ファナックは10月27日、AIを活用して産業用ロボットの物体認識を高度化する新技術「AIマスタレスビジョン」を開発したと発表した。同技術により、機械加工の現場におけるロボットの導入や自動化を容易にすることを目指す。
従来のビジョンセンサでは、対象物の形状などを事前に登録するビジョン教示が必要だった。AIマスタレスビジョンでは、例えば「円柱部品」と指示するだけで、初めて見る加工素材でもカメラ画像から認識し、ロボットで搬送できる。
透明な物体や光沢のある金属部品も認識
AIマスタレスビジョンは、カメラとAIを組み合わせて物体の3次元形状を認識する。さまざまな照明条件における物体の見え方を事前に学習しており、時間帯や季節によって明るさが変化する環境でも、対象物を認識できるという。
これにより、無人搬送車(AGV)や台車に搭載されたロボットが、周囲の環境が変化しても、簡単な指示で対象物を見つけて運ぶ用途などを想定している。
また、従来のビジョンセンサでは認識が難しかった透明な物体や、鏡面のような光沢を持つ金属部品にも対応する。これまでは照明条件の調整などが必要だったが、AIにさまざまな物体の見え方を学習させることで、こうした調整の負担を軽減できるという。
同社は2027年1月にAIマスタレスビジョンの出荷を開始する予定。フィジカルAIの活用を通じて、機械加工現場のさらなる自動化を推進する。


