
農業の担い手不足が正念場を迎えている。農林水産省が公表した2026年農業構造動態調査(2月1日現在)によると、自営農業を主な仕事としている「基幹的農業従事者」は前年比4.8%減の98万6600人で、初めて100万人を割った。1976年は約503万人だったことから、半世紀で5分の1に縮減した。
基幹的農業従事者を年齢別にみると、70歳以上の占める割合が全体の56.5%に上る一方、29歳以下はわずか1.2%にとどまる。平均年齢は67.7歳だ。
組織別にみると、農業経営体のうち9割超を占める個人経営体が前年比4.6%減(75万9000経営体)だったのとは対照的に、法人経営体は2.4%増(3万4600経営体)、農業法人の役員などは2.6%増(10万900人)となり、従業員数も1.6%増の24万5900人だった。
鈴木憲和農水相は、7月3日の記者会見で、基幹的農業従事者数の減少については「これは個人経営体の減少を意味しており、主に高齢者のリタイアなどによるものと理解している」と述べた。
「今後も高齢化の進展により、基幹的農業従事者数が減少することは引き続き見込まれる」との懸念も示した上で、「リタイアされる高齢者の皆さんの農地をしっかりと地域で引き継いでいけるかどうかが、日本の食料供給力を確保する上で何よりも大事だと考えている」との認識を示した。
日本の食料自給率(カロリーベース)は平成元年度(1989年度)に5割を切り、近年は40%近い水準で推移している。政府は2030年度までに45%に引き上げる目標を掲げる一方、農地などの農業資源や農業技術、農業労働力に着目した「食料自給力」を定め、その維持・向上にも力を入れている。農業生産の基盤となる農地に関しては、良い条件でなければ担い手も引き受けづらい傾向にあるという。
鈴木農水相は、土地改良も含めた基盤整備、農地バンクの活用などを進めていく必要性も訴えた。農業の担い手を集約し、規模を拡大していくには一定の設備投資も欠かせないことから、「農業構造転換集中対策で様々な投資への支援を行っている」とし、「そこも引き続き、しっかりやっていくことで、我が国の食料供給力を維持・向上していきたい」と、担い手の育成・確保を図る考えを強調した。