
国土交通省は、住宅購入の際に、親などから必要資金を贈与してもらう際の贈与税免税措置に関する経済効果の試算をまとめた。
贈与税免除は、もともと裕福な親の元に生まれた人に有利な税制となるため、「格差の固定化につながる」といった批判もある一方で、高齢世代から働き盛りの世代に資産の移転が進むことで、国全体の経済にとって大きなプラスの効果が期待できるため、政策減税として実施されている。
同省の試算によると、直接的な経済効果は少なくとも1290億円。免税措置を講じることによる政府の税収入の減少幅が約400億円から700億円弱であるため、経済効果が減収幅を上回る結果となった。
試算は、贈与税の免除措置と同じ住宅取得促進税制の一つとして実施されている住宅ローン減税の効果検証に用いられたデータを基に実施。免税措置で新たに購入を決めたケースと、もともと住宅購入の意思がある人が、より価格の高い住宅を購入した場合の効果をそれぞれ計算した。
その上で、土地の購入のために支払った金額を除き、計算を行っている。試算は、全て新築住宅について行われており、1290億円には、検証が難しい中古住宅の購入による経済効果は含まれていないため、実際の経済効果はさらに大きな額となると見られる。
2026年度の与党税制改正大綱では、政策減税による効果をEBPM(証拠に基づく政策立案)に基づく適切なデータを用いて分析・検証するよう求めており、今回の国交省の試算は、大綱に記載された政策減税に対する問題意識を基に実施されていた。
国交省では今後、今回の試算を政府・与党内の税制改正を巡る議論で積極的に活用していく方針だ。