三菱電機は9月24日、米国の子会社であるMitsubishi Electric Power Products三菱電機パワープロダクツ)が米国の次世代AIデータセンター向けに、NVIDIAの「Vera Rubin NVL72」と、次世代GPUに対応した「Chip-to-Grid DSXリファレンスデザイン」を公開した。今後、三菱電機グループはデータセンター事業者に対して、リファレンスデザインにもとづくソリューションを提供する。
AIデータセンター向け「Chip-to-Grid」構想
三菱電機はデータセンターの電力最適運用化を支援するソリューション事業を重点施策に掲げている。近年、生成AIからエージェントAIやフィジカルAIへとAIの活用範囲が拡大しており、データセンターは重要な社会インフラの一部として、急速かつ大規模な設置拡大が見込まれている。
これに伴い、データセンターには高い電力効率だけでなく信頼性と拡張性が求められ、データセンター事業者は、AI需要の拡大に対応した電力確保や熱管理、安定運用に課題を抱えている。
リファレンスデザインは、次世代AIデータセンター建屋の内部にとどまらず、系統接続からGPUなどのチップへの電源供給や、ラックから施設全体の冷却を統合的に含むものとなる。
同社の送配電設備と次世代の電源システムや冷却システムを統合し、ソリューションとして提供する構想としているほか、将来見込まれるギガワット(GW)級データセンターにも対応する拡張性も有しているという。
オンサイト発電と蓄電池で電力供給を最適化
具体的には、データセンター敷地内にオンサイト発電システムとBESS(Battery Energy Storage System:蓄電システム)を備え、平常時は電力会社の系統に接続し、商用系統の依存度を抑えて運用することで、万が一の系統事故時にはマイクログリッドとして自立運転に切り替え、データセンターの電力確保と安定運用に貢献するとのこと。
また、データセンター建屋内においては、電源システムとして415/480VACに加え、800VDC配電にも対応。さらに、冷却システムとしては高密度なAI負荷に適用可能なデュアルループ冷却方式を組み合わせることで、電力効率を最大化するとしている。
今後、新たなリファレンスデザインを活用して、データセンターが抱える課題の解決に取り組み、高付加価値のソリューションを多様なデータセンター関連システムの1つとして提供することで、世界市場における事業拡大を図る考えだ。