セコマは9月18日、北海道旭川市に「セイコーマート宮下通店」を開店した。

同店のZEB化には、北海道電力がZEBプランナーとして参画。高断熱化やエコキュートなどによる省エネと、太陽光発電設備による創エネを組み合わせた。

コンビニエンスストアとして道内で初めて、「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の認証を取得した店舗となっている。

  • コンビニエンスストアとして道内初の『ZEB』認証を取得した「セイコーマート宮下通店」

    コンビニエンスストアとして道内初の『ZEB』認証を取得した「セイコーマート宮下通店」

寒冷地・旭川で『ZEB』を実現、省エネと創エネを組み合わせ

ZEBとは、快適な室内環境を保ちながら、建物の高断熱化や日射遮へい、自然エネルギー利用、高効率設備などによる「省エネ」と、太陽光発電などによる「創エネ」を組み合わせ、年間の一次エネルギー消費量をゼロ、あるいはおおむねゼロとする建物のこと。

削減率に応じて、100%以上の『ZEB』、75%以上の『Nearly ZEB』、50%以上の『ZEB Ready』、建物の用途により30%または40%以上の『ZEB Oriented』に分けられる。宮下通店は、このうち最高水準となる『ZEB』の認証を8月5日に取得した。

北海道電力は、ZEBの実現に向けて建築設計や設備設計、設計施工、省エネ設計、コンサルティングなどを支援するZEBプランナーとして同店のZEB化に参画した。

同店では、床断熱やエコキュートの導入などによる省エネに加え、太陽光発電設備の設置による創エネを実施。これらを組み合わせることで、寒冷地においても年間の一次エネルギー消費量を基準建築物比で108%以上削減している。

9月18日に行われた報道機関向けの現地公開では、北海道電力がこれらの取り組みについて説明。太陽光発電で作った電気を優先的に使用し、主に昼間にお湯を沸かすヒートポンプ給湯器「おひさまエコキュート」や、屋根や壁面に設置した太陽光パネルなどが紹介された。

  • 店内に貼られた『ZEB』認証の表示

    店内に貼られた『ZEB』認証の表示

BEMSで店舗のエネルギー利用を分析、2029年7月まで共同実証

北海道電力は店舗のZEB化に加え、セコマとエネルギー利用の最適化に向けた共同実証にも取り組む。

多店舗を展開するセコマでは、設備の運転状況とエネルギー使用状況を把握し、継続的な省エネ改善を進めるため、店舗ごとのエネルギー使用状況の見える化や、空調、ショーケースなどの遠隔制御が課題となっていた。

そこで、これまでセイコーマート店舗の省エネ化やエネルギー利用分析に取り組んできた北海道電力と連携。2029年7月末まで共同実証を行う予定だ。

今回の実証では、宮下通店に、建物内のエネルギー使用状況や設備の運転状況を計測・収集する「BEMS(Building Energy Management System)」を導入している。

BEMSは、収集したデータを可視化・分析・制御することで、建物のエネルギー管理や室内環境の適切な維持を支援するシステムだ。

  • セイコーマート宮下通店 共同実証イメージ

    セイコーマート宮下通店 共同実証イメージ

  • BEMSを通じて取得したデータを分析

    BEMSを通じて取得したデータを分析

実証成果を他店舗やオフィス、工場などへ

現地では、北海道電力 バリューマーケティング部 エネルギーソリューション室の坂本直毅室長が今後の取り組みについて説明した。

坂本室長は、「旭川という寒冷・積雪地域において、コンビニエンスストアで最高水準の『ZEB』を実現できたことに大きな意義があると考えています」とした上で、今後について「BEMSで取得するデータをセコマさまと共同で分析し、省エネ効果や設備運用の最適化を検証するとともに、その成果を他店舗やオフィス、工場などへ広げ、北海道全体の省エネ・脱炭素化に貢献していきたいと考えています」と述べた。

  • セコマと北海道電力の関係者

    セコマと北海道電力の関係者