたTeamsと、個人向けのシンプルなメッセージングアプリでは性格が異なると指摘している。

記者が問題視しているのは、使い勝手だけではない。アプリの構造やメモリ消費量についても疑問を呈している。

Windows MessengerがWindows向けのネイティブアプリだったのに対し、現在のTeamsはWebView2をホストとして利用し、Reactでユーザーインタフェースを構築している。Microsoftは、このアーキテクチャへの移行によって従来版よりメモリー使用量を削減したと説明している。

一方、Windows Latestの記者による検証では、新規にインストールしたTeamsが、会話のないアイドル状態でも963MBのメモリを消費したという。

記者は、個人間のメッセージ交換や通話を中心に利用するユーザーにとって、こうしたアプリの重さは望ましくないと指摘。Windows 11には、かつてのMessengerのような軽量で使いやすいメッセージングアプリが標準で用意されていないと問題提起している。

MSN Messengerの復活を提案、Microsoftに求められるものとは

Windows Latestの記者は、Microsoftが個人向けのメッセージングアプリを改めて提供することを提案している。

具体的には、かつてのMSN Messengerを現代向けに復活させ、Signalのようなエンド・ツー・エンドの暗号化に対応した無料サービスとして提供する案を示した。Windowsだけでなく、Android、iPhone、Webからも利用できるようにすれば、Windowsを選ぶ理由の1つになる可能性があるという。

ただし、記者は新たなアプリを提供するだけでは十分ではないとも指摘。Microsoft製品に対するユーザーの不信感を払拭するため、既存製品のプライバシー保護に関する透明性を高め、不具合を減らすなど、製品への信頼を回復する取り組みが先決だという考えだ。

Microsoftは法人向けサービスを事業の大きな柱としているが、記者は個人向けサービスにも改めて目を向けるべきだと主張している。

Skypeの終了によって、Microsoftの個人向けメッセージングサービスはTeamsへと引き継がれた。しかし、機能を引き継ぐことと、個人ユーザーが求める使いやすさを実現することは必ずしも同じではない。Windows Latestの記事は、Microsoftの個人向けコミュニケーションアプリのあり方に疑問を投げかけている。