日立ソリューションズ西日本は10月2日、生成AIで金融機関の業務規程の確認作業を効率化する「業務規程ナレッジ検索・活用サービス」の提供を開始した。営業・窓口担当者による情報検索や、事務部門への問い合わせ対応の負担軽減を図る。

根拠の条文を提示し、新人・管理者に応じて回答を調整

日立ソリューションズ西日本によれば、金融機関ではコンプライアンスの強化や業務の多様化・複雑化に伴い、必要な規程に迅速にたどり着けず、事務部門への問い合わせが増える傾向にあるという。また、問い合わせ対応業務においては、回答のばらつきが生じたり回答に時間を要したりしているほか、ベテラン職員への知識・ノウハウの集中が課題となっている。

「業務規程ナレッジ検索・活用サービス」は、AIエージェントとRAG(検索拡張生成)を用い、業務規程に基づく回答と参照した条文を提示するサービス。担当者の役職や熟練度に応じた「ロール別回答」にも対応し、新人には業務手順や注意点を詳しく説明し、管理者には判断基準や監査・確認の観点を重視した回答を生成するといったことが可能だ。

社内ナレッジを参照する「ナレッジ連携チャット」に加え、文書やメールの作成、文章の要約・添削、情報整理を支援する「AIチャット」を提供する。稟議書や各種申請書、顧客向け通知文、行内周知文の作成・添削や、会議議事の要約などへの利用を想定している。

  • サービス利用イメージ

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同社は本サービスについて、実際の業務に即した質問に対して想定する回答を提示できるかを検証するPoC(概念検証)をある金融機関と実施した。そこでは、事務集中部門と同程度の回答が提示され、実運用に適用可能との評価を得たという。

サービスは、金融機関とクラウド環境をIP-VPNによる閉域ネットワークで接続し、日立ソリューションズ西日本の「金融アプリ統合サービス基盤」上で提供されるため、インターネットに接続せずに運用可能。また、推論型AIを採用して入力データはAIモデルの学習に利用しない構成としており、機密情報の利用に伴う情報漏洩リスクの低減を図っている。

日立ソリューションズ西日本は今後も機能の拡充と適用範囲の拡大を進める予定。さらに、本サービスで蓄積した知見を基に、業務規程や各種規則の管理・利用に課題を持つ他業種への展開も進める方針だ。