Microsoftは、Windows 11にMicrosoft Edgeの起動を高速化する新機能をWindows Insider向けに導入した。バックグラウンドで動作しているEdgeに起動要求を直接送信することで、不要なプロセスの起動を省き、応答速度を向上させる。

Windows Latestがメモリ容量を4GBに制限した環境で検証したところ、複数のアプリを実行している状態で効果が確認された。

メモリ4GBの環境で効果を確認、高負荷時のEdge起動が高速化

同機能は10月16日、Windows Insider Programのリリースプレビューチャネル向けにリリースしたWindows 11ビルド26200.9807および26300.9807に導入が始まった。機能は段階的に展開されるため、更新プログラムをインストールしてもすぐに利用できるとは限らない。

Microsoftのリリースアナウンスによると、Windowsは起動要求を実行中のアプリへ直接送り、一時プロセスを起動する手順を取り除くことで高速化する。とくに複数の作業を並行している場合など、デバイスが高負荷状態にあるときに顕著な効果を得やすいとしている。

Windows Latestは、メモリ容量を4GBに制限した仮想マシンで更新前後のEdgeを比較している。更新前は、再起動直後にタスクバーからEdgeを開くと比較的速く起動したものの、Microsoft Storeとペイントを開いた状態では明確な遅延が発生した。Windows再起動後、Edgeを初めて起動した際の速度に目立った変化はなかったが、Storeとペイントを起動した状態では遅延なく開いたという。

Edgeの起動を高速化する仕組みとは? 対応アプリの拡大も視野に

この機能が対象とするのは、バックグラウンドで動作しているEdgeに限られる。初めてEdgeを開く場合や、再起動後の初回起動を速める機能ではない。

通常、起動後のEdgeへのリクエスト送信は、Edgeの実行ファイルにリクエストを引数として与える方法が使用される。この方式ではEdgeプロセスが新たに起動され、Edgeによって既存のバックグラウンドプロセスの発見およびリクエストの送信が行われる。リクエストの送信を終えると、新しいプロセスは終了する。

高速アプリ起動では、この新しいプロセス起動を省略し、既存のバックグラウンドプロセスの発見およびリクエストの送信をWindowsが直接行う。この動作によって実行ファイルをストレージからメモリー上に展開する処理が不要となり、応答速度を大幅に向上できる。

  • 従来の起動手順(上)と、高速アプリ起動(下)の動作イメージ 出典:Microsoft Learn

    従来の起動手順(上)と、高速アプリ起動(下)の動作イメージ 出典:Microsoft Learn

Microsoftは2025年10月ごろ、開発者向け資料「Accelerate warm launches of your Windows app - Windows apps | Microsoft Learn」を公開している。この資料によると、対応アプリがウィンドウをWindowsに事前登録する仕組みで、ユーザーがスタートメニュー、タスクバー、対応するリンクから起動を要求すると、Windowsが登録済みのウィンドウへ直接要求を送信する。

Windowsへの登録には実験的なAPI「IExperimentalAPIInvoker」を使用する。リンク経由の高速化は、プロトコルの「既定アプリ」に指定されている場合に限り機能する。また、すべてのWindows環境で機能する保証はなく、従来のアプリ内に実装されたリクエスト送受信処理も引き続き必要だ。

ただし、機能の利用には制限がある。関連APIは限定アクセス機能であり、開発者はMicrosoftに利用解除トークンを申請する必要がある。

Windows Latestは、過去の更新プログラムの提供実績から、10月後半のオプション更新プログラムで提供される可能性があると指摘している。第一弾はEdgeのみの対応となるが、11月のセキュリティ更新プログラムで幅広い一般ユーザーにも段階的な提供が開始される見通しだ。