【 総務省 】「特別市」議論が本格化 知事会などが警戒強める

道府県の権限を政令市に移す「特別市」制度を創設する構想を巡り、政府の第34次地方制度調査会(首相の諮問機関)で議論が本格化する。特別市制度は、道府県と政令市との二重行政を解消するため、全国20政令市でつくる「指定都市市長会」が早期法制化を国に要望。これに対し、全国知事会などは警戒を強めている。

 特別市制度は、人口減少に対応するため、政令市を道府県から独立させ、財源や権限を一本化する仕組み。指定都市市長会は昨年12月、特別市実現に向けた報告書を林芳正総務相に提出した。国民民主党も、自民党と日本維新の会が提出した「副首都」構想法案の対案として、特別市設置法案を今国会に提出した。

 神奈川県では、横浜、川崎、相模原の3政令市と、他の自治体で意見が対立している。県内人口の3分の2を占める3政令市は特別市実現に力を入れるが、残る30市町村と県は、財源が流出し、警察事務や災害対応にも影響が及ぶ可能性があるとして「看過できない」と猛反発。法制化に反対すると国に申し入れた。千葉、埼玉、神奈川3県の町村会も反対する要望書を全国町村会に提出した。

 神奈川県の黒岩祐治知事は「(特別市となり)独立すれば財政的な問題で、政令市以外は壊滅的になる」と主張。これに対し、3政令市は「住民目線に立った建設的な議論が必要だ」「県の主張は特別市に対する理解をミスリードし、県内市町村と政令市との分断を助長しかねない」と反論している。

 全国知事会はプロジェクトチーム(PT)を設置し、特別市制度の課題などを議論。今年3月の初会合では、道府県の財政や広域調整機能への影響を懸念する意見が出た。地制調で委員を務める知事や国会議員からも慎重な議論を求める声が上がっている。

 知事会PTは7月に中間報告をまとめ、10月に意見を表明する見通し。地制調は特別市を設置した場合の財政への影響や、設置手続きなどを議論し、27年末頃までに答申をまとめる。

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