米航空宇宙局(NASA)などが新たに公開した、惑星状星雲「NGC2392」の画像。米欧とカナダのジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が赤外線で捉えた。ふたご座にあり、地球からの距離は数千光年。惑星状星雲は、太陽の半分から8倍ほどの重さの星が燃え尽き、ガスが広がった姿。神秘的な姿が目を引く。

  • alt

    惑星状星雲「NGC2392」(NASA、欧州宇宙機関、カナダ宇宙庁、米宇宙望遠鏡科学研究所提供)

天文が好きな人は、この度のNASAサイトの見出し「Lion Nebula(ライオン星雲)」を見て「あれ?」と感じたかもしれない。というのも、同じくLion Nebulaと呼ばれてきた天体が別にある。ケフェウス座の散光星雲「Sh2-132」だ。

NASAは2020年8月、一部の天体の通称の再検討を表明。例として、長く「エスキモー星雲」と呼ばれてきたNGC2392について「エスキモーは人種差別的な歴史を持つ植民地支配的用語と考えられている」などと指摘し、以後はエスキモー星雲と呼ばないこととした。

学術界では、天体カタログに記載された名称のNGC2392やSh2-132で区別する。とはいえ、天文ファンも含め、親しみやすい通称で呼ぶことも多い。誰が考えたか、中心の白色矮星(わいせい)がライオンの鼻、ガスが顔、周囲の塵(ちり)がたてがみに見え、確かにぴったりの名前ではあるが…。欧州宇宙機関(ESA)も最近、ライオンと記している。非公式であれ、この2機関が呼び始めた影響は大きいのでは。通称の重複で混乱が起きないだろうか。なお、そもそもエスキモーの語が必ずしも差別に当たるのかについても、議論があるようだ。

ケフェウス座のライオンが「俺は全身だけど、お前、顔だけじゃん!」とボヤいているかも。

関連記事

「エスキモー星雲」など天体の通称、NASAが見直し表明

星とガスの相互作用 輪廻転生の現場捉えた ジェームズウェッブ望遠鏡