Notion Labs Japanは10月29日、コクヨがエンジニアを中心とする100人規模の組織に「Notion」と「Notion AI」を導入し、AIエージェントを活用した開発業務フローの構築を進めていると発表した。カスタムエージェントによるドキュメントのレビューに加え、生成AI「Claude」と「Notion MCP」を連携させ、Notion上の情報をAIが参照・更新する「AI駆動開発」を推進しているという。

分散していた開発情報をNotionに集約

コクヨのビジネスサプライ事業本部は、ITによる生産性向上と新規事業の創出に向けて開発の内製化に着手し、2024年7月にエンジニア組織を立ち上げた。

当時は、議事録や設計書、要件定義書などをクラウドサービスで管理する一方、独自のファイルサーバーも併用していた。情報は表計算ソフトやプレゼンテーションソフトなど、さまざまな形式で保存され、フォーマットも統一されていなかった。そのため検索性が低く、必要な情報を見つけるまでに時間を要していたという。

こうした課題に対応するため、同事業本部は2024年7月にNotionを導入。現在は、ミーティングの議事録を共同で作成しているほか、開発プロジェクトのタスクや課題、QA、要件定義書、設計書などをNotion上で管理している。

Notionの採用にあたっては、ITツールに詳しくないメンバーでも操作しやすい点を評価。また、同じデータをテーブルやカレンダー、カンバンなどの形式で表示できるデータベース機能や、ドキュメント、タスク、プロジェクト管理を一つのプラットフォームに集約できる点も判断材料になったとしている。

AIと人による文書レビューのサイクルを構築

ドキュメントの品質チェックには、カスタムエージェントを使った簡易レビューを取り入れた。レビューの内容と結果をフィードバック用のデータベースに蓄積し、人が再確認した内容を新たなナレッジとしてエージェントに反映している。

AIによるレビュー、人による確認、結果の蓄積、ナレッジへの反映というサイクルを繰り返し、次回以降のレビューと品質チェックを継続的に改善する仕組みだ。

開発現場では、ClaudeとNotion MCPも連携させた。これまで人が複数のツールを行き来して情報を探し、転記や更新を行っていた業務において、AIがNotion上の情報の参照から更新までを支援する。コクヨは、Notion上の情報と業務を一連の流れでつなぐ「AI駆動開発」への移行を進めている。

今後は、Notionを情報の保存場所にとどめず、業務を支えながらナレッジの品質を高める環境として活用を進める方針だ。情報が不足している場合にはAIが加筆を促し、冗長な場合には整理するなど、人とAIが協働してナレッジの品質を維持・向上させる仕組みを目指す。