このものづくりニュースのまとめ

  • 東京メトロと三菱電機、鉄道用の新たな主回路システムを東京メトロ東西線05系車両に導入、2〜3割の省エネ効果を見込む
  • 三菱電機の「同期リラクタンスモータシステム」と「超小型VVVFインバータ装置」の組み合わせを、鉄道の主回路システムに導入するのは今回が世界初
  • 新システム採用した東西線車両は2026年12月から営業運転を開始予定

東京地下鉄(東京メトロ)と三菱電機は、鉄道用「同期リラクタンスモータシステム」と「超小型VVVFインバータ装置」を組み合わせた新たな主回路システムを、東京メトロ東西線05系車両に導入する。新車両は2026年12月から営業運転を開始予定で、2〜3割の省エネ効果を見込む。

  • (左から)東京メトロ東西線05系車両、三菱電機の「SynTRACS」を構成する同期リラクタンスモータと超小型VVVFインバータ装置

    (左から)東京メトロ東西線05系車両、三菱電機の「SynTRACS」を構成する同期リラクタンスモータと超小型VVVFインバータ装置

三菱電機の「同期リラクタンスモータシステム:SynTRACS」は、同期リラクタンスモータとそれを制御するインバータで構成したシステム。東京メトロと共同で、日比谷線13000系車両において世界で初めて実証試験や営業線長期評価試験、営業運用を行い、一般的な誘導モータシステムに比べて約18%という高い省エネ効果を定量的に確認したという。両社は、今回の東西線05系車両への導入で、従来比約20~30%の省エネ効果を見込んでいる。

超小型VVVFインバータ装置は、同期モータを駆動するVVVFインバータ装置が大型化する課題を解決するために開発したもので、最新のSiC素子や性能強化したCPUを適用。従来比で体積は約81%、重量は約43%と超小型化を追求しており、既存車両のリニューアル工事における導入性の向上や、フレキシブルな床下機器配置につながるとのこと。

SynTRACSと超小型VVVFインバータの組み合わせを、鉄道の主回路システムに導入するのはこれが世界初。東京メトロでは、2030年度までに合計9編成の導入を予定している。

新たな主回路システムの詳細

新たなシステムの導入対象となる東西線05系車両は10両編成。1編成につき、同期リラクタンスモータ(定格出力250kW)と超小型VVVFインバータ装置を各16台搭載する。重量はモータが551kg/台、超小型VVVFインバータ装置が140kg/台。

同期リラクタンスモータは、回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる磁極との相互作用で発生する「リラクタンストルク」で駆動する仕組み。一般的に鉄道車両で採用される誘導モータと比べて、回転子の発熱損失が小さく、効率や質量特性に優れる点を特徴とする。今回採用したモータは、導入前と比べて重量を約9%低減しながら、出力は約22%増えるとのこと。

超小型VVVFインバータ装置は、最新のSiCパワー半導体素子でスイッチングロスを抑え、発熱抑制による冷却器の小型化も追求。高性能CPUを活用した高集積制御基板で装置構成も刷新して、前出の超小型化を実現したとのこと。

  • 導入前後の1両当たりの増減比較

    導入前後の1両当たりの増減比較