【 厚生労働省 】新次官に村山誠氏が昇格 医系技官人事は異変あり

特別国会の会期の関係で例年より遅い7月末の発表となった厚生労働省の幹部人事は、伊原和人事務次官(1987年、東大法)が退任し、後任の新次官には村山誠氏(90年、東大文)が職業安定局長から昇格した。

 旧労働省系の次官は村木厚子氏以来11年ぶり。次官級で省ナンバー2の厚労審議官に間隆一郎氏が保険局長から昇進。こうした下馬評通りの人事の一方で、次官級の医務技監への起用が取りざたされていた大坪寛子氏(2008年、東京慈恵医大医)は健康・生活衛生局長から事実上の「上がりポスト」とされる国立保健医療科学院長に回り、迫井正深・医務技監(92年、東大医)は異例の4年目に突入する。

 村山氏の次官昇格については、「本命なので全く驚きはない」(中堅)という受け止めで一致している。あるOBは「厚生系の重要案件も含め、器用にこなすのではないか」と話す。保険局長や年金局長といった重要ポストを歴任してきた間氏の厚労審就任については「実力があるので来夏に次官に上がる可能性がある。年末にかけて高齢者医療改革が控えているが、次官より自由に動けるのではないか」(先のOB)との見方も。

 省内外の関係者が「意外だった」と口をそろえるのは、大坪氏の転出だ。同期扱いの森光敬子氏(92年、佐賀医大医)とともに医務技監候補とされていたためだ。森光氏も健康・生活栄局長に横滑りし、医務技監は迫井氏の続投になった。

 大坪氏といえば、安倍、菅政権で首相補佐官として辣腕を振るった和泉洋人氏などから厚い信頼を得たことで知られる。しかし、出張先のホテルの部屋が和泉氏と扉でつながるコネクティングルームだったことが国会で問題視されるなど「悪目立ちが過ぎる」との批判もあった。

 ある幹部は「今回の人事で、次期医務技監は森光氏に絞り込まれたのではないか」と語る。大坪氏が官邸人脈を使って巻き返しを図るのか、今後も医系技官人事から目が離せない。

【 370兆円の官民投資の虚像 】ABC経済研究所 代表エコノミスト・熊野英生