さくらインターネットは9月24日、東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/附属人工物工学研究センター 松尾・岩澤研究室(松尾研)が中心となって開発した医療特化型LLM(大規模言語モデル)「Weblab-MedLLM-gpt-oss-120b」を、生成AI向け推論API基盤「さくらのAI Engine」上で提供を開始した。同モデルは、内閣府「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」のもとで実施された、NEDO「AIの安全性確保に関する研究開発・検証等の推進事業/日本語版医療特化型LLMの社会実装に向けた安全性検証・実証」の成果として開発された医療LLMとなる。

日本語の医学知識を追加学習した医療特化LLM

近年、医療現場では文書作成や情報整理、医療データの利活用などの業務負担軽減に向け、生成AI活用への期待が高まっている。一方で、医療分野では専門性や安全性への高い要求があり、日本語環境や国内医療制度に適したモデルの整備が課題となっていた。Weblab-MedLLM-gpt-oss-120bは、オープンウェイトモデル「gpt-oss-120b」をベースに、日本語専門知識を追加学習で構築した医療LLM。

具体的には日本語の医学論文、医学書籍、診療ガイドライン、試験問題などを活用した追加学習を行い、日本の医療環境に適した応答性能を実現している。また、安全性評価や攻撃耐性の検証を実施し、医療分野における生成AI活用の研究開発を支援するため公開されている。

「さくらのAI Engine」からAPI経由で利用可能に

今回、同モデルをさくらのAI Engineから提供することで、研究機関や企業、開発者はAPI経由でモデルを利用できるようになる。これにより、医療データの活用や医療関連アプリケーションの研究開発、業務支援システムの検証など、日本の医療分野における生成AI活用の促進が期待されている。1万トークンあたりの価格は入力が0.9円、出力は4.5円。

なお、同モデルは研究開発成果として提供するものであり、医療行為(診断、治療方針の決定、健康への助言など)に直接適用することは推奨していない。あくまで医療専門家による適切な判断の補助となる情報提供ツールとしての利用にとどめることを推奨している。