JFEが米国、インドを攻略へ 世界で数少ない「成長市場」

インドでは製鉄所の運営に本格的に参画

 

 世界でも少なくなった「成長市場」をどう攻めるか――。

 JFEホールディングスが鉄鋼事業で米国、インドに注力している。競合である日本製鉄が米国でUSスチール買収、インドではアルセロール・ミタルとの合弁を進める中、JFEとしてはどう差別化していくのか。

 米国では、米最大手の鉄鋼メーカーで、電炉メーカーのニューコアと協業関係にあり、すでに合弁会社を2社運営している。

 JFE HD社長の北野嘉久氏は「米国はまだ鉄鋼輸入国。需要に対して供給能力が不足しているのでUSスチールは増強し、韓国勢も製鉄所建設の検討をしている。今後については米国の需要を見ながら考えるが、キーワードは、やはり高級鋼分野」と話す。視野に入るのは電磁鋼板や自動車用鋼板といった高級鋼になりそうだ。

 もう一方のインドで、JFEは現地の鉄鋼大手・JSWスチールと提携関係にある。すでに、JSWの子会社に2700億円の出資を決め、製鉄所の運営に本格的に参画。現在粗鋼生産量年450万トンの製鉄所だが、2030年には1000万トン、その先には1500万トンへの拡大まで視野に入れている。

 インドの1人当たりの鋼材消費量は年100キロ程度と、日本の440~450キロと比べるとまだ少ない。だが「過去の歴史を見ると、100キロを超えると急速に伸びていく傾向にある」(北野氏)。

 すでにインドは粗鋼生産量で中国に次ぐ世界2位の市場にまで成長。今は道路、橋、鉄道といったインフラ需要が中心だが「今後はモータリゼーション、電化がキーワードになる」と北野氏。製鉄所も、将来の自動車鋼板など高級鋼生産も見据えたものにしていく考え。米国、インドという成長市場で、日本勢がしのぎを削る形になる。